2021年おすすめ新譜アルバムVol. 93: Terrace Martin「DRONES」
新譜アルバム紹介Vol. 93です。
今回紹介するのは、西海岸のプロデューサーのTerrace Martinがリリースした「DRONES」です。
Terrace Martinは西海岸出身のプロデューサーです。
00年代前半に登場。Snoop Doggのライブバンドのメンバーとして活動し、プロデューサーとしても213などSnoop Dogg周辺の作品を中心に手掛けていきます。07年にはソロでのミックステープ「Signal Flow」を発表。その後も10年のEP「808s & Sax Breaks」やMursと組んだ11年の「Melrose」など精力的に作品をリリース。13年にはアルバム「3ChordFold」が高い評価を集め、プロデューサーとしてもKendrick LamarやYGなどの作品に参加し人気を拡大していきます。以降も16年の「Velvet Portraits」などソロ作品も多くリリースしているほか、Dinner PartyやR+R=Nowなどのグループでも活動しています。
DJ QuikやBattlecatなどのGファンクをベースに、ジャズ色を強めたようなメロウでレイドバックした作風を聴かせるプロデューサーです。サックスやヴォコーダーといった楽器も西海岸Gマナーでプレイします。また、ラップや歌も聴かせますが、そちらも西海岸Gらしいスムースなスタイルです。
今作はヒップホップにもR&Bにもジャズにも聞こえる、Terrace Martinらしいレイドバックしたメロウなサウンドが堪能できる快作に仕上がっています。G好きの方も是非。
2. Drones Feat. James Fauntleroy, Kendrick Lamar, Snoop Dogg & Ty Dolla $ign
DJ Quikが作りそうな軽快なファンク。
メロウなエレピやブリブリのベースが効いた西海岸Gシットです。Kendrick Lamarは歌での参加、Snoop Doggは喋りだけという贅沢使いですが、物足りなさは全くない良曲に仕上がっています。
3. Leave Us Be
Terrace Martinが自らヴォーカルを披露する歌モノ。
クールなエレピやファンキーに跳ねるベースにウェッサイが香ります。スムースな歌も心地良いです。
BattlecatタイプのGファンク。
ブリブリのベースや例の高音シンセを巧みに用いた、これぞ西海岸Gな味わいの曲です。ヴォコーダーにも悶絶必至。
9. Griots of the Crenshaw District Feat. Hit-Boy, Kamasi Washington & Robert Glasper
Hit-Boyとの共作によるヒップホップ色強めなジャズ。
無骨なドラムやストリングスにHit-Boyのカラーが出ています。名ミュージシャンたちの生演奏も抜群。やっていることはジャズですが、ヒップホップが好きな方もすんなりと聴けると思います。
10. Evil Eyes Feat. MALAYA & YG
MALAYAを主役に据えたウェッサイ流ネオソウル。
生音を活かしたとろけるようなメロウネスがたまらない好曲です。例の高音シンセも飛び出します。YGのラップは哀愁仕様。
12. Don't Let Go
インタールード的な短い曲。
不穏なシンセを最小限に鳴らしつつ、ヴォコーダーをしっとりと聴かせる曲です。シンプルで絶妙なバランス。
13. Listen Feat. James Fauntleroy, Kim Burrell & Robert Glasper
G好きの方が好むクリスチャンラップに通じる神々しいメロウ。
シンガー二人の歌とTerrace Martinのヴォコーダーの絡みには、オヤGの方もソファに泣き崩れると思います。Robert Glasperの美しいピアノも沁みる良さ。
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