2023年おすすめ新譜アルバムVol. 56: Go! Ricky Go!「U4Rick」
新譜アルバム紹介Vol. 56です。
今回紹介するのは、アトランタのシンガー兼ギタリストのGo! Ricky Go!がリリースした「U4Rick」です。
Go! Ricky Go!はアトランタ出身のシンガー兼ギタリストで、DJ Burn One率いるThe Five Points Bakeryのメンバーとしても知られています。
2010年代前半に登場。DJ Burn One関連作にギターなどで参加した後、2013年にはミックステープ「Dick Brown’s Tall Tails of Foxy Cottontail」を発表します。また、Walt LiveとのデュオのiNDEEDFACEでも活動。ソロ作やデュオとしての作品、The Five Points Bakeryでの作品などを2010年代を通して多く残しています。近年では2020年にソロ作「Needs More Guitar」をリリースしているほか、Don Toliverの2023年作「Love Sick」にも参加。堅実にキャリアを歩んでいます。
シンガーとしてはPimp CやDevin The Dudeあたりを思わせる、脱力感のあるソウルフルな歌とラップを聴かせます。ギタリストとしてはJimi Hendrixタイプのブルージーなスタイルで、路線としてはそのギター演奏を軸にトラップやカントリーラップ要素を取り入れたような音楽性です。
今作はヒップホップ要素もありますが、泥臭いロックやファンクの色がより強く出た作品です。カントリーラップ好きの方はもちろん、Funkadelicあたりが好きな方も是非。
2. Amber Resin
フラフラとした歌が沁みる哀愁路線。
ドラムやギターはかなりロック的ですが、Devin The Dude系の歌声がギリギリのヒップホップ感を保っています。長めにアウトロを取ってソロを聴かせる構成はミュージシャンらしい良さ。
3. HaveUEverBeen2ATLantis (The Moon Song) (feat. Bria Black)
曲名で感じるOutkastっぽさが実際にある曲。
ギターなどの生演奏を活かしたオーガニックな曲です。Go! Ricky Go!のゆるいラップと歌、Bria Blackの力強くソウルフルな歌の絡みもばっちり。
4. Josephine Baker (feat. Preston Crump)
今作のハイライトの一つ。
三連フロウにトラップの香りを漂わせつつ、やはり基本はロック~ファンク系の路線です。一人グループ状態の後半がお気に入り。
今作のベストトラック。
Outkastなどの系譜にあるカントリーラップ系のサウンドで、ギタリストとしての側面もたっぷりと見せつつリラックスした歌を聴かせる佳曲です。オヤGの方もソファに泣き崩れるはず。
7. Sound Clash (Hunting 4 Giants)
ハードなドラムが効いたファンク。
力強いギターやドラムに反し、歌はあくまでゆるゆるというバランスが絶妙です。三連フロウなど(アトランタ)ヒップホップ色の仄かな入れ方も見事。
今作の中では比較的トラップ寄りの曲。
808やボコボコとした低音の鳴り、ちょっとFutureっぽい歌い方などでその要素が感じられます。しかし、ベースとなっているのはあくまでもギターを活かしたファンキーなスタイル。
ここから先は
¥ 100
購入、サポート、シェア、フォロー、G好きなのでI Want It Allです