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2024年おすすめ新譜アルバムVol. 35: Bacao Rhythm & Steel Band「BRSB」

新譜アルバム紹介Vol. 35です。

今回紹介するのは、ドイツのファンクバンドのBacao Rhythm & Steel Bandがリリースした「BRSB」です。

Bacao Rhythm & Steel Bandはドイツを拠点に活動するファンクバンドです。

これまでの活動や音楽性については以前書いたこちらを。

この後は2018年に「The Serpent's Mouth」、2021年に「Expansions」の二枚のアルバムをリリースしています。

今作は相変わらず多くのヒップホップカヴァーに挑んでいますが、選曲が比較的新しく、また西海岸ヒップホップがやや多い印象の作品です。「この曲をインストのスティールパンファンクでカヴァーしたら絶対に良いだろう」の想像よりも確実に良い、原曲を知っている方とファンク好きの方ならニヤリとさせられる快作に仕上がっています。


1. In The Crosshairs

カヴァーではないオリジナル曲。

しかしかなりヒップホップ濃度が強く、まるでDJ Premierが作ったブーンバップをカヴァーしているような曲です。骨太ドラムとチョップしたようなフレーズにノックアウト必至。


2. How We Do

The Gameの同名曲のカヴァー。

例のフレーズをスティールパンが奏で、軽妙なドラムと暖かいホーンが彩ったトロピカルな味の曲です。今作のハイライトの一つ。


4. Love For The Sake Of Dub

原曲はClaudja Barryの「Love For The Sake Of Love」。

もじったタイトル通り、ちょっとダブ風味が効いたカヴァーです。ファットなグルーヴが途中でトロトロに融解していきます。


5. Hotline Bling

もちろんDrakeのカヴァーです。

ポップでメロディアスな原曲から、ファンク成分とやるせなさを見事に抽出・強化しています。悶絶必至。


7. Love$ick

Mura MasaとA$AP Rockyの共演曲のカヴァー。

「How We Do」と近いノリで、ビートのフレーズをスティールパンで叩いてBacao Rhythm & Steel Band色に染め上げています。こちらも今作のハイライトの一つ。


10. Nuthin' But A G Thang

原曲はDr. Dreの名曲。

元ネタで一番美味しい例の高音シンセのフレーズは、もちろんスティールパンで叩いています。Dr. Dreのビートのメロディの強さも感じられる佳曲。


11. Got My Mind Made Up

2Pacの名盤「All Eyez On Me」収録曲のカヴァー。

シングルカットもされていない渋い選曲ですが、カヴァーもかなり渋い仕上がりです。骨太ドラムがヒップホップマナーな魅力を放っています。


12. The Champion's Walk

オリジナル曲。

珍しく女声コーラスをフィーチャーしており、言葉のない呪文的なフレーズですがそれまでにない味が出ています。全体的にはファットなファンク。

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