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はじめてのひとり暮らしを思い出す

こんばんは。cozy254です。
いつのまにやら2023年も残すところあと少し。
聞き飽きたセリフですが、年々1年経つのが早く感じる。

ふと気がつくと、今年で一人暮らし歴15年になりました。
あらためて自分で数えてみて、時間の経過の早さに驚きます。
早々に年末年始の休暇に入って暇なこともあり、ひさしぶりに15年前に思いを馳せてみるかと記憶を呼び起こしています。

私は、20代後半から40代前半までのあいだで、3部屋の賃貸物件に住み替えました。15年間を費やせば、なにかしらの新人からもはや超ベテランの域に達しているような歳月ですね。
そういう意味では、わたしは「ひとり暮らしのベテラン」と胸を張って自己紹介しても良いキャリアかもしれません。
そんな今から考えると、はじめてのひとり暮らしのときは本当に無知だったと思います。

はじめての一人暮らし

28歳の春。ずっと憧れていたひとり暮らしを始めたいと母に伝えるまでに数ヶ月かかってしまった。
当時、姉はすでに家を出ており、そのまま出身大学のある地方で働いていた。
妹もどうやら当時付き合っていた彼氏とそろそろ結婚の話が出ている様子。
父はわたしたちが子供の頃に他界しており、妹が先に結婚で家を出るとなると、当然私と母の2人暮らしになる。

母とふたりになった時点でもう家を出たいとは言い出せないと思い、意を決して伝えた。(母は特に大きな持病はないが、性格的に過度な不安性、心配性、たまにヒステリックになるなど情緒不安定なところがある)
母は、私がひとり暮らしをしたいことは薄々気づいていたこともあってか、「ええで」と一言。
私はようやく伝えられたことと、長年の夢が叶うことに心踊っていた。

とはいっても内心では母は心穏やかではなく、ほどなく情緒不安定で普段よりさらに怒りっぽくなっていた。
あとに残った妹にも申し訳ないと思ったが、罪悪感を持ってもあのタイミングで家を出たことは今でも後悔はしていない。

貯金はまだ100万円もなかったが、敷金礼金・初期費用・家具家電一式もろもろで約60万円の出費。一気に銀行の残高が減る。
住居の設備の新しさ、セキュリティ、立地を妥協できず、けっきょく駅近新築マンションを選んで、家賃が予定より1万円ほどオーバーしてしまった。
それでも、自分で家具や生活用品を買い揃えるのは楽しかった。
(ただし、キッチン用品一式は母がいつの間にか買い揃えてあとから代金だけ請求されてしまったのだが)

今よりぜんぜんSNSも普及しておらず、「はじめてのひとり暮らし」系の雑誌やマニュアル本を読んで研究していた。
とはいえ、ひとり暮らしどころか引っ越しすら初めてで世間知らず。
失敗談はこの一回目のひとり暮らしのときに多い。

数々の失敗談

ある日の朝、マンションのごみ置き場でおじさんが缶・ビン類を集めていて、私はごみ収集車の人と勘違いして「すみません!まだ間に合いますか?」と焦って訊ねた。そのおじさんはびくっとして「あぁ」と曖昧に声を発しただけだった。
のちに、カン・ビン収集で生計を立ててている人がいることを知る。

別の日、関西ナントカ設備という刺繍が胸の辺りに入った作業服を着た30代くらいの男性が訊ねてきた。
室内の換気口にフィルターが必要ですと説明され、「あぁ、管理会社の人か」と思い込み換気口の形状確認のためにと部屋にあげてしまった。
確かその時にフィルターの月額を伝えられ、「いますぐ契約しないといけないですか?」と質問すると、その作業服の人が今日でなくてもいいと言ったので、その日は帰ってもらった。
後で、「いや、マンションの管理会社じゃないよな。(名前が違う)」と気づく。
田舎育ちとはいえ、簡単に女性ひとり暮らしの室内に見知らぬ人を入れてしまった自分の無知さが今考えても恐ろしい。

結局そのマンションには8年間暮らし、初めての退去日の原状回復立ち会い確認。
入居している間かなり丁寧に使い、掃除もしっかりしていた。
新築で入居し、クロスや床にも目視できる汚れはほぼない。もちろんタバコも吸っていない。
割と自信満々で、管理会社の担当者を待ち構えていた。
しかし、部屋の中を細かくチェックしたその担当者から「とてもきれいに使用されていますね。・・ただ、ここのクロスに毛羽立ったような線がありますね」と指摘された。
そこはワゴンを置いていた位置で、カウンターの角が当たっていたのかもしれない。言われるまで、私も気が付かなかったほどうっすらした跡だった。
「この一面のクロスをすべて替えるので、8万円になります」とあっさり言われた。
「8万円ですか!?そんなにかかるんですか?」と半泣きになりながら訊ね返すと、「あぁ、じゃあ管理会社には内緒で3万円にまけてあげますよ」と言われ、ここに連絡先と名前を記入してくださいと、なにかの切れ端のような小さい紙に指示されるまま新しい住所と連絡先を書いた。

しかし、数日だっても数ヶ月たっても管理会社から支払いの請求が来なかった。よく考えたら管理会社は当然私の連絡先は知っているはずなのに、なぜあの場で紙切れに書かされたのだろう。
しかも、8年間も暮らしてあの程度のクロスの跡で高額の支払請求されるのもおかしいし、一社員(20代後半くらいの男性)の判断で5万円も急にまけられるのもおかしい。
結果的に払わなくて済んだのはよかったけど。

こうして思い出すと、よく無事に8年間も過ごせたなと思う。
いや、気づいてないうちに騙されていることが他にあるかもしれないが。

初めてのひとり暮らしに浮かれ、しょっちゅう友達を招いて飲み会を開いたり、泊めたりもしていた。
お隣さんも大概夜中の喧嘩など物音を立てていたので、ご近所からはクレームは一度もなかったがやっぱりうるさかったかもしれない。
申し訳なかったと今になって反省。

インテリアの知識も中途半端で、気に入ったものを直感で買うという単純なスタイルだったため、気がつくとテイストに統一感のないなんとなくダサい部屋になってしまった。

過去の自分へアドバイス

とにかく私は世間を知らず、今より情報収集力もお金に対する知識も乏しかった。
この最初の一人暮らしで、かなり生活力が身についたと思う。
もし、28歳のひとり暮らしを始めたころの自分にアドバイスができるなら、
・訪問販売は断固とした姿勢で断ること
・寝具カバーはそんなにいらない
・クッションは2個まで
・インテリアに柄物を取り入れるときは慎重に
・中途半端な高さのテーブルを買うな
・こたつはいらない
・先取り貯金をしなさい
・生命保険の代わりに、インデックス投資をしなさい
・資格取得より、お金の勉強をしなさい
・ストレッチやスクワットなどの宅トレを毎日しなさい
・外食・お酒を控えなさい
・断る勇気をもちなさい
・マスキングテープそんなにいらん
・食器そんなにいらん
・レッグマッサージ機買うな
・収納ケースをそれ以上買うな
・ハンガーはアルミでずり落ちないタイプを買い揃えるように
・服はシンプルに、セール品に飛びつくな
・ポイントカード作るな
・無印良品で散財すな

などなど、際限なくアドバイスが出てくる。
書きながら今の自分にもグサッと来る項目もあるけど。。
振り返ると失敗もたくさんあったけど、今でもたまに住んでいたマンションの近くを通るとなつかしいようなキュンとするような不思議な気分になる。

はじめてのひとり暮らしの成果

毎朝掃除機をかけてから出かける習慣や、タンブラーを持ち歩く習慣、米を炊いて一膳ずつラップして冷凍する習慣、固定費の見直しなどなど生きる知恵というか今で言うライフハックのようなものが身についたのもこの最初のひとり暮らしの経験のおかげだと思う。

でもいちばんの大きい成果は、母を気遣えるようになったことかもしれない。
時々しか帰らないのと、一軒家でひとり暮らしをさせているという罪悪感も相まって、実家で一緒に住んでいるときは喧嘩(ほとんど一方的に責められることが多かったけど)もしょっちゅうだったのが、たまに帰っても言い合いになることはなくなった。
まあ、母が年を取ったせいであまり強気ではなくなってせいでもあるけど。

実家を離れて、ありがたみを実感するとはよく言われるけど本当にその通りだと思う。
気遣いができるということは、反面気を使い合うという少し家族のカタチが変化したような子供の頃とは違うさみしい気持ちにもなり少し複雑な感情だけど、わたしの家族には今の距離がちょうどよい気がする。

もうすぐお正月で実家に帰る。
1ヶ月ちょっとぶりで、泊まるのは去年のお正月以来。
実家は寒いしWi-fiないし退屈だけど、古い家なのであちこちのガタを点検しようと思う。

読んでくださってありがとうございます。
では、わたしの一番好きな言葉を。
良いお年を!






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