「音楽ファンタジー ゆめ」覚えてます?
前回の記事を書いてて思ったのは、コンピューター音楽はずいぶん変わったなと。いつの間にかSSWがAbilityと区別がつかなくなってたり、機械一つだけでなんでもできるシーケンサーがなくなったり、MSGSの質が落ちてたり。(一番不満なのは実はここ)DAWでもないソフトのパッケージに「MIDIは古い!」つて書いてあるのを見かけたりもしました。確かにStudio Oneから書き出したMIDIを DOMINOで「(最低10chだけでも)分解」しないとMIDIだけでは再生できなかったり。
とはいえ、この20年のうちに曲作りは随分楽になりました。そんな歴史について簡単にまとめたページを見つけたので、こちらも紹介します。
DTMって市場自体が、霞のように消えちゃったんだろ(外部サイト)
そんな私にとって、曲作りの原点とも言えるのが、NHK教育の「音楽ファンタジー ゆめ」。ご存知の方も多いとは思いますが、これについてちょっとお話ししようかなと。
「音楽ファンタジー ゆめ」は、NHK教育で1992年から放送されていた5分のアニメで、クラシックの名曲を3DCGのアニメと合わせて簡単に紹介するものでした。今でいう「びじゅチューン!」にちょっと近いかな。2部構成になっていて、前半では番組キャラクターの「フルーツ&ベジタブルオーケストラ」及び「テクテクキッズ」による寸劇、後半はコンピューターでアレンジされた曲とイメージ映像、といった組み合わせで、この構成が揺らぐことはなかったです。
フルーツ&ベジタブルオーケストラは、黄色い八分音符形の指揮者と野菜や果物でできた楽器たちによる楽団。チェロ茄子とかクラリネットネギとかのどことなくコミカルなキャラクターが印象的でした。
これだけは言わせて。前の記事に書いた「ゴリウォーグのケークウォーク」って、本来はピアノ曲なんですよね。でもここだと、マリンバ(胡瓜+ブドウ棚)で演奏してたんです。だからかなり長いことマリンバの曲だと勘違いしてました。マリンバアレンジも素敵なのは多いから、それはそれでいいんですけど。
テクテクキッズはPCとマウスのコンビ。持ち主の目を盗んでイタズラします。彼らは途中から出てきたキャラで、その頃って確か飴みたいなiMacが出たんです。CMで「She's a Rainbow」が流れてた頃だと思います。編曲担当者達の環境の変化を反映してたりするんでしょうか。と思ったら、テクテクキッズのデビューは94年、iMacのデビューは98年だから全然関係ないか。でもこのPCのデザインはどう見てもMacだよね。ディスプレイにキャスターがついてるし。
後半のアニメは毎回凝っていて夢中になってました。ここでいくつか簡単に紹介します。
ゴリウォーグのケークウォーク/ドビュッシー
真っ黒な背景の上を赤青緑白の紙切れが歩き回る。曲が進むごとにカオスになっていく。春の声/ヨハン・シュトラウス2世
木で自動車を作る工場に毛虫が紛れ込む。ウィリアム・テル序曲/ロッシーニ
筆、顕微鏡、チェロ、ゴキブリが小学校で障害物競走。ピアノ協奏曲第1番/チャイコフスキー
3人家族が世界旅行に行って、その先々でのり弁を食べる。G線上のアリア/バッハ
楽器別に分けられたスペアナ。曲調がすでに子供向けじゃない。チゴイネルワイゼン/サラサーテ
恐竜の骨の家族がピクニックに行く。子犬のワルツ/ショパン
12匹の犬が踊る。これは2Dアニメ。悲愴(第3楽章)/ベートーヴェン
2体のデッサン人形がタンゴを踊る。この曲だけ前半と後半で楽章が違う。お馴染みのアレは第2楽章。こんぺいとうの踊り/チャイコフスキー
2匹のカエルが踊る。曲調がなんとなく不気味で、夢に出た。ダッタン人の踊り/ボロディン
二人の男が巨乳の女をかけて争う。ただし出てくる人は「ジョイメカファイト」風。
キリがなくなるのでこの辺りで止めときます。他にも面白い作品がたくさんあるので、YouTubeなんかで探してみてください。
当時としては最先端のCGだったし、編曲も短いながら面白かったし、なんでいま再放送をしてないのか不思議。子供の頃、こんな曲を自分で書けたらなぁと、なんとなく思ってました。
今でもたまに見てしまう動画です。
このページを作るにあたり、Wikipediaを参考にしました。
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