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結婚式に誘われた話。

実は今年の2月、とある結婚式に参加してきました。結婚したのは中学時代の先輩で、もう10年以上の付き合いになります。

「こんな時期にごめんね。コロナ落ち着くまで待とうと思ったんだけど」先輩からはそんなメッセージとともに、お誘いの連絡がきました。

「私いま妊娠しててもうすぐドレスが着られなくなるし、動くのが辛い時期に入っちゃう。それに子どもができたらしばらくは式があげられなくなるから、こういう状況だけど挙げることにしたんだ。みんなが安心して参加できるよう、責任を持ってできる限りの対策はするから、もしよかったらきてね」

さらに招待状には「万全の感染対策を」という、おふたりと式場からのメッセージが添えられており、「ふたりがよくよく考えて準備したのだし、大丈夫だろう」と行くことに決めました。


当日。
教会でもパーティーでも、全員がマスクをしていました。立食になるウェルカムパーティーは少し心配だったけど、みんな飲み物を口にしていない時はこまめにマスクをしていました。心なしか、お酒よりもソフトドリンクを手にしている人の方が多かったように思います。

披露宴会場も、とても大きな円卓を6人で囲む形だったので、距離は十分とれていました。隣の人とは1m程度の間隔は空いていたし、向かいの人とも手が届かないような距離がありました。

「もしかしたら当日、2次会やるぞーってなっちゃうのかな」と少し心配していたけど、そんなこともありませんでした。

みんなが節度を持って参加していた会。リスクは0ではなかったのかもしれないけど、行ってよかったと思いました。


主催者側がしっかり配慮して、責任を持つ覚悟があるなら。

参加者側の「よい結婚式」を守るために、配慮ある行動が取れるなら。

コロナ禍でも結婚式はあげられるんだとわかったというエピソードです。


もちろん、コロナが落ち着くまで延ばせるなら延ばしたほうがいいと思うけど。でもそういうわけにいかない事情を持つ人も、たくさんいるでしょう。

みんな違って、みんなよくて、みんな大変。頭ごなしに非難するのではなく、事情を想像してなるべく理解を示せるように、心は広くもっていたいなと思いました。


けど!

ここからが今日の本題。です。

今度は彼氏宛に、招待状。

同居している彼の元にも、3月に入ってから結婚式の招待状が届きました。差出人は、大学時代のサークルの先輩。

当時はまだ第4波がここまで深刻になるとは思っていなかったし、私の参加した結婚式も万全な対策がとられていたので、
「心配がないと言えば嘘になるけど、気をつけて行ってきてね」「わかってる、気をつけるね」というやりとりの後、彼は出席の連絡をしました。


時は流れて5月。
サークルの同期のグループLINEに、こんなメッセージが入りました。

「結婚式あげる先輩から、俺らの代で2次会行く人どのくらいいるか聞いてって言われたんだけど、みんなどう?」

そんな。嘘でしょ?


二次会の招待に対する、彼らの意見。

彼は「二次会行きたい!でも感染者出たら『いい結婚式だったね』って後で言えなくなるし、二次会はやめておくかな」と返信していました。

私も多分同じような回答をすると思う。共通の認識が持ててよかったなと思いました。

でも同期の中には「俺はコロナとかぶっちゃけ気にしない」「二次会いくいく!」という声も意外と多くて。

さらに主催する方も結局「公に『二次会やります』とは言えないんだけど、自己責任でやるならやって!やるんだったら俺らも顔出してまわるわ!」と。

…で、それを聞いてモヤモヤしてるよって話です。


大切な人を守るということ

それって「みんなが二次会開催するならそれはみんなの責任だし、俺が責任被らない分みんなが責任被ってくれるなら行くわ」ってことだよね。

「責任取れない」っていうなら「二次会は開催しないでください」まで言わなきゃダメでしょ。

実際結婚式当日になって「内々でこのあと飲み会やるから、お前もこいよ」って参加者側から言われることはあると思うし、それなら100歩譲ってまだわかるけど(よくないけど)、主催者がそんなこと言うのは無責任すぎませんか。

自分の晴れ姿を、お金と時間をつかって祝いに来てほしいと頼むような、そういう大切な仲間なはずでしょう。

ただでさえ人と集まることが憚られてて、友達と会いたいのも我慢してリスクを減らしているのに。そんな中でも「この人のためなら」って、祝いに来てくれている友人なのに。


彼の選択

「こういうこという人だと思わなかった。こんなんじゃあ安心して参加できないし、そういう人のためにリスク冒してまで祝いに行きたくない」

彼もそういう意見でした。

「でも先輩の晴れ姿だし、せっかく呼んでくれたし、リスクの低い挙式だけは参加したい」

そういうことで、教会での挙式には参加し、披露宴はオンライン参加することにしたそうです。


結婚式をしちゃいけないわけじゃない

コロナ禍でのリスク管理は、人によって大きく度合いが違います。
人それぞれ見えているものも守りたいものも違うし、価値観に差がでてしまうのは仕方ないと思います。

結婚式だって人と会うことだって、「いま開かなきゃ」「いま会わなきゃ」という事情を抱えている人がたくさんいるのも、よくわかります。そういうものは、リスクとよく照らし合わせた上で、大切に慎重に実施していったらいいと思います。


コロナ禍で、人生で、重要な考え方

「自分と少し価値観・見えているものが違う人」はたくさんいます。そういう人にも理解を示せるよう、なるべく大きな気持ちで、ゆとりを持って関わることが大切だなと、このコロナ禍で学びました。

でも大きな気持ちを持ったって、許せないこととか、信頼ができなくなるとか、そういうことはごまんとあります。

今回の結婚式で実際に陽性者が出るかはわからないけど、少なくとも彼は「もっと責任感のあるかっこいい先輩だと思ってた」と言っています。信頼とか尊敬とか、そういうものって、失ったらなかなか元には戻りません。


コロナは、人付き合いを見直すためのリトマス試験紙。

私もコロナをきっかけに付き合うのをやめた人が何人かいます。(例えば「コロナかも」といいながらPCRも受けずに外出し、それに苦言を呈したら「あなたに関係ない」とそのまま外出を続けた人とかね)


他人の価値観なんて変えられないんだし、合わない人がいたらそっと離れていくのが得策です。私はそうすることにしました。

だからこそ、私はそうやって知らず知らずのうちに大事なものを零して落としてしまわないよう、適切な選択ができる視野と判断力を持っていたいなと思いました。




私に、コーヒーを一杯ごちそうしてくれませんか。