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学習に集中できない中一生

 2021年01月26日から
小中学生への学習支援で得た知見を基に
色々書き始めて156回目になりました。
 また、2021年03月15日から
毎週連続投稿を始めて153回目です。

今日は、小学校4年から学習支援に来ている中一生の話。
 四つ違いの二卵性双生児の兄がおり、今年高校へ進学しました。
 兄の一方は、通常の中学生の学力を示していましたが、もう一方の兄はグレーゾーンにいます。

 当人は、小学校の時学習支援の場で、初めからから机の前に座っていられず、友達を作ってはゲームをしたり、教室内ではしゃいでいました。
 小学校4年では、学習の目的もわからずに学校に行っている状態でもあり、大半の小学生は「学習」を「遊びの邪魔をする存在」と認識している状態なので、見過ごされていましたが、今から考えると、多動性につながる言動が見られました。
 この時点で、もう少し本人に寄り添っていればなぁとの想いが残ります。

 中学校になり、次第に「学習」内容が抽象的になり、更に授業の速度が上がってゆくと、興味を失ってしまい、「学習支援」の場でも「学習」することを嫌がり始め、友達が面白いことをしていると、ついつい興味を惹かれ、カードゲームをしたりインターネットを見たりしてしまいます。

しかし本人は、「やればできるけどやる気がしない」と言い続け、授業の復習やワークブックの学習も嫌がってしまっています。
 自分の親類には高学歴の人も多いことや、兄を見ていて、このままでも進学できる学校があると思い込んでしまっているのが現況です。

 三学期も終わりそうな時期ですが、こうした生徒に対し、次の年次に向けてどう対応したらいいのかの話し合いがあり、次のような方向性を見つけています。

①多動性は、別の見方をすると興味の幅が広いということで、それ自体を注意するよりは、自分が今何をするべきなのかを視覚化し、目標を作る。
②色々な物事が視界内に入ってくると、それがきっかけになって、「学習」から離れてしまうようなので、落ち着けるような環境を整備する。
③学習支援の場にいる友達との着席位置を調整する。
④「学習」に集中させるよりは、間に息をつけるような「遊びの時間」を設けてみる。
⑤「遊びの時間」では、漢字の篇と造を組み合わせる「漢字博士」のような、それとなく「学習」に移行できるようなものを選ぶ。

 さて、来学期、この生徒はどう変化するのか??
読者の皆さんにも。お知恵を拝借したいです。

保護者の皆さんや 子どもたちの学習に関与している方々へ 

 学習支援には色々な生徒が集まります。経済的な圧迫を受けていたり、学習環境に問題があったり、不登校だったりしますが、それらは生徒の問題ではない気がします。
そして、生徒の反応を頭から否定しても何も解決はしないでしょう。
一人一人の心のうちに寄り添い伴走し
生徒の本音を探ることで、その先が見えてくるようです。

 一番生徒に近い存在で、関係性が成立している皆さんは、
生徒の嗜好や、どんなことに興味を持ちやすいかとか、
具体的な手段を見つけやすい立場にいます。

良い相談相手として、また善き話し相手として
身近にいてくださることを願っております。

09.MAR.2024.ARAI