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2021年おすすめ新譜アルバムVol. 21: Tatwoine「hoodies」

新譜アルバム紹介Vol. 21です。

今回紹介するのは、東京のビートメイカーのTatwoineがリリースした「hoodies」です。

ジャケ

Tatwoineは新潟出身で東京を拠点に活動するビートメイカーです。以前はTatooine名義で活動していました。

10年代前半からビートメイカーとしての活動を開始。14年にはビートテープ「Voyage to Tatooine」を発表し、その後も17年の「Man ist, was Man isst.」や「Baht and Butts」、18年の「The Corner Store」などBandcampで精力的にビートテープの発表を重ねます。19年にはラッパーのCKとのタッグ作「Raw Talk」をリリース。その後も19年のビートテープ「Una Noche Más」の発表やMASS-HOLE作品への参加など、精力的に活動しています。

ソウルやジャズ、ロックなど多彩なサンプリングソースをブーンバップに落とし込んだビートを聴かせるビートメイカーです。ネタの質感は様々ですが、どんなものを用いても常にブーンバップとして鳴らします。メロウなものも作りますが、ハードな路線が得意な印象です。

今作は哀愁系やパワフルなもの、緊張感のある路線など様々なアプローチのビートを揃えた快作に仕上がっています。また、CD版・カセットテープ版にはボーナストラックが2曲追加されています。追加曲も良いです。


1. The First Experience

不穏なギターを用いた緊張感のある曲。

ロック的な質感のネタを使いつつも、ループの美学と太いドラムでしっかりとブーンバップになっています。フェイドアウト間際のネタの展開も印象的。


2. H-Town

Flee Lordあたりが似合いそうなハードな曲。

緊張感のあるピアノループと荒々しいドラムが目立つ良曲です。Griselda周辺が好きな方も是非。


3. Mark Calaway

うっすらと例の高音シンセも聞こえる曲。

美しいストリングスをループし、乾いたスネアやスナップ音など複数のドラムを合わせた曲です。SE的な音使いも見事。


4. The Old Man and the Gun

今作のハイライトの一つ。

男性シンガーのソウルフルな歌とコーラスを巧みにチョップした、パワフルなブーンバップです。ビートの構成的にはJames Blakeの1stにも通じるものがありますが、鳴りは骨太。


5. Sometimes I Think About You

繊細なチップマンク・ソウル。

「The Old Man and the Gun」と同様、歌のループを聴かせるような曲です。優しいドラムも絶妙。


6. Drive-in Theater

艶やかなギターを用いた哀愁路線。

イントロで一瞬入る50 Centの声ネタから展開する瞬間が素晴らしいです。ブーンバップマナーの暖かいドラムもばっちり。


7. Spanish Hooligan

Griseldaなどの現行NYっぽいハードな曲。ビートスイッチあり。

前半はギラギラしたギターとストリングスのループ、時々入るスネアの連打にノックアウトされます。後半での繊細なビートも良いです。


10. Old Tape

哀愁漂うソウルフル路線。

メロウなエレピと寂しげなギターのフレーズに、優しいブーンバップ流儀のドラムが絡む良曲です。後半に入ってくるサックスのループも見事。

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