おすすめ旧譜アルバムVol. 51: ONENESS x GREEN ASSASSIN DOLLAR「DEJAVU」
旧譜紹介Vol. 51です。
今回紹介するのは、東京のコレクティヴのONENESSと神奈川のビートメイカーのGREEN ASSASSIN DOLLARによる19年のアルバム「DEJAVU」です。
ONENESSはラッパーのMVTENとSTZ、DJのS2を中心とした東京を拠点に活動するコレクティヴです。GREEN ASSASSIN DOLLARは神奈川出身のビートメイカーで、MVTENとSTZと共にIll Commons Hoodという集団に所属していました。詳しくは以前行ったインタビューを。
ONENESSについては以前書いたこちら、GREEN ASSASSIN DOLLARについては以前書いたこちらやこちらを。(恐らく)14年頃に制作したMVTENとGREEN ASSASSIN DOLLARのタッグ作「What's Good?」収録の「dejavu」やMVTENの16年のミックステープ「new mixtape from 2016」収録の「tumblerphoto&ourmusic」など、本作以前にもたびたびMVTEN、STZ、GREEN ASSASSIN DOLLARの組み合わせの曲は発表されています。
本作は暖かいものやダークなものなど適度な幅を持った、骨太かつ繊細なビートに相性抜群な二人のラップが絡む快作に仕上がっています。
1. i-n
フックなしのシンプルな構成のイントロ的な曲。
滑らかなベースと乾いたドラムが効いたビートで、異なる魅力を持った二人のラップのコンビネーションが楽しめる好曲です。アウトロのドラムの抜きもお気に入り。
2. 魔ノ手
妖しい歌のサンプリングが印象的なダークな曲。
奇妙なエフェクトのかかったスネアの処理もユニークで、メロウサイドとは違うGREEN ASSASSIN DOLLARの魅力が出ています。掛け合いフックも強力。
4. Road in the 荒野
ホーンのループが目立つ曲。
メロウなエレピや抜けの良いドラムを絡めつつ、全体的にはどこか荒廃した雰囲気に仕上がっています。フックでのスクラッチも良いです。
5. asagumo
ソウルフルで暖かい穏やかな曲。
ギターと歌のサンプリングを用いた繊細なビートで、二人のラップをじっくりと聴かせる良曲です。今作のハイライトの一つ。
7. campari
ノスタルジックな雰囲気のメロウ曲。
優しく揺れるエレピやしっとりとした歌のサンプリングに太いドラムを絡め、SEを散りばめたビートの美しさが沁みます。ラップの相性も抜群。特にMVTENのヴァースは印象に残るラインも多く素晴らしいです。
9. シザーハンズ
本作のベストトラック。
ソウルフルなギターをチョップした暖かいビートで、二人の力強いラップが光るエモーショナルな良曲です。ビートにかけるエフェクトの使い方も絶妙。
10. dejavu2
「What's Good?」収録曲の続編。
クールなギターにタイトなドラムを絡めたビートに、淡々とラップを乗せていく好曲です。フックは「dejavu」とほぼ同じですが、全く印象が異なります。
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