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文庫本を閉じる前と同じ教室 聖パウロは今日も回心している マスールのベールと同じ空…
罪悪感をずっと押し付けられてきた 普通ではない私がいけないのだと 社会に馴染めない…
ポケットの中にあるはずの世界が消えた 手のひらに収まる世界が 目の前には一つの世界し…
ラジカセを持ち入ってくる修道女 静まる教室 「考えなくていいから聞きなさい」 『星…
ここではないどこかを 探す気力すらなかった そんなところがあると 憶うことすらでき…
音の向こうに 二十歳の娘がいた 玉音放送を耳にし 何を言ってるのか 何が起こったのか …
ハッピーエンドを押し付けないで わたしから目を逸らさないで あなたが耳を塞ぐ痛々しさ それがわたしの現実 見捨てられた感情の掃き溜め そこから見上げた世界 あなたの足の裏が踏みにじった 骸を 呻きを あなたのお花畑の底に溜まった 血を 膿を 泥を啜って生きた証を ちゃんと認めて 肥溜めからの期待を背負い 這い上がって幸せを目指す わたしから目を逸らさないで
終わるまでの時間をやり過ごしていた 何も感じることはなかった 「気持ちええやろ」「感じてる…