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約1年ぶりの再会。汚泥は一体どうなっているのか!? │牛乳石鹸×東京高専 汚泥アップサイクルプロジェクト

東京工業高等専門学校さん(東京高専)との取り組みが始まって、約1年がたちました。

東京高専さんの特徴ある教育プログラム「社会実装教育」の一環として、牛乳石鹸の工場から廃棄されている「汚泥」をより良いものにできないか、実験をすすめています。

学生のみなさんとは定期的にオンラインで進捗の報告会はしていたものの、コロナの影響でなかなか会いにいくことができず。

しかし、1年という期間がもうすぐ終わってしまいそうな、このタイミングでコロナの影響による人々の行動制限がなくなっている。これは会いに行かねば!ということで、研究所メンバーと共に久しぶりに学校へお邪魔してきました。

学校最寄り駅前の銅像

1年ぶりに学校へ訪問。直接会ったからこそ感じたこと。

久しぶりにお会いした学生の皆さん、いつもオンラインで会っていたので、こうやって向かい合うと、やっぱり直接会う方が話しやすいなーと実感。

1年間の集大成として学内での成果発表会があります。今回お邪魔したのは、発表が迫ってきているので、お話したいと思ったからでした。

先生と学生の皆さんとの打ち合わせの様子。久しぶりで会話も弾みました。

あらためて発表会の日にちを確認すると、「学生の皆さんの方」から7月中頃と教えていただきました。すると、日程が当初の予定より少し早まっていたようで、先生は「あ、そうなんだ」といった様子。

このことは実験が学生の皆さんの主体性によって進められてきたんだなと、よく分かる出来事でした。学生自身が日程の調整もして、先生からの指示はありません。学生の主体性を重んじることは、この社会実装教育の特徴のひとつです。先生方も学生を信頼し、最後まで主体性を重んじる。そういった関係性が垣間見える瞬間でした。

そのあとには、資料を見せてもらったりして、どんな発表になるのか教えてもらいました。化学の専門用語が少し難しかったりしましたが、研究所メンバーに通訳してもらい、なんとか理解できました(笑)。あの捨てられているだけの汚泥を題材として、こんなにもかっこよくまとめられているのかと思うと感慨深い!

研究所メンバーは大学時代にそういった研究を経験していたので、特に学生の皆さんに対して親身になっていました。私たちとしても微力ながらサポートできたのではないでしょうか!

一緒に実験!これは根気のいる地道な作業だ!

「粘土」と「燃料」という新しい価値を見つけるために、汚泥の実験をすすめてくれました。お話しを聞いていると、「粘土」としての実験が進んでいるようでした。

「一緒にやってみますか?」と、実験の準備をしてくれていたみたいです!ぜひやりたい!お言葉に甘えて一緒に実験を開始。手順を教えてもらいながら、粘土にする作業をしました。

まずは汚泥を計って、粘土にするために必要な材料を添加します。そして、サランラップに挟んで砕くように混合します。器にいれて混ぜた方が、やりやすのでは?と思ったのですが、すりこぎや器にこびりついてしまい、作業がしにくくなるそうです。地道に実験をしたからこそ、分かった工夫がありました。

重さを計りながら、汚泥に添加しています。

そして、そのあとはひたすらこねる!こねて、こねて、こねまくる!!すると、はじめはまとまりが悪かったのですが、だんだんとつるっとした感じに。

ボロボロと崩れてしまう汚泥が、つるっとしたまとまりある粘土のようになりました。

実験した結果、4種類の粘土が完成しました。硬いけど、まとまりがよかったり、まとまりは弱いけどこねやすかったり、いろんな粘土たち。まとまりにくいとか、ちょっとボロボロするとか、そういうのもこの「汚泥粘土」のひとつの良さかもしれないよね。この特性を活かせたらいいよね、なんて話もしながら実験はひとまず終了。

4種類の粘土たち。

いつもオンラインで、実験の報告を聞いていました。化学のことは良く分からないし、聞いたこともないような機材や材料を使って実験をして、とても難しいことをしているんだ、と思っていました。

けれど、こんなにも地道で根気が必要な作業をいつもしていたんだな、しかも思い通りの結果になるかどうか分からない、それが実験をするということなんだと感じました。

粘土で牛をつくってくれた!かわいい!

学内での最終発表。そしてこれから。

訪問してから数週間後、発表会が開催されました。この発表をもって、今回の実験チームは解散となります(涙)。最終発表をぜひ見たかったのですが、残念ながら直接見ることはできず、当日の写真を後日いただきました!

校内の体育館での発表会が行われました。
ポスターでの発表です。熱がこもっているのが伝わります!

これまでただ捨てられていた汚泥が、初めて何かに生まれ変わろうとしました。こんな風にできるんじゃないか?とか、こんなことしたらどうなるんだろうとか、思いついてもなかなか行動に移すことができませんでした。

しかし、東京高専の皆さんと出会えたことで、実際にやってみる大切さを教えていただきました。そして、この汚泥を通じて学びを得てくれたのならそれはとても嬉しいことだと感じています。

実験をしてくれたおかげで色んなことが分かりました。燃料の可能性、粘土の可能性、可能性はひとつじゃない。そして実際に手を動かすことの大切さ。

汚泥をより良きもの生まれ変わらせる、アップサイクルプロジェクトはまだまだ続けていきます!

何が始まろうとしているのか・・・

この1年間実験を続けてくれた学生の皆さん、先生方どうもありがとうございました!


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