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2024年おすすめ新譜アルバムVol. 43: Lyrical Lemonade「All Is Yellow」

新譜アルバム紹介Vol. 43です。

今回紹介するのは、シカゴのマルチメディアのLyrical Lemonadeがリリースした「All Is Yellow」です。

Lyrical Lemonadeはイリノイ州出身の映像ディレクター、Cole Bennettが主催するマルチメディアです。

2010年代前半に始動。初期はシカゴのラッパーのMVやライブ映像、インタビューなどを中心にアップします。徐々にシカゴだけではなくSoundCloudラップシーンの作品も手掛けるようになり、Lil YachtyやCHXPOなどのMVも制作。SoundCloudラップシーンの重要なプラットフォームとして人気を集めていきます。2022年にはアニメーション映画「ミニオンズ」とのコラボも話題を集めました。

音楽作品のリリースは今作が初となります。トラップを軸にインディロック風味やメンフィス的なダーク路線なども織り交ぜたSoundCloudラップマナーに、シカゴっぽい多幸感を加えたようなサウンドが楽しめる好作に仕上がっています。


1. Fly Away (with Sheck Wes, Ski Mask the Slump God & JID)

ストリングスや早回しの声ネタを用いた重厚なトラップ。

ヴァースはSKi Mask the Slump GodとJIDの早口超人二人がスキルフルに決めています。しかし最も目立つのはフックでふてぶてしく歌うSheck Wes。


4. This My Life (with Lil Tecca, The Kid LAROI & Lil Skies)

美しいピアノをループしたエモラップ。

ちょっとUKドリルっぽいドラムパターンですが、その色が濃すぎないビートです。ゆるいLil TeccaとエモーショナルなThe KID LAROIの絡みが美味。


5. First Night (with Teezo Touchdown, Juicy J, Cochise, Denzel Curry & Lil B)

Juicy Jの色が最も濃いメンフィスっぽいノリの曲。

Teezo Touchdownがピアノで歌うイントロから、ダークでバウンシーなビートに移行してイナタいマイクリレーが楽しめます。Lil Bは語りでの登場。


6. Special (with Latto, Swae Lee & Aminé)

Latto主導のリラックスした曲。

涼しげなギターとコーラスが印象的な脱力気味のトラップです。Swae LeeとAminéの歌心のあるラップとも好相性。


10. Fallout (wtih Gus Dapperton, Lil Yachty & Joey Bada$$)

今作のベストトラック。

インディロック的な甘酸っぱいサウンドで、Gus Dappertonがフックで青い歌を聴かせる佳曲です。Lil YachtyよりもむしろJoey Bada$$の方がメロディ成分強めなヴァースを披露しています。


12. Hello There (with Lil Tracy, Corbin & Black Kray)

繊細なギターを使ったエモラップ。

面子から想像されるダウナーなノリよりも、美しさが際立つ優しい曲です。インディロック好きの方も是非。


13. Hummingbird (with UMI, SahBabii & Teezo Touchdown)

UMIがメインで歌う穏やかな曲。

素朴なギターとパーカッションを使ったフォーキーなサウンドと、Sahbabiiのヘロヘロな歌フロウの組み合わせがユニークです。ラストのTeezo Touchdownヴァースでは急にドロッと変化。

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