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自己流CoCシナリオの書き方|『ホワイトフィクション』制作過程(前編)

こんにちは!
個人サークル『くらげダイス』運営のcpdです🪼


今回は今年の2月に公開した2PLシナリオ
『ホワイトフィクション』の制作過程についてお話ししたいと思います!

シナリオ制作に関しては完全に趣味&独学のため恐縮ですが、もしかしたら
シナリオを書いてみたい!という方の参考になるかもしれません


思っていたよりも長くなってしまったので、前編・後編に分けて投稿することにしました。
前編ではシナリオの構想について、後編では本文の執筆についてお話しします。


本投稿には『ホワイトフィクション』のネタバレが含まれます
未通過または未読の方は閲覧をご遠慮ください。


はじめに 『ホワイトフィクション』とは?

『ホワイトフィクション』は女子高校生・魔法少女モノの2PL/タイマンシナリオです。CoC6版を想定しています。

人気者のHO1と日陰者のHO2が出会い、2人で魔法少女として戦うお話になります。

シナリオ構想に至るまで

以前ヒーローもののシナリオ(『ヒーローの作り方』)を書く機会があり、それに関連して次は魔法少女ものを書いてみたいな!と思ったのが『ホワイトフィクション』誕生のきっかけでした。

私は基本的に案をいくつか貯めておいて、その中から次に書く作品を決めるという方式でシナリオを書いています。

いつか書こうかと思っていた4PLシナリオの案として、秘匿に「あなたは〇〇でできている」という文章が添えられるというものがありました。

「〇〇」の部分の文字数をHO番号に応じて増やしたいと考えており、この構想の段階では「HO1:あなたは嘘でできている」「HO3:あなたはお砂糖でできている」のみ考えていました。

この案を流用し、2PLに変更したものが「ホワイトフィクション」になります。

シナリオの初期案(Milanote)

現在はiPadの「Goodnotes」で情報管理をしていますが、当時は「Milanote」というツールを使って初期案を整理していました。
そのスクリーンショットがこちらになります↓

『ホワイトフィクション』は今の形に落ち着くまで結構難航した記憶があります。
スクリーンショットの内容を順に説明していこうと思います


〇左上:タイトル初期案

「白い、清い」というイメージがあったので『ヘヴンリーホワイト』『THE INNOCENCE』という案もありました。
「真っ赤な嘘」という言葉から連想し、「真っ白で美しく、誰もが疑わない嘘」という意味合いを込めて「ホワイトフィクション」と名付けました。

別所のメモに書いていた内容の引用です↓

「真っ赤な嘘」とは言うが、清廉潔白に見えるのだとしたら誰もその真偽を疑いはしない。

「ホワイトフィクション」
だれも疑うことのない、清廉潔白に見える嘘のこと。

〇左下:核となるシーン

異形化したHO1を見てHO2が「かわいくない」と思うシーンについて書いています。
初期段階からしっかりと言語化されているので、このシナリオで一番描きたかったシーンなのではないかと思います。
この時点では「HO2が明確な意思を持ち、HO1を助けるために武器を振るう」と言うよりかは「HO1を殺せと妖精に言われ、苦しみながら手にかける」といったニュアンスで考えていました。

〇中央:各HOの案

初期案では「HO1 アサガオ」「HO2 スズラン」というようにHO名を花の名前としていました。
HO1は本編で黒井が話していた「ダチュラ」のイメージが重なるなと思っています。ダチュラはチョウセンアサガオと呼ばれるので、仮のHO名は「アサガオ」としていました。
HO2は「地味だが実は美少女」という点を「可憐だが実は毒がある」スズランに見立てましたが、あまりうまく噛み合っていないような気がしてなしにしました。

〇右:設定関連のメモ

右側には雑多な設定メモを書いています。
「私立叶杏学園」という名前は小学生の頃に考えていた創作から流用しました。
下の方にはこのシナリオの背景の核をどうするのか試行錯誤していた痕跡がありますね。

案をさらに詰めていく

企画書を作る

珍しく今回は企画書的なものを作っていました(普段は作りません)。
本文を書く前に誰かに意見を求めようと考え、説明用に作りました。

※TRPGやCoCを詳しく知らない人向けに一部注釈をつけています。

少し長いですが載せておきます↓

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企画書

クトゥルフ神話TRPG 非公式シナリオ
『ホワイトフィクション』

■一言で表すと
「虚言癖の人気者」と「隠れ美少女の日陰者」が魔法少女のバディになるシナリオ

■コンセプト
・今まで関わりのない、住む世界の違う2人が出会ってバディになる
・「女子高生が魔法少女になる」という様式美
・利己的な願いを叶えてもらう、その代わりに利用され異形になる という因果
・「美しく好意的に感じたもの」を自らの手で壊す(HO2がHO1を手にかける)

■主な登場人物
・HO1(プレイヤー1のキャラクター)
女子高に通う高校二年生。HO2とは交流はないがクラスメイトである。クラスの人気者だが虚言癖であり、「実家が金持ちである」「芸能界にスカウトされた」「イケメンの彼氏がいる」など語る言葉は全て嘘である。
「自分のついた嘘を周りに信じ込ませる魔術」をかけてもらう代わりに魔法少女として活動している。

・HO2(プレイヤー2のキャラクター)
女子高に通う高校二年生。HO1とは交流はないがクラスメイトである。地味な容姿をしておりクラスでは日陰者だが、その実は可愛らしいものが大好きな美少女である。面倒事を避けるために普段は目立たないように振舞っている。
図書委員会に所属している。
HO1の魔法少女姿を見て心を打ち抜かれ、魔法少女になることを志願した。

・ネッスル
妖精を名乗る不思議な生き物。HO1を魔法少女にした張本人。
HO1に魔法少女として活動させることで人々の負の感情を集め、HO1の身体に蓄積させている。最終的にHO1の身体を依り代として人為的に第二のシュブ・ニグラス(神)を作り出そうとしている。
効率よく負の感情を集められるよう、魔法少女になりたいと志願してきたHO2を受け入れ第二の魔法少女とした。

・黒井ねむ
図書委員の少女。HO2と面識がある。
その正体は神シュブ・ニグラスの化身である。ネッスルが第二のシュブ・ニグラスを作り出そうとしていることを知り、様子を見るためにHO1の通う学校へ生徒に扮してやって来た。下等な存在が何をしようが構わないと思っているが、できることならばネッスルの計画を阻止したいと考えている。


■シナリオの大まかな流れ
※要所要所で黒井ねむの接触、意味深な助言

HO2が魔法少女のHO1を目撃

HO2が魔法少女を志願、魔法少女になる

2人で魔法少女として活動する

黒井ねむの攻撃によりネッスルの力が弱まる
HO1の嘘の一部がクラスメイトに露呈

魔法少女としての活動頻度が増える

HO1がシュブ・ニグラスになりかける

戦闘
HO2がHO1を手にかけることを強いられる

HO2が所持するアイテム(黒井ねむから渡された物)によりHO1が元に戻る

黒井ねむが現れネッスルを処分する
HO1・HO2が魔法少女としての力を失う

エンディング(魔法少女も敵も存在しない平穏な日常に戻る、HO1の嘘がバレて孤立、今までかかわりのなかったHO1HO2の関係性が育まれる)

★嘘がバレてからハッピーエンドにする過程(どん底からどう戻すか)


■問題点
・ネッスルの正体を決めかねている(魔術師?神話生物(奉仕種族)?)
・ストーリーが大味(2人が魔法少女になる→HO1が異形化し、HO2がHO1を手にかけることを強いられる という展開がやりたかった。その間を埋めるエピソードが不足している)
・エンディングが微妙(失う物ばかりで得られるものが少ない、達成感がない)
・目的意識の欠如(プレイヤーが何を目指して行動すればいいのかよくわからない)

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他人に見てもらう

この企画書を何人かの人に見てもらい、頂いた意見を基にシナリオの構想を整えました。
問題点として挙げていたものの一部は以下のように変更・決定しました。

・ネッスルの正体
「シュブニグラスの狂信者、ニャルラトテップ(別の神)により面白がられて妖精の姿に変えられ力を与えられた」とした

・エンディング
ハッピーエンドとして収着するために
「HO1の嘘がばれる(=どん底の状態)→上昇するイベント」としてもう1シーン追加(HO1とHO2が学校をサボって海に行く)

前編はここまで!

構想がまとまったら次はいよいよ本制作!Wordを使って書いていきます。
この続きは後編noteにて詳しくお話しさせていただきます◎

後編▼

ここまでご覧くださりありがとうございました!
次の記事でまたお会いできたら嬉しいです🪼

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