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【修了考査】経営実務の勉強方法

みなさん、こんにちは。今回は経営実務の学習について書いてみたいと思います。経営実務は第7問と第8問とで性質が異なるので、分けて書いていきます。

●第7問(財務分析、企業価値評価・M&A)

1.出題分野について

財務諸表分析、企業価値評価およびM&Aから主に出題されます。M&Aについては修了考査から追加される分野ですが、それ以外の部分は管理会計論・経営学と重複しているものが大半です。また近年はコーポレートガバナンスに関する出題も見られるようになっています。

2.学習ツールについて

(1)講義

講義内容としては会計士試験の復習(管理会計論・経営学)が大半になりますので、最低限過去の出題実績を解説している回を視聴しておくと良いでしょう(昨年は初回だったと思います)。ただし、論文式試験で経営学以外を選択された方は、心配であればすべて視聴することをおすすめします(回数は多くないのであまり時間はかかりません)。

(2)テキスト

経営実務においては最も重要なツールだと考えています(第8問も同様)。財務指標等のまとめページとM&Aの理論を中心に回転できるよう準備しておきましょう。また、補習所考査で出題された論点(例:デューデリジェンス)について補習所テキストで確認しておくとリスクヘッジになります。

(3)答練

他の科目とは取り組み方が異なります。何度も回転させて暗記するというよりは、計算方法や記述の仕方(例:財務指標の計算式、財務分析の論述)を確認するために使うと良いと思います。あくまで回転すべきはテキストになります。

3.対策について

(1)財務分析

各財務指標の計算式の暗記と財務分析の論述練習がメインであり、特に収益性分析・安全性分析(個別・連結どちらもありうる)は重要性が高いです。まず財務指標については、正しく計算できるようにすることはもちろん、年によっては計算式そのものを記述させることもあります。計算については端数処理(例:小数点以下第3位を四捨五入)や使用する残高(例:期末残高、期首期末の平均)の指示、計算式を記述させるものについては「解答例に倣って」の指示にそれぞれ注意しましょう。これらの指示を見落とすと一気に足切りリスクが高まります。また、計算結果をもとに分析させる論述問題については、該当する財務指標の式を分解したうえでそれぞれについて記述していく、といった流れをつかみましょう。この流れについては答練で身につけることができます。

(2)企業価値評価、M&A

近年は理論問題での出題が多いようですが、計算問題で出題されることもあります。理論問題としては、企業価値の評価方法(インカム、マーケット、ネットアセット(コスト))、M&A手法のメリット・デメリット、デューデリジェンスの定義・種類が頻出なので、ここは確実に押さえましょう。計算問題で出題される場合は、CAPM、WACC、FCF、企業価値・株主価値あたりが重要になります。答練やテキストの例題で訓練しておきましょう。

(3)その他

対策するならコーポレートガバナンスになります。答練で出た部分を最低限押さえ、余力があれば過去出題の無い原則を中心にキーワードを暗記していきましょう。答練で出た部分以外が出題された場合はあまり差がつかないような気がしますので、直前期に詰め込むのが良いと思います。

●第8問(IT・コンピュータに関する理論)

1.出題分野について

IT委員会実務指針第6号およびIT委員会研究報告第53号が主に出題され、事例問題形式が多くなっています。内容としてはITの基礎知識、情報システムに関するリスク評価と対応、ITに関する内部統制(全般統制、業務処理統制)などが挙げられ、監査実務との関連が強くなっています。修了考査から追加される分野であるため、ある程度学習時間を確保する必要があります。なお、令和2年度は上記からの出題は無く、補習所テキストでのみ記載されている分野から出題されたため、今後は補習所テキストの重要性が増すものと考えられます。

2.学習ツール・対策について

(1)講義

新しく学習する分野であるため、すべて視聴することをおすすめします。核となる考え方(情報システムに関するリスク評価と対応)を理解してから、全般統制や業務処理統制の各論に落とし込むという流れをつかむことを意識してみてください。

(2)テキスト(補習所テキスト含む)

第7問同様最も重要なツールであり、答練で出題されたか否かにかかわらず、ある程度網羅的に押さえておきましょう。(1)で記載した流れを理解しつつ、キーワードを暗記していくと効率的です。また補習所テキストについては、IT実6号とIT研53号以外の分野で、補習所の考査で出題実績がある分野から優先的に通読しておくとリスクヘッジになると思います。

(3)過去問・答練

答練で出題された論点については確実に押さえる必要がありますが、回数や問題数は多くないため、気づき事項などをテキストに反映させたうえでテキストを回転するようにしましょう。また出題形式を知るという点では過去問が最も有用です。事例形式をとりながら実はキーワードを答えさせるような問題や監査実務のような問題が意外と多いことに気付けるはずです。


これで修了考査の勉強方法についての記事は終わりになります。長きにわたりお付き合いいただきましてありがとうございました。過去の記事とあわせて、皆さんの参考になれば幸いです。他に書いてほしい記事や質問等ございましたら、コメントをいただければと思います。皆さんの合格を祈念しております。

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