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2021年おすすめ新譜アルバムVol. 18: Shordie Shordie & Murda Beatz「Memory Lane」

新譜アルバム紹介Vol. 18です。

今回紹介するのは、ボルチモアのラッパーのShordie ShordieとカナダのプロデューサーのMurda Beatzがリリースした「Memory Lane」です。

ジャケ

Shordie Shordieはボルチモア出身のラッパーで、Murda Beatzはカナダ出身のプロデューサーです。

Shordie Shordieは10年代後半、Murda Beatzは10年代前半に登場。それぞれソロ作のリリースや客演、プロデュースを行ってきました。二人の共演は今作からのシングル以外ではなく、今回が初のタッグとなります。

Shordie ShordieはAkonを少しハスキーにしたような声質で、メロディアスかつ歯切れの良いラップを聴かせるラッパーです。トラップ系が中心ですが、エモーショナルで落ち着いたものを好む傾向にあります。Murda Beatzはクリアなトラップをメインにしつつ、ラッパーの方向性に沿うような作風を聴かせるプロデューサーです。

今作は両者の共通項であるトラップを軸に据えつつ、アコースティックギターの多用やR&B的なメロウな要素を導入した枯れた味わいのある傑作に仕上がっています。インディ好きの方にもおすすめ。


2. Same N*ggas

TnTXDらも関わったエモーショナル路線。

ポロポロとした枯れたギターに808がボコボコと絡むビートに、Shordie Shordieの声が見事に噛み合った良曲です。哀愁を醸し出しながらもキレのあるフロウが肝。


3. Stuck in Between

落ち着いたピアノが効いた哀愁曲。

切ない雰囲気ながら低音はしっかりと出たビートで、悲しそうに歌い上げる好曲です。ドラムの抜きがお気に入り。


4. DOCTORS

暖かいギターを使った優しい曲。

ドラムや低音の鳴りも、いわゆるトラップらしい凶悪さは控えめです。今作のハイライトの一つ。


5. Moral to the Story

2010年代の名曲を大胆に引用。

メロウなエレピが印象的な立体感のあるビートで、優しく歌心のあるラップが沁みる良曲です。そのままなフックから別の魅力を引き出しています。


7. LOVE Feat. Trippie Redd

今作で唯一客演を迎えた曲。

アコースティックギターに手数の多いドラムを絡めたエモーショナルな曲です。Trippie Reddのズルズルとした歌フロウもばっちり。


8. Good Evening

美しいピアノのハートウォーミング路線。

手数の多いトラップマナーのドラムや早回しサンプルも効いたビートに、Shordie Shordieの優しいラップが絡む佳曲です。今作のハイライトの一つ。


11. Networth

透明感のあるギターを使ったエモーショナルな曲。

暖かいビートと歌心のあるラップが見事に噛み合った好曲です。メロディアスなアプローチながらラップのキレも抜群。

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