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解毒作用

いやなことが続くと、私は太宰治の本が読みたくなる。なんというかこう、解毒作用的なものがあるのだ。

なんでだろう?って考えてみた。

多分、やさしいんだろう、と思った。

暗いとか駄目とか、弱さとかそういう言葉が連想される節があるけど、はっきりと思い切れなかったり言い切れない感じに、なんとなく優しみがあるような。どうしようも割り切れないゾーンのグラデーションが、どうもあまいグレーに感じられ、親しみを覚えてしまう。

救いようのない話に、「私よりはマシだな」とかそういうレベルじゃないところで救われる気がする。

どうやらどうしようもない人だったみたいだったけど、きっと自分にも他人にもしょうもなくやさしい人だったんだろうな。

誰にでも覚えのあるような感情に似た表現に触れたとき、あれ?これ私のこと書いてる?なんて錯覚におちる。

結末が暗くたって、なんだかどこかにあたたかみがある気がして解毒作用発動。案外さっぱりと、人間について書いてるところが好きだ。


ありがとう太宰!なんとかがんばってみるー!

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date: 2021年02月03日 02時05分
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