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2021年おすすめ新譜アルバムVol. 58: Rostam「Changephobia」

新譜アルバム紹介Vol. 58です。

今回紹介するのは、西海岸のインディロックアーティストのRostamがリリースした「Changephobia」です。

ジャケ

Rostamは現在は西海岸を拠点に活動するインディロックアーティストで、NY拠点のインディロックバンドのVampire Weekendの元メンバーです。

Vampire Weekendのメンバーとして00年代後半に登場し、バンドでは10年の「Contra」など3枚のアルバムをリリース。また別ユニットのDiscoveryでのアルバム「LP」を09年にリリースしているほか、11年頃からソロでも活動します。プロデューサーとしても活動し、Das RacistやKid Cudiなどヒップホップ勢とも制作。16年のVampire Weekend脱退の前後からプロデューサーとしての活動を増やし、SolangeやFrank Oceanなどの作品にも参加します。17年には初のソロアルバム「Half-Light」をリリース。以降もHaimやClairoの作品を手掛けるなど、多方面で活躍しています。

ジャズやシンセポップ、ヒップホップなど多彩な音楽を吸収した人懐っこいサウンドを聴かせるアーティストです。多くの引き出しを持っていますが、過剰にならないバランス感覚を備えています。適度に力の抜けた歌も魅力。

今作はフォークやヒップホップ、ジャズなどをミックスしたようなサウンドで優しい歌心が沁みる好作に仕上がっています。


2. From the Back of a Cab

打ち込みの高速ハイハットと銃のリロード音(?)がヒップホップ的な匂いを放つ曲。

不穏なSE使いに穏やかなピアノが不思議と馴染んだサウンドで、優しく歌うノスタルジックな曲です。時折入る奇妙な低音も印象に残ります。


3. Unfold You

ネオソウルっぽくも聴けるジャズ色強めの曲。

ウッドベースやピアノ、スナップ音が効いたサウンドにはヒップホップの要素も感じられます。ゴワゴワしたサックスソロがユニーク。


4. 4Runner

今作のハイライトの一つ。

遠くから聞こえてくるアコギや骨太なドラムが印象的な、優しい歌心が沁みる佳曲です。細かい展開も見事。


5. Changephobia

ドラムがブーンバップっぽいヒップホップ色の強い曲。

ギターやサックスもドラムに寄り添う、ビートの上で歌うような曲です。途中でのロウパスの使い方もヒップホップっぽい発想。


6. Kinney

大胆にオートチューンを導入した曲。

ドラムンベースみたいな早いドラムと落ち着いたギターが印象的な好曲です。ロボ感もヒップホップ感も出さない不思議なオートチューンの響き。


10. Next Thing

ジャズの匂いが強い曲。

ウッドベースやサックス、ピアノを使った暖かい雰囲気の曲です。歌に随所でかかるエフェクトが良い味を出しています。


11. Starlight

サックスとピアノ、歌で聴かせる優しい曲。

美しさが際立つジャジーな良曲です。後半にはコーラスも登場し、ヴォーカルに深くリヴァーブがかかり少しゴスペルっぽさも入ってきます。

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