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Co-Edoは外国人の利用者も多いコワーキングスペース(その理由も考えてみました)

今年も大晦日も元日も含めて年末年始も毎日オープンしているコワーキングスペース茅場町 Co-Edoです。

きょう1月3日も朝から複数の外国人のドロップイン利用のかたがいらっしゃっています。

年末年始は(ふだんは他のコワーキングスペースを使っているからか)Co-Edoを初めて利用するという方も多いのですが、今朝いらっしゃったかたも、わざわざ問い合わせていただきました。(日本語も上手なインド等アジア系の外国人のようでしたので、いらしたときにすぐにわかりました)

月額会員も開設当初から外国人の方がいるCo-Edo

不思議なことに、Co-Edo開設当初から、外国人の方が誰かしら月額会員としていらっしゃいます。

もちろんドロップインでの利用のほうが(旅行者の方もいるため)断然多いのですが、まだメンバーの数が10名前後のときから複数の方が会員になっていたりします。

出身地もさまざま

会員の多くは、日本で長く暮らしていたり、日本人と結婚していたりとさまざまですが、出身もまた多様です。

日本で生まれた方も含めて
• アイスランド
• カナダ
• オーストラリア
• 中国
• 韓国
• スイス
• アメリカ合衆国
• ドイツ
• イギリス
• スウェーデン
• インド
など

わりとアメリカのかたは少なかったです。(ドロップイン利用の方はたくさんいらっしゃいますが、なぜか月額会員には少ない)

いろんな文化がしれて面白い

はじめて会員になったのはヨンさんというiPhoneアプリの開発者。

わたしが「どこから来たのですか?」と尋ねると「レイキャビク」と。
聞いたことはあるけど、どこでしたっけ?(笑)

さっそくGoogle Mapsで調べたところ…

アイスランドか!!!

ヨンさんはポーカーのアプリを作っていました。
ポーカーというと日本人は「3枚チェンジ」というあれを想像しますが、世界的にはテキサスホールデムという手札の2枚と、場に全プレイヤー共通のカード(最大5枚)を使って駆け引きをしながら勝負をするルールがスタンダードとのこと。

映画などでこんな感じでプレイしているシーンをよく見ますが、これもテキサスホールデム。ポーカー=テキサスホールデムというくらいメジャーです。

「面白そう!」というと「じゃあ一緒にプレイしよう」ということになり、その場でAmazonでポーカー用のトランプを2つと、チップのセットを購入しました。(チップはある程度の重さのある安っぽくないもので、トランプもセットに付属しているものではなくCOPAGという有名なものをおすすめされました)

その後仲間内で何度も遊び(ルールはもちろんヨンさんに教えてもらい)イベントも複数回やりました。

ポーカーの面白いところは、早いと手札2枚だけで勝負になったり(まわりのひとを全員下ろせばそれでチップを総取りできる)とても戦略的なこと。また外国人がたくさん集まる場所だと突発的にポーカーが始まったりして、そのときに一緒に参加できるようになったりして、より仲良くなれる機会が増え、そういう意味でも良いきっかけでした。

ほかにもいろんな国の方々がメンバーになってくれたので、ランチ会でいろんな食事を持ち寄ってくれたり、日本の漫画やゲームが海外でどのように広まっているか知る機会があったり。

コワーキングスペースというのはとても多様性を感じる場所だと思っていますが、外国人の利用者が多いと、スタッフや他の利用者が、より自然と多様性を楽しめる場所になっていくのではないかと思います。

ドロップインの外国人利用者

ドロップインの利用者も多いというのは上述したとおり。
仲間内でミーティングしたり、旅行しながら仕事をしていたり、skypeでミーティングしたりと利用方法もさまざまです。

海外のコワーキングスペースを運営しているという方も、よくいらっしゃいます。
南米・アジア・ヨーロッパ・アメリカ等いろんな場所から来ていただいてFacebook等でつながるとそれ以来会っていなくても同じコワーキングスペース運営者同士お互いの近況がわかるととても刺激になったり。

外国人も含めてすべての方がウェルカム

年末にコワーキングスペース運営者アドベントカレンダーの記事として『「雑談OK」から考えるコワーキング文化の変遷』というのを書き、そのなかで多様性が生む魅力について触れました。(すこし長めに引用します)

マレーシア文化に詳しいライターの古川音さんが思うマレーシアの魅力には「多民族国家であるがゆえ、価値観を押し付けず言いたいことをいい、違うことを認めながらも大きくつながる」という点があるそうです。
同質性を重んじるがゆえ息苦しさを感じる従来の日本とは正反対であり、まさに、いま日本人の価値観が(多様化してきたがゆえ)シフトしている方向と合致している気がします。
マレー系、中国系、インド系といるマレーシア人は、顔も違えば宗教も違う。食べられるものも違うひとたちが共存するための知恵が「みんなちがってみんないい」という多様性を認める文化になっているそうです。
3年前のアドベントカレンダーの記事内で岡 檀さんの『生き心地の良い町-この自殺率の低さには理由-わけ-がある』という書籍を紹介しましたが、そこに登場する徳島県の海部町(かいふちょう・現海陽町)も、江戸時代初期に各地からの移住者が多く集まった「価値観が違うひとたちが築いたコミュニティ」です。

コワーキングがなぜ魅力的なのかのヒントは、こういうところにある気がしてなりません。
とすると、コワーキングスペースも、単なるワークスペースとしての利便性ばかりを追い求めるのではなく、多様な価値観を認め合う場所であったほうが、魅力的であり続けることでしょう。

コワーキングスペースの魅力のひとつに「肩書や属性に縛られない関係性」というのがあると思っています。年上だからとか、男性(女性)だからとか、大企業に勤めているからとか、子供だからとか、そういうことは関係なしにその場にいられ、それゆえ、普段の生活では出会わないようなひととの繋がりができることもあるのです。
(反対に、年上だからと威張り散らしたりするひととは関わりたくないですし、年齢性別や職業などで相手を下に見るひととはあまり会話を続けようとは思いません)

その意味では、日本に住んでいるか海外に住んでいるか、日本人か外国人か、欧米なのかアジアなのか、そのほかすべてがとくに差をつける意味もないものであり、それどころか、相手に興味を持つうえでの情報のひとつにすぎない気がしています。

もちろん(たとえば隣駅から来た利用者より)遠く海外から来た利用者のほうが「どうしてCo-Edoに来てもらえたんだろう」ということでより話をしたくなりますし、良い意味での差別は(リスペクトとともに)しています。

日本人にしか使われないCo-Edoより、外国人も含めていろんな方が使ってくれるCo-Edoのほうが、開設時に思い描いた理想の姿に近いですし、単純に嬉しい、というだけでもありますが。

Co-Edoにはどうして外国人の利用者がたくさん集まるのか

さてここからは仮説も含めて、どうして外国人の利用者が多いのかを考えてみたいと思います。

まあ正直、なぜこんなに使ってもらえているのか分かっているわけではないのですが、それでも自分なりに意識していることもあるので、外国人の利用者を増やすために試行錯誤したいというコワーキングスペース運営者のために書いていきます。
(大変申し訳無いですが、一部有料にさせていただきました m(_ _)m )

つぎの視点から考えてみたいと思います
• Co-Edoとして努力をしてないところ
• 当然対応したいこと
• 前提として必要なマインド
• Co-Edoが対応していること
• 実際に使ってもらって分かったこと
最後におまけで「苦労している点」についても触れます。

Co-Edoはとくに何もせず外国人の利用者が増えている要因

Co-Edoの特徴にIT系のエンジニア(開発者)が多いという点があります。これはわたし自身がエンジニアとしての仕事をしているからというのがあるのですが、それゆえCo-Edoは「エンジニアに使いやすい」ようにしているところもありますし、「勉強会が開催しやすい」ようにしているのも同様の理由です。

Doorkeeperというイベント管理サイトをつくっているPaul McMahonさんはCo-Edo開設当初より利用していただいてますが、海外の情報サイトで外国人の方による「東京でコワーキングしたいけどおすすめは?」という質問にCo-Edoをあげてくださっています。

ほかにも、外国人向けのWordPress Meetup Tokyoという勉強会に参加してくれたクリス・カークランドさんは、自身が運営するTokyo Cheapoというサイト内の記事「Drop-in Coworking Spaces in Tokyo」にて、Co-Edoを先頭で紹介してくださっています。

わたしが海外のサイトを見る機会がないだけでCo-Edoを紹介していただいている事例も多いようです。実際に利用した外国人の方の紹介というのがこれから日本に来るという方には一番安心でしょうし、運営者としてとても嬉しく思います。

追記(2019年1月)

Co-Edoを連日ドロップインしてくれていた利用者から素敵なレビューをいただきました。こういうひとつひとつが励みになります。

外国人の利用者のために当然対応したいこと

日本人は少なからず英語には馴染みがあります。日常会話やビジネスにおいて英語で話ができるという方も多いでしょうが、そういう方々であっても、同じ情報が日本語と英語の両方で書かれていれば日本語で読むでしょう。

ですから、外国人の利用者のためには、最低限の情報を英語で記載しておくことは必須だと思います。Co-Edoは開設当初より、Faceookページ等にも英語の案内を併記しています。いちど書いておけば(営業時間や料金等のルールを変更しない限り)とくにあとあと手間がかかることはありませんので、可能な限り早めに記載しておいて損はないでしょう。

正しい英文であるかどうかはあまり気にしすぎないほうが良いと思っています。それよりも情報を記載することを優先したほうが遥かに効果的です。「Open 10:00 – 21:00(10:00 – 18:00 on weekends)」と書いてあれば、少なくとも「今日は開いてるだろうか?」という疑問は即座に解決します。

公式サイトも1ページだけでも英語ページを作ったほうが良いですし、交通・アクセスのページには英語での行き方の併記したほうが良いでしょう。もちろん本格的な英語サイトをつくるのが一番ですが、最低限「コワーキングスペースに行きたい」とか「Co-Edoに行きたい」という意思を持った方に対しては、Co-Edoにたどりつけるようにしています。

Co-Edoがいろいろ工夫している点について

続きは有料記事にしています。

主な内容
• 外国人の利用者を増やすためにできることとは
• 外国人の利用者のために作ったものとは
• やってみて分かった外国人の利用者に効果的だったものとは
• 外国人の利用者特有の苦労することとは

主な対象者
• コワーキングスペース運営者

さっそくひとつめから説明していきますね

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