2021年おすすめ新譜アルバムVol. 30： Rod Wave「SoulFly」

新譜アルバム紹介Vol. 30です。

今回紹介するのは、フロリダのラッパーのRod Waveがリリースした「SoulFly」です。

Rod Waveはフロリダ出身のラッパーです。

10年代に活動を開始。16年には「I AM ROD WAVE」、「Hunger Games」と2枚のミックステープを発表します。その後も18年の「Hunger Games 3」などミックステープを精力的に発表。19年にはミックステープ「PTSD」収録の「Heart on Ice」がヒットし、同年には1stアルバム「Ghetto Gospel」、20年には2ndアルバム「Pray 4 Love」をリリースしています。

Kevin Gatesの影響を感じさせる、低い声質で歌心のあるソウルフルなフロウを聴かせるラッパーです。サウンド的にはトラップ系が中心。初期はエレクトロニックなシンセを使ったアッパーな曲もやっていましたが、近年はピアノやギターを使ったエモーショナルな路線が増えてきています。また、チップマンク・ソウルを好んで取り入れています。

今作は優しく包み込むような穏やかなサウンドで、その歌心溢れるラップが堪能できる良作に仕上がっています。

2. Gone Till November

Drum Dummie絡みの哀愁曲。

寂しげなピアノと早回しの歌サンプルを用いたビートに、ヴァースではメロディアスではないフロウも使って聴かせる曲です。オヤGの方もソファに泣き崩れると思います。

3. Blame On You

チップマンク・ソウルを取り入れた哀愁路線。

アコースティックギターのループにボコボコした低音を絡めた優しいビートで、優しい歌フロウが沁みる良曲です。入れすぎない力加減が絶妙。

4. Don't Forget

今作に多い哀愁ギターがたまらない曲。

Kevin Gatesを思わせる少しレゲエっぽさが入った歌い方が、ビートにうまくはまった好曲です。今作のハイライトの一つ。

5. Tombstone

フックにコーラスを配したゴスペルの匂いがする曲。

ビート的にはアコースティックギターに808を絡めたもの。早回しの歌サンプルも良い味を出しています。Rod Waveの歌フロウが美しい佳曲。

8. Street Runner

穏やかなエモーショナル路線。

美しいピアノとトラップ流儀のドラムを合わせたビートに、優しい歌フロウを乗せていく良曲です。ここでも早回し歌サンプリングが。

11. Shock Da World

今作で多くの曲に関わったTnTXD絡みの曲。

美しいピアノ、チップマンク・ソウル、トラップ系のドラムを使ったRod Wave得意の路線です。ラストの力の入った歌が印象的。

13. OMDB

Drake「Over My Dead Body」を大胆に引用した曲。

優しいピアノに強すぎないトラップ系ドラムを絡めたビートで、ソウルフルな歌フロウが沁みる好曲です。今作のハイライトの一つ。

12. Invisible Scar

穏やかでゆるめの曲。

アコースティックギターとボコボコした低音が目立つビートに、力を入れすぎないRod Waveの歌フロウが心地良く乗る曲です。Kiddo Marvあたりが好きな方にもおすすめ。

16. Sneaky Links

ブルージーなギターを用いた哀愁曲。

優しい歌フロウをメインに、バックシンガー的に力強い歌フロウを絡めた一人K-Ci & Jojoみたいなヴォーカルスタイルの曲です。やはりTnTXD絡み。

19. Changing

美しいピアノが効いた哀愁路線。

ブルージーなギターや早回し歌サンプルも使ったビートに、力加減が絶妙な歌フロウが乗る美曲です。ラストの引用も印象的。