S, 査読論文のみで知るコロナ後遺症の機序と治療法②アルギニン~3本の臨床論文と3本の検査結果で考える改善理由とPEMの原因(暫定版)~

はじめに(暫定版用)

アルギニンの記事が、ほんとにあと少しで出来上がります。
現在、PEMの原因(の1つ)を論証できるあと一歩手前のところまできています。

約一ヶ月半、毎日論文と向き合い、朝から執筆に打ち込み、ようやくここまできました。

少し時間がかかっていますが、コロナ後遺症治療を前進させ、患者の治療状況を改善するために、絶対に必要な時間だったと思っています。

来月と再来月は、ブレインフォグの患者でも読みやすい長さの記事を中心に書いていきたいと思っています。

ひとまず、できたところまでを、メンバーシップの方限定で公開します。
支援・応援、本当にありがとうございます。

良いお年をお過ごしください。
たこわた。


はじめに(本編用)


今回の記事では、

まず、アルギニン投与でコロナ後遺症を臨床改善させた論文を3本紹介し、改善率と改善仮説等について解説します。その後で、これらの論文では指摘されていないアルギニンやNO(※一酸化窒素=アルギニンの代謝物のこと)のリスクを計4点まとめました。
これを「臨床論文解説編」とします。

次に、幅広い調査の結果、臨床論文群が全く指摘していない有力な作用機序を2つ発見し、さらにコロナ後遺症におけるPEMの原因の1つを特定するところまで、探究を進め、深めることができました。
具体的には、「回復患者とコロナ後遺症患者の差異」に着目することで、コロナ後遺症の本質を抽出するという方法論を採用することで(私の専門で用いられる方法論でもあります)、上記の成果に到達しました。
この探求の成果を「検査結果分析編」としました。

徹底して客観的になって情報をまとめた「臨床論文解説編」と、1人の研究者として独自の視点を打ち出した「検査結果分析編」の二本立てからなっています。

今回、この記事の作成のために、約一ヵ月半、朝から夜まで毎日論文を渉猟し続け、チャレンジし続けました。きちんと読み通した論文の数だけで言っても、ゆうに500本は超えていると思います。時給換算すれば、45万円ほど稼げていることになります。

もちろん、コロナ後遺症患者が医療機関を訪れることを周知するための「忙しいアピール」は、時に必要なこともあるでしょう。
しかし、私の場合は「どれだけ頑張ったかアピール」は、コロナ後遺症治療の前進には直接関係がないでしょう。結果だけが勝負だと考えています。

そして実際にこの記事では、
論文の単なる紹介や解説に留まらない創発的な観点(独創的な観点)や
数多くの論文を読み通したからこそ見えてくるリスク、
・あるいは反対に憂慮しすぎるべきでないリスクについての指摘など

積み上げた努力を結果に落とし込むことが出来たと自負しています。


また、
総合病院で色々な科をたらいまわしにされてしまうコロナ後遺症患者のように
論文においても、コロナ後遺症の本質についての探究が他の専門にたらいまわしにされているような状況もあると感じています。


実際論文を読んでいくと、ほとんどの研究者が
・「自身の専門から→コロナ後遺症をみる」あるいは「コロナ後遺症の症状を←自身の専門から分析する」という風に、多くの場合一本の矢印のみで分析を行っているにすぎません
確かに論文の数自体は増加しているのですが、論文によるコロナ後遺症の本質の探究は十分に行われていないと言えます。

これに対して今回の記事では、
・「ある専門→コロナ後遺症⇔これを別の専門からみる⇔さらに別の専門からみる」というように、様々な専門分野の見解を往還して、たくさんの矢印を用いてコロナ後遺症の分析を行うように努力しました

もちろん上記の努力は容易ではなく、1人で複数の専門の研究者の役割を果たす覚悟で、日夜奮闘し、時にはしがみつきながら、じりじりじりじりと探究を継続する必要がありました。

ただ、以上の努力が功を奏し、この記事はコロナ後遺症の分析そのものとしても研究として一定の価値を有するレベルの分析になったと考えています。


最後に、
私は、コロナ後遺症の症状は単なる発熱や倦怠感、あるいは身体のコリではなく、ウイルス起因の症状だということ(そうでない場合もあるが)を認識すべきだと考えています。
ウイルスの性質を理解すれば、どういう治療なら試してもリスクが少なく、反対にどういう治療だと長期的には身体の状態を悪化させるリスクがあるのか。これがわかるようになります。

一般公開時には、この記事を読むべき状態の人についてより具体的に記しますが、「試せる治療法はとにかくなんでも試した方がいい」と思っている人は、絶対に読むことをお勧めします。

また、この記事は有料ですが、コロナ後遺症治療がいかに複雑化を考えると、専門性が高く治療を明確に前進させることができる人がきちんとした対価を得られる雰囲気を作ることで、優秀な医療人の参画を促すことになるとも考えています。


それでは、本編の方に入っていきましょう。

適切なコロナ後遺症治療情報が広まり、多くの方が自分で治療を判断できるようになり、苦しむ人が少しでも減ることを願って。


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