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火星とアレス:ギリシャ神話で学ぶ西洋占星術⑤

「あなたの暴力と性欲"アレス"」
今回は"火星"を、ギリシャ神話のアレスから理解していきます。

火星が表す、
・情熱
・勇気
・欲望
・怒り
・エネルギー
とは一体どういうことか。 見ていきましょう!


■アレスの特徴

・最高神ゼウスと正妻ヘラの息子
・暴れん坊
・凶暴
・戦争の神
・性欲の神
・破壊
・怒り
・知性より暴力
・武器と鎧
・不人気(ローマ神話のマルスは人気)
・アフロディテと不倫
・美男子
・他の神からは煙たがられている

■アレスのエピソード

アレス(火星)のキーワードを元に、実際のエピソードを見ていきましょう!


①アレスとアフロディテ(金星)との不倫

火星の神アレスと金星の神アフロディテは不倫関係にありました。

前回のアフロディテ解説ツイートを読んだ方は既にご存知。「まんまやん...」って感じですよね。

美女アフロディテの夫は、鍛冶の神ヘパイストスというブ男。
(アフロディテは無理矢理結婚させられた)

不細工な旦那に満足ならないのか、アフロディテはこっそり美男子アレスと不倫をします。

ヘパイストスは妻の不倫に気づいていて、ひそかに罠を仕掛けました。透明なネットを作り、二人が密会するベッドに設置したのです。

結果、アレスとアフロディテが、よろしくやっている最中に罠が発動!

二人を裸で捉えたままに、ブ男ヘパイストスは、他の神々を呼び寄せ、二人がどれほど不貞を働いていたかを暴露します。

このエピソードは、火星の"情熱"と"欲望"を表しています。

他人の奥さんであろうと、「ほしい!」と思ったら禁忌・危険を侵してでも手に入れたい....??

火星は性欲も表しますが、納得ですよね...

僕らも自分の中の火星(性欲)には注意...(恐怖

②ポセイドンの息子を討ち取る

なんとアレスパイセン、神々ランキング2位である海王神ポセイドンさんの息子を討ち取っているんです...。

きっかけは、アレスの娘がポセイドンの息子に犯されそうになったせい。

娘が傷つけられたとは言え、神々の親族を討ち取るのは重大な犯罪です。

わかっていても、ムカついたアレスはやっちゃったんでしょう。死ぬまで殴ることをやめなかったらしく..。

このことは火星の「怒り」を表しています。

加えて、
・自己コントロールの難しさ
・自己中心性
・感情主義
・暴力

も象徴しています。

せめて話を聞くぐらいしてあげても...。

火星(怒り)に振り回されると、自分をコントロールできなくなるわかりやすい話です。

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③知性で戦うアテナにボロ負け

戦争の神はアレスの他に、もう一人アテナという女神がいました。

アレスこのアテナ様に何度も負けるんです。
ボロ負け。アレスも戦争の神ですが、アテナには全然勝てない。

アテナは知性に富んだ神。(母が知性の神)
冷静な計算ができ、ゴリ押しではなく、戦略を練って戦います。

感情にも流されません。
怒りに身を任せたり、勢いで戦っているアレスはアテナに勝てませんでした。

このことは「火星の暴力性」と、暴力は知性に負けることが象徴されています。

エピソードは以上になります。

火星は「凶星」とされますが、アレスにいいエピソードは全然出てきませんでした。涙

ちなみにアレスはギリシャ神話の中でも人気のない神です。

(のちのローマ神話のマルスと同一視され、人気が出てきます)

■その他、アレスと火星の関連性

火星(アレス)の微妙なエピソードが続いたので、少し擁護します(笑)

僕は各天体、良い悪いはないという立場です。

あくまで性質があるだけで、見る側面で良し悪しが変わるのは当然です。

少しニュートラルに見ていきましょう。

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戦争の神

戦いの神であるアレス。
これを西洋占星術の火星で解釈すると、

・エネルギー
・アクション
・主張
・攻撃
・防衛

と解釈できます。

怒りや暴力は、平和なときには有害ですが、有事のときには役立ちます。

自分の権利が侵害されているときに、主張できなかったり、防衛するエネルギーがなかったりすると、どんどん奪われちゃいます。

自分や仲間を守るのにも、火星の力が必要です。

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性欲の神

アフロディテさんとの話は微妙でしたが、「欲の力」は有用な面もあります。

「獲得したい!」「ほしい!」と欲情しなければ、恋愛は怒りません。

恋愛以外でも仕事や芸術、何か事を成し遂げるには「欲」のエネルギーが必要です。

大きな原動力である欲を、どこに放出するかが大事です。

大志を成し遂げる人は大きなエネルギーを持っています。火星の力なくして、強く生きるのは難しいでしょう。

西洋占星術における「恋愛の攻め方・アプローチ」が火星に表れるのも納得ですね。

ハデスと仲がいい

友達の少ないアレスですが、冥府の神ハデスと仲がいいです。ハデスは冥王星の象徴。

実際、火星と冥王星ってなんか近い感じしますよね。
怒りとか破壊とか。

火星の上位互換が冥王星って言ったりもしますし...。

神話的解釈として、アレスが暴れると(戦争をすると)、冥界の住人が増えるため、二人は仲がいいと言われています。

こうして神話の中での繋がりが見えてくると、本当におもしろいですね。

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■火星の年齢域

火星が育まれる年齢域は35~45歳です。
まさに社会でも「働き盛り」の時期。

若さゆえの躊躇がなくなって、思いっきり仕事ができてくる年齢です

仕事人として、一番脂の乗った時期。

おもしろいのは、占い市場でも相談が多いのは、この火星期の方「不倫」相談です。

アレスの話を見ても、色々納得感が...!w

■火星の守護星座

最後に火星の守護星座を理解して、イメージをより深めて終わりましょう。

古典占星術における火星の守護星座は、「牡羊座」と「蠍座」です。

●牡羊座のキーワード
・情熱
・勢い
・勝気
・主張
・先頭
・挑戦
・勇気
・行動

●蠍座のキーワード
・性(深い繋がり)
・強い意志
・情熱
・芯が強い
・やるならとことんやる
・執念
・負けず嫌い
・0か100か
・独占欲
・時に強引

今回のアレスのエピソードと照らしても、頷けますね。

再三ですが、こういうのを見ると「ギリシャ神話ってすげえな~。もっと色々知りてえ..!」となりますね??( 'ω'??)

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