感染リスクにおびえながら、がんばって勤めているあなたへ。
こんにちは。コロナにかかったニートです。
リモートワークなどの感染対策を取れない職種はたくさんありますよね。接客業とか、医療従事者とか、介護職とか、いろいろ。
さらに「コロナは風邪」という人や「リモートわかんない」「そんなことに予算かけられない」と感染対策をしてくれない会社もあると思います。
そんな中、「ここで働くのは怖いけど、今は求人も減っているし、こんな状況でやめられないよ」と思ってがんばっている方がたくさんいると思う。
だから、そんな方に「やめる」という選択肢も持ってもらいたくて、このnoteを書きました。
『コロナ対策をしてくれない会社から、去った話。』の続きとして、今回は「コロナで会社をやめた人に対する、国のフォロー」について、お話したいと思います。
職業訓練校のこと、失業保険のこと、お金のいろいろのこと。
会社をやめてからの私
前回、私が会社をやめるまでの経緯や、やめた理由などをお話しました。会社をやめてから、1か月。私はずーっとは何もしないで過ごしました。
やめる時の、弁護士などを交えたゴタゴタはすごくストレスフルだったし、嫌がらせもされていたし、そもそも嫌な人と働くストレスはすさまじいものだったので、「心の回復じゃー」と思ってぼーーーっと気ままにすごしていました。最高に心地よかったです。
1か月くらいたって、そろそろなんかしようかなあと思ったとき、知人に「職業訓練校って知ってる?」と言われたのがきっかけで、私は職業訓練校に通い始めました。
職業訓練校って?
職業訓練とは、簡単に言えば「このまま就職するより、スキルつけた方が就職しやすくない?じゃあお金出してあげるから、ちょっと学校通ってから就活しなよ!」という制度です。こちらのサイトを参考にしながら、詳しくお話したいと思います。
対象者、費用、手当、期間はこんな感じ。
学校でかかるお金は教科書代くらい。交通費も出してもらえます。それどころか、きちんと8割以上出席していれば「職業訓練給付金」というものがもらえます。月に10万円も!すごい!
あ、失業保険と重複してもらうことはできないから注意。失業保険をもらっている人でも学校に通う事はできるけど、そういう方は失業保険の支給が終わり次第、職業訓練給付金に切り替わります。
受給要件には同一世帯の収入なども関係あるので、確認してみてね。
どんなことが学べるの?
学べる分野は本当にたくさん。
時期や地域によっても変わるんだけど、いま札幌で募集しているのは経理・医療事務・介護・WEB・ネイルなど。詳しくはこちらを参考にしていただければと思います。
いま私はPC系のコースにいるんだけど、ネイルなんかもやってみたかったな。楽しそう。
訓練って厳しい?どんなとこ?
訓練という名前がついているから「大変そう」「暗そう」「変な人ばっかり通ってるのかな」って思ってたけど、全然そんなことなかった。
普通の専門学校とかとあんまり変わんない。
朝9時に学校に行って、16時くらいに帰ってくる。20人1クラスで、普通の教室で授業を受ける。先生の話をきいて、PCで実践しながら色々覚えて、時々ちょっとしたテストをやる。お昼休みや10分休みももちろん普通にとれる。
年齢はバラバラ。1番若くて20歳。上だと、50代とかまでいる。
正直面接の時には「変な人(周りに迷惑をかけてしまう人など)」もいた気がするけど、クラスにそういう人はいない。多分面接で「変な人」はお断りするようにしていると思います。
むしろ色々あって仕事をやめた人の話がきけたり、同じコースを選んでいるだけあって趣味の近い人がいたり、とても楽しく過ごせています。誰も、年齢や前職であったことなんかは気にしないから、とっても居心地がいいよ。
コロナじゃなかったら、多分一緒に飲み行ったりしてたんだろうなあ。
私がコロナになった時もみんな優しかったです。授業が後ろ倒しになったことを責められたりしなかったし、濃厚接触者になってしまった人たちも「なんもだよ~」って言ってくれました。
ただ普通の学校とちょっと違うのは、就職を前提とした学校なので、途中で「就職決まったんでやめまーす」という人が時々います。私のクラスも、最初よりは少し人数が減りました。さみしい。
でも他は本当に普通の学校と変わらない。
無料で学べて、それどころか「職業訓練給付金10万円」までもらえる。
求人の少ない今、無理して就職活動をするよりも、職業訓練に通うというのはよい選択だと思います。新しいスキルも身につくし、コロナ特有の孤立感も軽減されるし、すごくおすすめ。
私の受けてる授業はオンラインじゃないんだけど、席間隔も十分とっているし、みんなずっとマスクしているので、割と安心して勉強できています。実際私が罹患した時も誰にもうつらなかったしね。まあでも、気になる人はオンライン対応のところを探したほうがいいと思います。
もし他に不安なことがあったらなんでも答えるので、いつでも相談してださい。
職業訓練校に通い始めるまでの流れ
「職業訓練?行ってみようかなあ…」から「明日から授業じゃ~!」までの流れはこんな感じ。これで最短大体1か月半くらいなイメージです。
ハロワに問い合わせ or 検索で通いたいコースを見つける
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ハロワに電話して、学校説明会・次回の開講日・申し込み締め切りを確認
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説明会に参加(どんな勉強をしていくかなどを話してくれる)
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いいなと思ったら、ハロワで申し込みをする
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筆記試験や面接に参加
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受かったら通い始める
「札幌 職業訓練」など、お住まいの地域名+職業訓練で検索すると、いま受講可能なコースが確認できます。毎月開講しているコースもあれば、半年に1回しか開講していないコースもあるので、注意が必要。
ハローワークにいけば「今は開講していないけどこれから開講するコース」のことも教えてもらえるので、電話などで問い合わせてもいいかもしれません。
面接と筆記は超簡単でした。筆記はアルファベットを書くとか、この漢字の読みは?とか。面接は、就職の意思やどんなところに就職したいか、どういうスキルを得たいかなどをきかれるくらい。授業についていけないくらいの知識の人や、問題を起こしそうな人をお断りするための、形式的なものだと思います。
あくまで私の受けたものの話だけど、参考までに。
失業保険の話
職業訓練の話はこのくらいにしておいて、失業保険の話をしましょう。
失業保険……雇用保険とも呼ばれます。会社勤めしていれば、大体雇用保険に加入しているはずです。
受給要件なんかは、こちらの厚生労働省のHPを見てみてね。
私は、人生で2回くらい失業保険を受給したことがあるのだけど、ここではその体験の中で大事だと思ったことをお話します。
①自己都合か、会社都合かがとても大事
退職には「自己都合の退職」と「会社都合の退職」の2種類あります。
自己都合は、スキルアップのためや飽きたなど、自分の都合での退職のこと。会社都合は、リストラなどの、会社の都合での退職のこと。
私は今まで失業保険を受給した2回とも、会社都合で退職しました。
会社をやめた時にもらう書類に「自己都合」「会社都合」のどちらを書いてもらうかで、すぐ失業保険をもらえるかなどが変わってきます。こちらの表が参考になるかと。
次の会社で離職理由聞かれても、会社都合なら印象が悪くなりづらいっていう単純なメリットもあります。コロナが理由ならなおさら「仕方ないね、それは大変だったね」となりやすいかと。
そういえば、私は2回とも会社都合での退職だったけど、多分2回とも、何も言わなかったら「自己都合」ってされてた可能性が高いです。
1回目は結構大きい会社だったので、本社側で正確な私の退職理由を把握していませんでした。多分、上司がこういう法律などに詳しくなくて、ゆるっと報告しちゃったのかな。悪意はないと信じたい。
上司とはいえども、必ずしも入退社に関する法律をきちんと把握しているわけではないので、自分でよく確認することが大切です。
本社に電話して事情を説明したら「あ、それなら全然会社都合ですね。書類にもちゃんと書いておくので、すみません」と、すんなり了承してくれました。
2回目は「来週やめて」と顧問弁護士に言われただけで、どちらの都合かということに触れられなかったので、「会社都合にするなら考えます」と、こちらから条件を提示しました。
「会社がコロナ対策をしてくれないからやめる」「コロナで経営不振だからやめさせられる」などの場合は会社都合になると思うので、やめる前に交渉・確認してみましょう。
先ほどと同じサイトにこんな資料があったので、こちらも参考にしてみてください。
もし明らかな会社都合なのに「自己都合だ」とごねられたら、ハローワークに相談するといいです。手助けしてくれると思います。諦めないで。
②コロナ離職なら即給付・60日延長の特別措置
普通の自己都合退職だと、失業保険がもらえるまで3か月くらい待たなきゃいけないのですが、コロナ関連の離職の場合「正当な理由のある自己都合離職」とみなし、すぐに受給できる場合があります。
要件はこちらの、厚生労働省の資料をご確認ください。
また、自己都合・会社都合にかかわらず、コロナ関連の離職なら下記のいずれかに該当する方は60日、給付が延長されます。もともと最短3か月は支給されるので、全部で5か月分は受給できることになります。
1. 令和2年4月7日以前(緊急事態宣言前)に離職した人(離職理由は問わない)
2. 令和2年4月8日~5月25日に離職した人(特定受給資格者※1、特定理由離職者※2)
3. 令和2年5月26日以降に、新型コロナウイルス感染症の影響により離職を余儀なくされた特定受給資格者※1、特定理由離職者※2
「コロナの影響ってことは、コロナで経営不振→リストラだけが対象かな?」と思っていたけど、「会社が十分なコロナ対策をしなくて安全に働けないため、離職しました」という説明でも、コロナの影響として扱ってもらえました。
「自分がコロナ離職扱いになっているか」というのは、失業保険を受給開始するともらえる「受給資格者証」を見るとわかると思います。「コロナ離職です」と言うと「コロナ確認済」というハンコがおされたり、○をつけたりされました。地域によって対応が異なるかもしれませんが、参考までに。
こちらのサイトが参考になりそうです。よかったらクリックして確認してみてください。
・コロナで追加された「失業保険の特例」を解説|受給日数、期間、対象者など
・失業保険の給付額を計算!直近6カ月間の給与総額で金額が決まる
・自己都合を会社都合に変更にできる人とは?労働環境の悪化などで認められる
住宅確保給付金って?
私がコロナで離職したあとに利用した制度がもうひとつあって、それが「住宅確保給付金」です。
簡単にいえば「頑張って就活してるのに仕事決まらないの?じゃあ家賃分くらい、ちょっと手助けしてあげるね!」というお金です。
貯金が多くない、収入がない、もともと主たる生計をまかなってたなどの要件がいろいろあるので、こちらの厚生労働省のHPを見てみてね。
地域などによって支給される金額は違うんだけど、私は家賃の半分以上×3か月分が受給できたので、すごくありがたかったです。
担当の人が「今はコロナのことがあって色々条件が緩和されているし、期間延長制度もあるから、いつもより受給しやすくなっている」と話してくれました。
これはハローワークではなくて「生活困窮者自立相談支援機関」というところの管轄です。札幌市でいうと「ステップ」という機関がそれにあたります。札幌市の方はこちらのページが参考になると思います。
その他
私は今回このくらいしか利用していないけど、他にも個人で利用できる制度がたくさんあります。こちらのサイトにまとめてあったので、自分が受給できそうなものがないか、見てみてくださいね。
あと、企業が利用できる助成金もたくさんあります。補助金ポータルというこちらのサイトがわかりやすそうでした。
それから、都道府県や市町村の独自の制度もいろいろありそう。山形県のHPには「新型コロナウイルス感染症対策離職者応援事業について」というものがありました。厚生労働省だけじゃなくて、自分の住んでいる地域限定の制度も、調べてみるとよいかもです。
さいごに
この記事を書こうと思ったのは、先日、10年来の旧友と久々に話した時の会話がひっかかったのがきっかけ。
彼女は新卒からずっと大手銀行に勤めているのだけど、コロナの影響で業務が、すごーく減ってしまったそうだ。
「それでも解雇されないしありがたいけど、やりがいはないし、スキルも全然身につかないから転職もできない。銀行名で採ってくれるところはあるかもしれないけど、私何もできないもの。それならやりがいが無くても、週5日ここに通った方がまだマシ」
そして彼女は、ここ1年くらいの近況を話した私に、こう言った。
「いいね、真琴はずる賢く、うまく楽しそうに生きていて」
妬みとか、羨ましさとか、悲しさとか、そんな複雑な感情の乗った言葉だった。
10年前から、私なんかよりずっと優秀だった彼女。尊敬している彼女にそんなことを言われて、なんだかいろんなところがちくちく痛んだ。
立派な学歴や職歴もあるし、彼女は「私は何もできない」って言ったけど、本当はいろんなことができる人。
なにより、努力と我慢のできる人。
でも、彼女の言葉の節々から、「あなたは幸せそうね」「私は真面目に頑張っているのに、なんで」という心が見え隠れした。
私と彼女の違いって、多分、「今と違う状況に飛び込む勇気が、少し持てるかどうか」でしかないと思う。
「給付金?申請面倒そう」
「職業訓練?なんかよくわかんない」
「仕事やめたら生活できなくなるかも」
「会社に抗議したら追い出されるかも」
そんな気持ちで「このままでいいや」って、不満だらけの状況を受け入れちゃう人って多いと思う。
それに加えて「生活保護?給付金?ずるい」って言っちゃう人が世の中に多いのが悪い。ずるくない。制度を知っていて、自分が要件にあてはまるなら、もらっちゃえばいい。
なんっっっっっにも悪いことじゃない。
不正受給はいけないし、中くらいの所得の人が「生活保護の方がよっぽどいい暮らし」とか思っちゃうような穴があるのはいけないことだと思うけどさ。
制度を利用すること自体はなんにも悪いことじゃないよ。
そりゃあやりがいを持って、楽しく働けて、たくさんお金を稼いでいれば1番いいと思うよ。
でも現実、いつもそうはいかない。
それが積み重なって「辛い思いをして働く」「体調が悪いのに体に鞭を打って働く」って人がたくさんいると思うけど、私はなんか違うと思う。勤労の義務ってあるらしいけど、そういう意味じゃないと思う。
働くって、お金を稼ぐ以上に「生きがい」でなきゃいけないでしょう。
生きるの楽しくなきゃ、生きてる意味ないっしょ。
「私がやめたら誰かに迷惑がかかる」って思う優しい人は、その考えを捨てた方がいい。そんなふうに考えるあなたは、きっと怠惰なんかじゃない。まじめすぎるくらい。
だって面倒だからやめるんじゃないでしょう。理由があって辞めるんでしょう。労働環境が悪い、勤務時間が長い、パワハラセクハラがひどい……それを改善して社員を留めさせるのが会社の役目。
留めさせられなかったのは、会社の責任。会社の落ち度。ただの価値観の相違。だから、その誰かが被る迷惑も、会社がフォローしなきゃいけない。そのフォローができなければ、その誰かもあなたと同じように会社を去るだけ。
そうしてたくさんの人を失った時に、会社はきっと変わろうとする。そこでも変われなければ、そんな会社は淘汰されていくだけ。
私たちがよくない労働環境を受け入れ続ける限り、会社は「このままでいいんだ」って思い続ける。そんなの誰のためにもならない。
家族のいる人は私ほど身軽じゃないんだとも思う。でも、どこかでは勇気を出さないと、あなたがつぶれちゃう気がする。そしたら、結局家族が困っちゃう。そうならないためにも、いろんなものをうまく利用しながら、最大限楽しく有意義に生きてほしいなと思う。
もちろん、会社をやめるとちょっと面倒だよ。就職活動にしても、職業訓練にしても、給付金申請にしても、ちょっと面倒。
でもあんなふうに、神経すり減らして、常にイライラしながら笑顔を振りまいて、泥のように眠って休日を消費する、そんな日々より、私は今の方がよっっっっっぽど幸せ。
朝起きて、好きな人と一緒にごはんを食べてコーヒーを飲んで、学校に行って、勉強のかたわらこうしてnoteを書いたりして、「今日夜デートなんだけど、いいお店ある?」ってみんなに教えてもらったりして。
夕方には家に帰って、ゆっくり自分のペースで家事をして、またnoteを書いたり、イラストを作ったり、本を読んだり、時々学校の課題を片づけるの。
暗くなり始めたら夕食の買い出しにいってご飯を作り始めて、彼の帰りを待ちながら、筋トレをして(ここ大事)、おいしいものを食べて、たくさんおしゃべりしたりゲームしたりして、たまーに深夜にコンビニに行って、夏はアイスを食べながら帰ってきたりする。
で、あったかい布団の中で「明日はなにをしようかなあ」って考えて寝るの。
……マウントとろうとかそういう話じゃなくて、「会社に半ば追い出されたニート」っていうと悲壮感すごいけど、実はこんなに楽しく生活できるんだよって知ってほしかったんだ。
まあこれから仕事どうしようってちょっと不安に思うけど、それは時がきたら、いつかの私がなんとかすると思う。フリーで仕事するとか、諦めてどっかの会社に入るとか。いっつも、いつかの私が全部なんとかしてきたもん。
なんにしても、日本にいる限り簡単に死なないような仕組みはあるし、大丈夫だよ。なんとかなるって。大体のことはグーグルが教えてくれる。
思いが強すぎてずいぶんながくなっちゃった。
まあ、なにがいいたいかというと、「会社をやめるという選択肢も持っておいてほしい」ってこと。
「会社をやめたって、幸せに生きる方法はある」ってこと。
「むしろそんなところですり減らすより、よっぽど幸せになれる可能性がある」ってこと。
そんなことです。
私がお話した体験談と、今回紹介した制度たちが、あなたが幸せになる手助けになることを祈っています。
がんばって。
私に、コーヒーを一杯ごちそうしてくれませんか。