2024年おすすめ新譜アルバムVol. 2: Matt Martians「Matt’s Missing」
新譜アルバム紹介Vol. 2です。
今回紹介するのは、アトランタのプロデューサーのMatt Martiansがリリースした「Matt's Missing」です。
Matt Martiansはアトランタ出身のプロデューサーです。The Internetのメンバーとしても活動しています。
2000年代後半に登場。初期はPyramid VritraとのユニットのThe Jet Age of Tomorrowで活動し、ユニットでのアルバムリリースやOdd Future関連作への参加などを行います。2011年頃からはSydと共にThe Internetでの活動を本格化。同バンドでの作品のリリースを経て、2017年には初のソロアルバム「The Drum Chord Theory」をリリースします。以降も2019年の「The Last Party」、2021年の「Going Normal」などの作品を発表。Steve Lacy作品への参加なども行っています。
The Neptunesを通過した、少し不穏なネオソウルのような作風のプロデューサーです。ブーンバップ的なドラムもたびたび導入します。ソロ作では自身で脱力感のある歌やラップを聴かせます。
今作はメロウでリラックスしたサウンドに歌やラップを乗せた、柔らかく程良くファンキーな良作に仕上がっています。Princeあたりが好きな方も是非。
1. B Like That
軽快なヒップホップ路線。
ホーンやベースが効いた軽めのブーンバップ系のビートで、Q-Tip風のラップを聴かせる好曲です。歌フックも心地良く聴けます。
この曲もラップを多めに披露。
クールながらファンキーな味わいのあるサウンドとリラックスしたラップの組み合わせは、ちょっとPrinceのラップ曲を洗練したような味があります。後半にはサンプリングビートっぽい良さも。
5. The Reason
Devin The Dudeを思わせるトロトロのメロウ。
メロウなエレピや生っぽい質感のドラムが効いたサウンドで、ファルセットのゆるい歌が堪能できる好曲です。目を覚ますようなブリッジがお気に入り。
9. Adjust
ヒップホップ色の強い落ち着いた曲。
サンプリングっぽいループ感強めのビートで、ヴォーカル的にもラップで聴かせます。2ndヴァースでは違うループになる展開が印象的。
10. Sick N’ Tired
今作のベストトラック。
パワフルなドラムとエレキギターと思しき音のループを使ったビートで、Pファンクっぽさのある歌フックを挟んでラップする曲です。Dungeon Familyなどのアトランタの匂いがします。
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