ボカロ調声解説【ウナの惑星②】エフェクト編
こんにちは。ボカロpの子牛です。前回に引き続き、ボカロ(音街ウナちゃん)の調声について解説していくよ。解説する曲は自作の「ウナの惑星」です。
↓前回はこちら。打ち込み段階について解説しているよ。
そんで、打ち込み終わったものがこちら
エフェクトをいろいろかけたものがこちら
どうでしょうか。声にハリが出て、声量も安定してますね。声自体が大きくなってるように聞こえるかもしれませんが、実際は声の出音は半分以上小さくなってます。自分でも今回改めて確認してびっくりしました。基本的に1トラック毎の音量は小さい方がミックスしやすいので、声だけでここまでちゃんと音作りできたのは偉い。褒めてください。
○使用プラグイン
白で囲ってるのがボーカルのトラックです。エフェクト9個も使ってる…。これに加えてリバーブもかかってるので実質合計11エフェクト。コンプなんか3つも使ってる。たぶんこれはエフェクトかけ過ぎだと思います。つかってるのはEQ、コンプ、デュエッサー、リミッター。EQとコンプについてはデジタル系と真空管シミュレート系の2つを使い分けてます。真空管系はエフェクトの効果というよりも、通すことによる倍音の変化を狙ってます。普通のEQとかだと倍音のコントロールってできないからね。単純なエフェクト効果はデジタル系で作ります。
①EQ:ローカット
音の帯域を調整するEQ。まず最初に余分な低音をカット。この部分は単体で聞くとよくわかんないけど、他の音と混ぜ込んでいくと積み重なってモッタリとした音になります。ボーカルだけじゃなくてすべての音で低音は削ってます。使ってるのはSonitusってとこのデジタル系EQ。今は亡きSONARに付属していたものです。
②デュエッサー
耳に痛い音を消すためのデュエッサー。正直よくわかってません。プリセットのなかからしっくりきたのを選んで微調整してるだけです。Wavesのものを使用。
③コンプ
コンプはみっつ使ってます。最初はSONARに付属してたBTなんちゃらってやつ。真空管シミュで派手な音になりますがコンプとしての性能は?です。倍音を付加させるために使用。
コンプ2つ目。さっきと同じコンプですが設定が違います。このふたつを1セットとして音作ってます。音が温かい感じになります。
コンプみっつめ。Wavesのもの。よくわからないけど物足りなくてコンプかけたかったので、プリセットからしっくりくるものをチョイス。ミックスは自分の耳だけを信じてやってます。
④EQ(2)
またまたEQ。さっきはローカットだけでしたが、ここでは音の変化を目指します。BTなんちゃらの真空管系をチョイス。なんだか使いにくそうなEQですねえ。2バンドEQですが、中音側に振って気持ちいいポイントを探ります。
あらかたいじってきてちょっと耳に痛い音になってたので、超高音をカット。なぜかこれを2回繰り返してた。
⑤リミッター
最後にリミッターで暴力的に音を均一にしてます。Wavesのものを使用。結構潰してますね。でも違和感はない程度のところを探って設定していますよ。
⑥リバーブ
別トラックでリバーブも作成。スクショを取り忘れましたが、Wavesのルーム系設定を使ってます。曲中だとわからないけど、単体で聞くとリバーブかかってるなってわかるくらいのとこを探って調整してます。リバーブのローカットも忘れずに。
以上です。ボカロはどうしても声が細くて音圧もないので、真空管系で倍音の付加、リミッターでの音の均一化が特に効果が大きい気がします。ウナちゃんはかなりパワフルな方ですけどね。
詳しくは触れませんが、オケのミックスもボーカルの聞こえ方にかなり影響します。EQなんかは、ボーカルとかぶらないように結構気を使って設定を追い込んでます。ウナの惑星はボーカルが大きく聞こえますが実は音量はボーカルが一番小さい。ギターは1.5倍、ベースは2倍、ドラムは3倍位音出てます。ボーカルはある程度ダイナミクスを維持したままミックスするのがセオリーですが、ボカロなら結構思い切った音作りもありかなと思ってます。
以上、よわよわDTMerの調声解説でした。
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