2021年おすすめ新譜アルバムVol. 29: kakasi「Blue Mountain」
新譜アルバム紹介Vol. 29です。
今回紹介するのは、長野のビートメイカーのkakasiがリリースした「Blue Mountain」です。
kakasiは長野を拠点に活動するビートメイカーです。
これまでの活動や音楽性については以前書いたこちらやこちらを。この後はFoolsdayboyやJ'Da Skit & Leo Iwawamuraなどの作品に参加しています。
今作は客演を入れずに制作した、暖かい雰囲気のメロウなビート作品です。随所で用いるラップのサンプリングが楽しく、普段国内のビート作品を聴かない方にもおすすめ。
1. Cam Buckle
不穏なビートで始まり、声ネタからメロウなビートにスイッチする曲。
透明感のあるウワモノのループとJ Dilla系譜の一瞬のズレが最高に心地良いです。途中で登場する歌のサンプリングも絶妙。
2. Holding
ジャズの旨味を丁寧に切り取ったような穏やかな曲。
ウッドベースとピアノが効いたループを軸に、スナップ音も交えた繊細なドラムを絡めた良曲です。フック的に入るサックスに悶絶必至。
3. again
歌のサンプリングが印象的な曲。
太いキックと乾いたスネアがしっかりとリズムを刻む中、ピアノのループが美しく響く好曲です。歌のサンプリングはイントロとアウトロのみに留めた構成も見事。
4. nako
ラップのサンプリングがガンガン入る楽しい曲。
ジャズを刻んだような不穏なビートで始まり、また異なるミニマルなビートにスイッチする構成の曲です。前半のビートの細かい刻み方がお気に入り。
5. godsend
ジャズ色強めなイントロから一気に惹かれます。
その後声ネタを挟み、ピロピロしたローファイなオルガンのループが光るビートにスイッチする良曲です。時折入るSEも良い味を出しています。
8. Ride Hands
今作のハイライトの一つ。
エモーショナルなピアノに太いドラムやサックスが絡み、多才な声ネタが彩りを添える佳曲です。後半に入るローファイな声ネタが印象的。
10. one's wishes
メロウなエレピやギターが効いた哀愁路線。
エレピのソロの部分を巧みに切り取ったような、動きのある使い方が極上です。生っぽく組み立てられたドラムもばっちり。
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