2022年おすすめ新譜アルバムVol. 109: SoFaygo「Pink Heartz」
新譜アルバム紹介Vol. 109です。
今回紹介するのは、アトランタのラッパーのSoFaygoがリリースした「Pink Heartz」です。
SoFaygoはアトランタ出身のラッパーです。
2010年代後半に登場。2018年には初のEP「Goonland」を発表し、同年に2作目のEP「We Are Aliens」、2019年には「Delineation」と「Hostility」の2枚のEPとミックステープ「War」とハイペースでリリースを重ねていきます。2020年には「Angelic 7」や「After Me」など多くの作品を発表。「After Me」の収録曲「Off the Map」が話題を集め、2021年にはTravis Scott率いるCactus Jackと契約します。Cactus Jack入り後にはEPやミックステープなどのリリースはなく、今作が加入後初の作品です。
高めの声質でメロディアスかつ歯切れ良くラップしていく、現行アトランタの王道を行くスタイルです。トラップを軸にしつつ、レイジやプラグなどのビートも好んで使います。
今作はCactus Jack色の強い、ダークなトラップを中心にした作品です。ラップスタイルやミックスの面でもTravis Scottの影響が見え、これまでとは少し異なる側面も見せた好作に仕上がっています。
2. Out
煌びやかなシンセを用いたトラップ路線。
ダーティな808がボコボコと響く、エレクトロニックな質感の曲です。ビートの展開に合わせてフロウを変えていくアプローチも印象的。
OpiumのKen Carsonを迎えたレイジ路線。
ズビズビと鳴るシンセを使った未来感のあるビートで、パワフルなラップを聴かせる良曲です。妙に正統派なラップ曲のような印象もあります。
4. Blitz V2
浮遊感のある哀愁系の曲。
声ネタのように繰り返すフックが印象に残る好曲です。シンプルなギターのフレーズをループしたビートはCactus Jackマナー。
5. Stay Awake Feat. Lil Uzi Vert
今作のハイライトの一つ。
スペイシーなシンセが効いたLil Uzi Vertタイプのトラップ路線です。ルーズに攻めるLil Uzi Vertはもちろんですが、SoFaygoの意外なほどのラップの上手さにも驚かされます。
8. Another One
トゥリルウェイヴ的な心地良さのある曲。
ふうわりとしたシンセに手数の多い808を合わせたビートで、穏やかで歌心のあるラップを聴かせる佳曲です。後半には幻想的に展開するCactus Jackらしい流れも。
10. I’ll Say
冷たいシンセを使ったメロディアスなトラップ。
細かい低音の動きも強烈なダークなビートで、Travis Scottからの影響を感じさせる歌うようなラップを聴かせる良曲です。序盤の凝った構成も印象的。
11. Price
リラックスしたスロウな曲。
穏やかなシンセが効いたビートに、隙間多めの歌フロウで挑んだ好曲です。ヒップホップですが歌モノっぽい良さがあります。
12. Fasho
もの悲しいピアノを使った哀愁曲。
ディレイのかかったスネアも印象的なトラップ路線です。Travis ScottとYoung Thugを思わせるラップもばっちり。
13. TookOff Feat. DJ Khaled & Gunna
Pharrell Williamsプロデュース。
Pharrell Willimasなりにプラグnbにトライしたような沁みる曲です。Gunnaのエモーショナルな歌フロウとも好相性。
14. Greed
怪ビート部門では今作のベスト。
ハイハットの代わりにスネアを置いたような箇所があるパーカッシヴなトラップです。ウワモノはホーン系でちょっとYoung Jeezyっぽい味も。
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