2021年おすすめ新譜アルバムVol. 79: Young Nudy「Rich Shooter」
新譜アルバム紹介Vol. 79です。
今回紹介するのは、アトランタのラッパーのYoung Nudyがリリースした「Rich Shooter」です。
Young Nudyはアトランタ出身のラッパーです。
10年代半ば頃に登場。14年にはミックステープ「Paradise City」を発表し、16年の「Slimeball」や17年の「Slimeball 2」などミックステープのリリースを重ねていきます。19年にはPi'erre Bourneとのタッグ作「Sli'merre」、ソロでのミックステープ「Faded in the Booth」をリリース。20年には1stアルバム「Anyways」をリリースし、今年に入ってからも今作のほかにアルバム「Dr. Ev4l」をリリースしています。
太い声質で現行アトランタらしいフロウを使い、ゆるさもありますが緊張感も出せるラッパーです。サウンドは基本的にトラップで、ダークな路線もやりますがポップなものも好みます。レイジに繋がるようなビートにも以前から挑んできました。
今作はアトランタ流儀のトラップやレイジ寄りのビートにそのラップが乗る、ハードすぎずポップにもならない絶妙なバランスの良作に仕上がっています。
Pi'erre Bourneプロデュース。
テクノやゲーム音楽っぽいシンセを使いつつ、ダークな空気が通った曲です。Young Nudyの余裕を感じさせるラップもハード。
2. Old School
Pi'erre Bourne制作曲が続きます。
ゲーム音楽的なシンセとQuavo(?)の声ネタをループした、レイジっぽく聴ける曲です。Young Nudyのラップは緊張感のあるモード。
4. Wicked for the Money Feat. 2FeetBino
COUPEが手掛けたレイジ。
チープなシンセをアクセントに、ズビーっと唸るシンセを前面に押し出した好曲です。2FeetBinoのラップも味があります。
5. Know How I Rock Feat. Peewee Longway
今作のハイライトの一つ。
COUPE制作のギョロギョロとしたシンセが光るスペイシーな曲です。Peewee Longwayヴァースの入りがインパクト大。
10. On the Curb
Playboi Cartiが出てきそうな準レイジ路線。
プロデュースはCOUPEで、ここでも「Know How I Rock」で聴かせたようなシンセにダーティな808を絡めたビートを披露しています。Young Nudyのゆるさとキレを併せ持ったラップも強力。
11. Green Bean
Pi'erre Bourneプロデュース。
透明感のあるエレピとボコボコした低音が効いたメロウなトラップです。トレードマークのゲーム音楽っぽいシンセももちろん聴けます。
再びPi'erre Bourne制作曲。
Pi'erre Bourne印の鳴りのシンセを前面に押し出したビートで、Young Nudyの畳み掛けるラップが堪能できる佳曲です。Futureも安定感たっぷりのラップで好演。
今作のベストトラック。
Jake OneとCOUPEの共作で、透明感のあるシンセやダーティな808を使ったトラップ路線の曲です。Young Nudyの歌心のあるラップが印象に残ります。
14. I Can’t Change
COUPE制作のスペイシーなトラップ。
穏やかなシンセが効いた落ち着いたビートに、ゆるくラップを乗せた良曲です。フックでの呟くような歌がシンプルでいて強力。
ハウスっぽい甘酸っぱいシンセを使った曲。
トラップ系のドラムですが、808のダーティさは控えめでポップな印象です。Young Nudyも楽しそうにラップしています。
17. Addicted
「We Do Not Give Up」と近い感触の曲。
ハープのような音を用いた暖かいトラップです。Young Nudyのラップもゆるいモードでビートに自然に溶け込んでいます。
20. Fish Scale Feat. Gucci Mane
ボーナストラック。
ギョロギョロしたシンセが効いた緊張感のあるトラップビートで、Gucci Maneのキレのあるラップと絡む好曲です。Young Nudyのふてぶてしいラップもばっちり。
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