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コワーキングスペースもりおかで”いいオフィス盛岡”を始めた理由とこれから

 先日コワーキングスペースもりおかの中で、もうひとつのコワーキングスペース「いいオフィス盛岡 by STUDIO Sa.Co.lla」を始めました。「いいオフィス」でいうと、北海道・東北初の提携スペースとなります。それを可能にした背景というのをひとつ説明していきます。

きっかけ

 私自身長くコワーキングスペースという業界を観察しながらやっていたというのもあったので、元からいいオフィスさんについては知っておりました。その中で、5月半ばに社長の龍崎さんが以下のことについてnoteで書いていたのを拝見しました。

助け合いの精神を優先に

思いや考えについてはよく理解できました。新しくコワーキングスペースの支店を立てるにはコストがかかるものの、そこにかかり返済し続けるレベルに売り上げには至らないことがよくあります。それにこだわってては全国展開はできません。そこで全国・全世界のコワーキングスペースと提携・協業して、10万店のコワーキングスペースを立ち上げていこうという構想です。これは私がコワーキングスペースを初めて知ったあたりに「世界のコワーキングコミュニティにおいて、コワーキングによる利用者・関係者同志の助け合いの精神がある」のを勉強し感銘した身であるので、それにのっとって助けていこう(龍崎さんがここまで理解できて運営されているかどうかは別として)ということで、提携を結ぶことにしました。コワーキングスペースというのが関与していきたい会社さん・個人の方のビジネスに相互に貢献し合って成長し合っていく特性を持っているので、コワーキングスペースをやっている以上、提携の話がきたらできる限り応じていくというのも、理由の一つにあったりもするのですが。これをもし複数のスタッフを雇ってやっていたとした時に十分理解してもらえるかの自信もなかったので、運営責任を集中させる環境下も考慮した時に個人事業主でやってくのが即断即決で事業対応できやすい側面もあるのもあったので、これも可能にした要因だと考えています。

とはいえ、壮大なプロジェクトですので、さすがにコワーキングスペースもりおかを冠して連携していくには自信が持てなかったので、もうひとつ月1でやっていたコワーキングスペース「STUDIO Sa.Co.lla.」の名前でやることにしました。これは元々発達障害者が起業やフリーランスで活躍し自活できるようにするためのコワーキングスペースを将来手掛けたいというのがあり、どうやって運営をしていけば良いかというのをコワーキングスペースもりおかを通じて勉強したいというのがあって、そのための月1限定のコワーキングスペースとしてやっていたものです。やろうと思った経緯についてはリンクからたどって読んでいただけるとありがたいのですが、コワーキングスペースもりおかを通じてコワーキングスペースというのはどういうビジネスでどのような空間なのかをしっかりと伝えたかったが為に色々と泥をかぶらざるを得なかった事柄もあるので、STUDIO Sa.Co.lla.の方でやることにしました。

複数登録してこそ発揮できるコワーキングという働き方

ただしながらですが、将来コワーキングスペースが人々の生活に貢献し続けられる為には、今のコワーキングスペースに対する理解・認識は誰しも相当ねじ曲がって伝わってしまっているような印象を持っておりまして、ここがひとつ不安に感じているものがあります。
その一例を述べるのですが、本来なら、コワーキングスペースを利用するにあたって、会員登録するしないに関係なくひとつのコワーキングスペースにだけ毎日利用するというのは、効果的な成果につながらないというのがあります。複数のコワーキングスペース(BizcomfortやWework、co-baといったコワーキングスペースのチェーンネットワークも含めて)に会員登録して、ひとつのコワーキングスペースにつき週に1、2度利用するというのが、効果的な成果を出す利用だと教えられましたし、実際にやるのが難しい環境の中で何とかして試しにやっていって間違いないと実感してきました。これがコワーキングスペースの運営者側にも利用者側にも、そこに営業していく相手にも理解ができている人がいるのかどうかというと日本ではほとんどいない感じがしております。

それと実際にやってみて、コワーキングスペースの運営は、都市部でも地方でもスペース単独よりも複業・サイドビジネスのひとつとしてやってった方が良いという結論に至ったのもあります。その上で、駐車場が確保しやすく地方と他地域との交流がしやすい特徴をもつ”ホテルや旅館、ゲストハウスの1サービスとして手掛けていくのがより効果的な成果を利用者に提供できる”のではないかという考えを持っております。

その上で龍崎さんの記事に、以下のコメントを残しました。
「地方でコワーキングスペースを運営していて、単純に不動産物件を借りてやるよりも、ホテルなど宿泊施設の1フロアを活用して展開していく方が、ずっと有機的・効果的ではないかと感じております。いずれお話はじっくりすることになると思いますが、ご検討のほどお願いいたします。」


この業界の今を観察しながら将来を考える

これでもテレワーク・リモートワークについての今の流れというのを把握しながらやっているので、その流れに乗って勢いつけて独自にやるのも良いかと思うのですが、より長期的な継続性や地元社会における事業的信頼性も含めて考えた場合には、この方が適していると思うのです。また実際に様々なスペースを利用してみて、コワーキングを通じて一番楽しくそして成果を出している人が多いコワーキングスペースは宿泊可能なスペースを利用している人が多いのも見ていて感じたのがありました。ここに単純なフリーランスやノマドワーカーと地元の人や会社が混じり合う環境を作ることができれば、本当の意味でコワーキングスペースが町にあるべき価値というのが一般にも理解できてくると思うのです。もちろんそうではない変化だってあると思いますが、これがひとまず変化に柔軟に耐えうるやり方のように感じます。

(それにRemoでバーチャルコワーキングスペースを開くところが出てきて、たまに入ったりしているんですけども、そっちの方がコミュニケーションとかも含めて、コワーキングという働き方の面白さとか体験できたりしているんですよね。いずれ出てくると考えていましたが、ここまですんなり馴染むとも思わなかったのもあります。状況によってはバーチャルコワーキングに流れる人も出てくる人が出ると思いますし、それを踏まえてスペースを運営していくとした時にこれからスペースに会員登録していく価値(別にドロップイン利用だけの方が余程お得でいいと考えている側ですが)やターゲティングをしっかり考えないという印象はあったりします。)

 先述した通り、コワーキングスペースもりおかというのに対して、自分自身自信を持って満足できる環境を提供できていると考えたことは未だにありません。むしろコワーキングという働き方や、コワーキングスペースというスペースの活用の仕方を伝えることまでが関の山ではないかと考えております。そして、しっかりと伝わり切れるか、盛岡市内の宿泊施設の1サービスとして引き継いでくれるところができれば、コワーキングスペースもりおかに自分が大きく関わることはなくても別にいいかと考えています。宿泊施設でやるとしたなら、確実にいい粗利になるシステムまで見出したのもありますので。そうした場合に、いいオフィス盛岡も引き継いでもらえればいいですし、またいいオフィスさんで市内に新設することになった場合でもいいので、コワーキングスペースもりおかではその日になるまでの繋ぎでいいかなと考えております。

最後に

 最後に、コワーキングスペースというビジネスは、スペースを貸し借りするのではなくて、スペースを共有し合う人や関わり合う人同士で助け合っていくためのツールを提供するビジネスだとざっくり捉えております。助け合いの中に、それぞれが関わっているビジネスの突破口を開いていく事ができてくれば、コワーキングが社会に貢献できるようになるのではと考えていますし、その数が増えてくればコワーキングスペースがある価値や評価をする人は増えるという考えは龍崎さんと一緒だったりします。いいオフィスを増やしてコワーキングの価値を高めていくというのはその一端だと思いますし、これに貢献できるとなればまずはいいかなと考えています。盛岡については当面STUDIO Sa.Co.llaでやりますが、うちでやっているからやんないというのは関係なく増えてほしいですし、いいオフィスでもどこのコワーキングブランドでもいいので利活用する人は増えてほしいと願いながらやっていきます。

追記

翻訳して読んでほしいのですが、街の中に複数あってどこかでっていうのは海外でも薦めているあり方だと書いているんですよね。私の場合は主張しても理解されづらい苦しさがあるのですが、これがひとつの理想だなと思ってはいるのですよね。

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