映画「LA LA LAND」の眩さと哀愁

遅ればせながらLALALANDを鑑賞。
ミュージカルが苦手なものであまり期待せずに観たのですがかなり良かった。
冗長とも思える四季の移り変わりを我慢して観続けた先にある伏線の回収。

過去の選択肢から漏れていった「あり得たかもしれない未来」というのは、歳を経る毎に増えていき、行き場をもたずに時空間を漂い続ける。
ひとつの事象をきっかけに過去と未来が溢れ出て、それでも二人の立場上、万感の思いを込めた複雑な微笑みしか出来ない。なんとも堪らない感情が胸に染み渡ったところでエンドロール。

前半は何故にここまでチープで古臭い演出をしていたのかと訝しがっていたが、監督を筆頭に制作陣は確信犯的に世界観を構築し、リズムを抑制している。そう考えればミュージカルというフォーマットを用いたのも納得がいくし、むしろノスタルジーの効果を高めている。

ただの楽しくてカラフルなミュージカルかと思って鑑賞したがとんでもない。
人生の輝きと悲哀をギュッと閉じ込めて一気に放出したような、眩さと切なさに満ちた傑作でした。

いやー映画ってホントに面白いですね。さよなら、さよなら、さよなら。

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