2022年おすすめ新譜アルバムVol. 108: dvsn「Working On My Karma」
新譜アルバム紹介Vol. 108です。
今回紹介するのは、カナダのR&Bデュオのdvsnがリリースした「Working On My Karma」です。
dvsnはカナダを拠点に活動するプロデューサーのNineteen85と、シンガーのDaniel Daleyの二人組です。Drake率いるOVO Soundに所属しています。
これまでの活動や音楽性については以前書いたこちらを。この後は2021年にアルバム「Amusing Her Feelings」とTy Dolla $ignとのタッグ作「Cheers to the Best Memories」をリリースしています。
今作はJermaine DupriとBryan-Michael Coxを多くの曲で共同プロデューサーに迎えた、これまで以上にロマンティックなR&Bが堪能できる作品に仕上がっています。そんな中にもdvsnらしいモダンなヒップホップ要素が入っており、そのバランスが見事です。
BLEUことラッパーのYung Bleuをフィーチャー。
ラッパーを客演に迎えた曲ですが、路線的には1990~2000年代のR&B直系のスウィートなものです。Yung Bleuのラップもメロディアスで甘さを損ねない良さ。
2. Bring It
Jermaine Dupri & Bryan-Michael Coxコンビとの共作。
とろけるようなエレピにJermaine Dupri印のハイハットが絡む、悶絶級のメロウ曲です。サラっと出てくる女声シンガーもばっちり。
Jay-Zの声ネタを使った曲。
低音の鳴りや細かくチョップしたようなウワモノなどヒップホップ要素もありますが、基本はやはりメロウなR&Bです。コーラスにDaniel Daleyが絡むフックが極上。
いかにもJermaine Dupriらしいドラムの曲。
例の高音シンセも飛び出すビートは、オヤGの方にもたまらないと思います。Lil Kekeの声も聴けます。
5. What’s Up Feat. Jagged Edge
Jagged EdgeがやりそうなビートにJagged Edgeを迎えた曲。
美しいピアノと808が効いたビートには、もちろんJermaine Dupri & Bryan-Michael Coxコンビも関わっています。今作のハイライトの一つ。
8. Touch It (Do It Well Pt. 4)
三連フロウのラップっぽい歌い方も取り入れた曲。
しかし基本的には相変わらずスウィートなR&Bです。フックで入ってくるエレキギターにもErnie Isley的な甘さがあります。
9. Take It Slow
今作で唯一のNineteen85単独プロデュース。
強めに鳴らす低音はトラップっぽくもありますが、美しいR&Bから逸脱しない絶妙なバランスです。John LegendとMagnolia Shortyの声ネタも良い味を出しています。
12. Get Even
哀愁漂うドラマティックな曲。
生演奏のストリングスも導入した悲しげなビートで、Daniel Daleyの誠実な歌をじっくりと聴かせる好曲です。女声シンガーも控えめに登場。
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