2022年おすすめ新譜アルバムVol. 99: The Harlem Gospel Travelers「Look Up!」
新譜アルバム紹介Vol. 99です。
今回紹介するのは、NYのゴスペルグループのThe Harlem Gospel Travelersがリリースした「Look Up!」です。
The Harlem Gospel TravelersはNYで結成されたゴスペルグループです。現在は三人体制で活動しています。
2014年頃に結成。2018年のシングル「He's On Time」を経て、2019年には同名の1stアルバムをリリースします。その後も数枚のシングルを発表。今作の後にもシングル「Do You Know The Man」をリリースしています。まだ作品数の少ない新進グループです。
50~60年代のゴスペルを現代のセンスで蘇らせたような、ソウルフルで熱気とヴィンテージ感のある音楽性の持ち主です。ゴスペル好きの方だけではなく、ソウルやファンクが好きな方も楽しめると思います。
今作は三人体制としては初のアルバムで、その熱気溢れる歌がオーガニックなサウンドで堪能できる快作に仕上がっています。
1. Look Up!
ギターやオルガンのアーシーな響きにいきなり心を掴まれます。
60年代っぽい空気で、そのスウィートな歌声が真っすぐ入ってくる良曲です。ファルセットや力強い歌い方など細かい表情の変化も見事。
タイトルを連呼するコーラスがキャッチーな曲。
ファンキーに唸るギターやオルガンが効いたサウンドで、ゴスペルマナーの歌心が楽しめる佳曲です。丁寧なコーラスが美味。
4. Help Me To Understand Feat. Aaron Frazer
Durand Jones & The IndicationsのAaron Frazerをフィーチャー。
ゴスペルの要素はもちろんありますが、スウィートソウルとしても聴ける曲です。Aaron Frazerファンの方にはたまらないと思います。
軽快でいて優しく歌が入ってくる曲。
サンプリングされていそうな魅力的なフレーズも多く登場する好曲です。フェイドアウトの終わり方も絶妙。
6. Fight On!
オルガンのみでパワフルに歌うイントロから悶絶必至。
その後も唸りを上げるギターに運ばれ、力強い圧巻の歌ヂカラが堪能できます。コーラスとの絡みでどんどん熱が高まっていく後半はゴスペルならではの良さ。
ループ感強めなゴリゴリのギターリフが印象的な曲。
骨太なドラムもちょっとヒップホップっぽいニュアンスがあり、現代的なセンスが感じられる曲に仕上がっています。しかし、音色はオーガニックでアルバムの流れに自然と合流。
この曲のドラムにもどことなくヒップホップ感があります。
オルガンやワウギターが効いたアーシーなサウンドで、そのソウルフルな歌声が堪能できる良曲です。最初のフック終わりの短いオルガンソロもお気に入り。
美しいハーモニーが沁みるスロウな曲。
途中まで語りと共に静かに進んでいき、後半で一気に過熱していく作りにゴスペルならではの魅力が出ています。ギターとドラム、オルガンで聴かせるシンプルなサウンドも素晴らしいです。
11. I'm Grateful Feat. Pastor Cynthia McCants
今作のベストトラック。
ギターやオルガンが跳ねるように突き進む疾走感のあるサウンドで、ゴスペル印のソウルフルな歌声が堪能できる曲です。終盤の熱気が圧巻。
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