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2021年おすすめ新譜アルバムVol. 85: Lil Wop「Say Cheese」

新譜アルバム紹介Vol. 85です。

今回紹介するのは、アトランタのラッパーのLil Wopがリリースした「Say Cheese」です。

ジャケ

Lil Wopはシカゴ出身でアトランタを拠点に活動するラッパーです。

10年代後半に登場。16年にはミックステープ「Wopster」を発表し、17年には「Wopavelli」シリーズ3枚に「Wake N Bake」とミックステープのリリースを重ねていきます。その後も18年の「Wopavelli 4」や19年の「Psych」、20年の「Friday The 17th」など多くのミックステープを発表。今年に入ってからも今作のほかにもEP「Zero Gravity」をリリースするなど、精力的に活動しています。

濁った声を絞り出すような不気味なラップスタイルの持ち主です。サウンド的には初期はGucci Mane系譜のストレートなアトランタトラップでしたが、徐々に音数が少なくなっていき怪フロウに負けない怪ビートを選ぶようになっていきました。しかし「Zero Gravity」ではギターを活かしたトラップに歌フロウを乗せていたりと、まだまだ掴めないところもあるアーティストです。

今作はトラップをベースにしつつも、もう少しでIDMになりそうなダークで奇怪なビートが並ぶ怪作に仕上がっています。変わったヒップホップを聴きたい方は是非。


1. Money, Power, Respect

硬質なシンセをループしたトラップ。

カタカタと走るドラムや本人の変なアドリブが効いたビートで、苦しそうな発声のラップを聴かせる好曲です。「エイー」がやたら印象に残ります。


4. Attachments

風のような音を使ったIDM一歩手前な曲。

トラップ流儀のダーティな808も使っていますが隙間たっぷりで、不気味なビートに不気味なラップが乗る不気味な曲に仕上がっています。ヒップホップ好きな方だけではなく、怪曲を求めている方は是非。


5. Say Cheese

怪曲が続きます。

金属的な音を引き延ばしたような音をループし、808をドラムを控えめに合わせた奇妙な曲です。ラップの存在感も相変わらず強烈。


7. Hallow Tips

21 Savage & Metro Boomin「Savage Mode」に入っていそうなトラップ。

不穏でディープなエレピが淡々とループされる暗い曲です。ビートは比較的ストレートですが、囁くような発声なのに迫力のあるラップが合わさり独自の魅力が生まれています。

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