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万年筆が趣味になった話ー⑤中国製万年筆に触れる

中国の万年筆が結構良い、という話を目にしたのは1か月ほど前、つい最近の事である。最近はペン自体のコレクションもさることながら、興味はインクに移っていたのでどうしてもペン自体の本数が必要になっていた。


詳しい方は当たり前のようにご存じのだろうが、万年筆を使うにはいくつかルールのようなものがある。ペン一本に対して、使えるインクは1種類。インクの種類を変える場合はしっかり洗浄してからインクを充填しなければならない。

そして、あるメーカーの万年筆には同じメーカーのインクを使うのが定石…である。

この辺はペンの機構とインクの粘度が関係しており、組み合わせによっては相当扱いづらく、最悪故障の原因になってしまうらしい。もちろん違うメーカー同士でも全く問題ない場合はあるし、むしろ殆どそうなのかもしれないがやはり冒険しないに越したことはないだろう。

このころ僕はパイロット社の「色彩雫」を中心に集めていた(※1)のだが、上記の通りにすれば1色を買うあたりに1万円程度のパイロット社の万年筆を購入することになる。どうでしょう、僕はさすがにちょっと高いかな…という気がしてしまった。もちろん安価なものもあるが、一度カスタム74を買ったからにはそれ以上のものを使いたい・・・

そう思っていた時に出合ったのが中国製の万年筆である。


たまたまほかの方が書かれたNoteの記事やブログを見た後に、Amazonでリコメンドされてきたのが
Majohnというブランド(※2)のM600S、オーシャンブルーの一品だった。


このころにはターコイズ系の色合いと見るや否や一目ぼれしてしまうようなマインドだったのに加え、
これを機会に中国製万年筆を試してみようという興味がわいたことと、失敗しても2000円程度であれば十分あきらめがつくだろうという思いで、Amazonの購入ボタンを押した。
一本だけだと寂しいので、サイト内を徘徊してJinhaoというブランドの同系色の製品を購入した。


で、翌日届いたので早速インクを入れて書いてみた感想は・・・うん、こんなもんだろう。

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Majohn M600S 水鴨色。インクはパイロット色彩雫「天色」

ペン先の表記は「F」(細字)であったが、明らかに「M」(中字)くらいはある。Jinhaoもそうだったが、致命的なのはペン軸の後ろにキャップをはめて書こうとするとバランスが崩れ、まったく安定しないこと。
どうしてもキャップを完全に分離させた状態で記載しないといけないが、今後は手のひらでの収まりがちょっと悪い・・・
ただこれは手の大きさによるものなので、人によっては気にならないのではないか…とも思う。

肝心の書き味は、個人的にはパイロットをさらに重く、ぬるっとしていると感じた。きっとナメクジを筆記用具として字を書いたらこんな感じなんだろうな、とか思った。
素早く書くとか、長時間使い続ける気はあまり起きないが、ゆっくり文字を書く「習字系」として楽しむ分には十分だろう。

結局、この2本を買った後にさらにJinhaoのものを色違いで購入した。

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上二本が追加購入したもの。上からJinhao「白雪姫」(インクは色彩雫「秋桜」)、Jinhao「紅」(目下鑑賞用)、Jinhao「藍色」(インクは色彩雫「深海」)、Majohn M600S

バランスは少し気に入らないとはいえ、衝撃への耐性や強度は十分だし、外見は日本製にはない派手さがあって見ているだけでも飽きない。これで1本3000円以下というのは、十分すぎるだろう。

少し話はそれるが、以前中国製のスニーカーをアマゾンで購入したことがある。

この時も全体のバランスは悪い部分があったが、見た目はいいし踵のあたりの造りなどはさらに前に購入した10倍くらい値段が張るイタリア製のスニーカーよりも良かったことを思い出した。


万年筆でも同じようなことを経験した結論として、全体の完成度は劣るが、エッジのきいたものが欲しい・・・となったら中国製品を候補に入れる、というのは”アリ”なのかもしれない。

⑥に続く…

※1 インクの話は別途⑥で詳しく書く予定です

※2 実はこれがブランド名なのかよくわからないのですが、とりあえずこの文中ではMajohn=ブランド名とすることにします

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