2024年おすすめ新譜アルバムVol. 41: Jahari Massamba Unit「YHWH is LOVE」
新譜アルバム紹介Vol. 41です。
今回紹介するのは、MadlibとKarriem RigginsのユニットのJahari Massamba Unitがリリースした「YHWH is LOVE」です。
Jahari Massamba Unitは西海岸出身のプロデューサーのMadlibと、デトロイト出身のドラマーのKarriem Rigginsによるユニットです。
二人とも1990年代に登場。それぞれプロデュースやジャズミュージシャンとして活躍し、2007年には所属レーベルのStones Throwのコンピレーション「Yesterdays Universe!」にJahari Massamba Unitで参加します。その後Madlibの2012年作「Madlib Medicine Show: The Brick」への収録を経て、2020年にはユニットとして1stアルバム「Pardon My French」をリリース。二人での作品はそう多くはありませんが、共にStones Throw関連作で長く活躍する距離の近いベテランです。
Madlibはブーンバップを軸にしたプロデューサーで、よれたスタイルやジャズに接近したもの、さらに奇妙で遊び心のあるものなど多彩なサウンドを作ります。Karriem Rigginsはヒップホップマナーを踏まえたプレイを聴かせるドラマーで、ジャズとヒップホップの旨味を両方備えています。
今作はヒップホップでもありジャズでもある、二人の持ち味が完璧に溶け合った快作に仕上がっています。ジャズ寄りの時のMadlibの凄味が強く出ているので、そのモードのファンの方は是非。
ループ感のあるフルートをフック的に配した曲。
Karriem Rigginsのドラムが、ブーンバップ的なニュアンスがありつつも生々しさもあり凄まじいです。チョップしたようなホーンも印象的。
涼しげでタイトな曲。
動き少なめなドラムが素晴らしく、完璧なヒップホップマナーのジャズに仕上がっています。今作のハイライトの一つ。
7. JMU's Voyage
短いフレーズのループが光るヒップホップ的な曲。
しかし、それでもビートものっぽくはなく、Karriem Rigginsのドラム以外も全体的に生の味です。ヒップホップでもありますがジャズでもあります。
例の高音シンセも飛び出す曲。
クールなエレピも心地良く、メロウでリラックスした好曲です。暖かいサックスも美味。
13. Boppin'
ループ感の強いベースが目立つ曲。
喋り声のサンプリングがビートものっぽい匂いを出しています。ドラムも淡々としていてヒップホップ色強めです。
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