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晴れる夜

ある世界では熊撃ちの1人だ。
だけど、僕の世界、今この瞬間の肉体を感じる世界では僕は何者だろう。
輪郭の正しい毎日である。

良い、悪い、という感想は別として。

僕は人間の、ほとんどの人間のルールに正しい輪郭をとらえて生きている。
犯罪者でもなければ、異常者でもないという意味。
でもある意味、犯罪者も異常者も突き抜けた個人に見えてしまう事がある。
個人であること、これは幸福のための絶対条件であるが、潔く儚いもので死の香りもしてる。
音楽や芸術がその力を純粋に持っていた、というノスタルジーの話しです。

思春期か!笑

いつも、一歩飛び越えた感じでズレてるな。
一歩も出してないくせに。

僕はアパレルで働き、なんか気になる人となんか気にし合って、なんか交わって、なんか出来て、家族になったんだけど、なんか金がいるみたいで、なんか清掃員になって、なんかお父さんらしい。

お洒落な清掃員。
お釈迦な家庭人。
笑笑笑

居場所ってやつは必要?
パパって呼ばれたらそのスペースにいられる?

だってさ
俺の父ちゃんは俺に俺が父親でいいかって聞いたんだぜ
だってさ
うけるさ

食卓ってさ
大事でさ
やっぱみんな、家族でさ
家族ってのはさ
パパママ、子供?
パパママいてさ
子供もいるかもしれないやつでさ
食卓にさ
居場所がないと感じたら

山に居た。
タクシーで山に。
登山口には神がいるね、やっぱり。

山に登ったんだよ
この世界について
この世界の居場所について
ふんふん数を数えてさ

それでさ
いつのまにか熊になっちまった。
熊撃ち、マタギ、また聞き‥

熊になっても君は愛してくれるのかな‥
おいおい、風の音が聞こえるよ、虫やらカエルの声、花の音、すげえ聞こえる、だけどね‥
お前は一流の熊になれる、だが熊撃ちのお前にもなれる。だけど‥
もう山から出られないんだ。

そして僕は熊の言葉しかなくなってしまったのだ。
野性の塊なのだ。
人間に戻りたいとも思うのだ。

なぜか家族に会いたくて。

ある世界では野生を撃つ熊撃ちの1人だ。
この世界では人になりたいと憧れる熊だ。
別の世界ではお釈迦な家庭人だ笑。

山にて月に吠える。

家族に会いたいと。
自分自身を心から撃ちながら。
愛を指でつついて、かぶりつきたい。

晴れた夜だ。
晴れる夜。
晴れる子。
晴れる君。
愛しい寝息が聞こえる。

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