![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/116406540/rectangle_large_type_2_a83ce29f5c1dab283a17ecd4f9fcabf8.png?width=1200)
添削杯 Vol.7 観戦記事 ROUND5 revenantkioku vs うっちー ~指輪に抗う冴えたやり方~
text by ふみ
「64人参加という理想的な大会はここまで順調に進んでいます」
ROUND5の試合開始前にヘッドジャッジのアナウンスが響く。
理想的な進行……それはすなわち、引き分けや勝ち負けの数によるマッチングなどによる紛れが生じにくいということであり、即ち4連勝を果たした上位4名のプレイヤーは、ここからは2回のID(:合意の上での引き分け)を選択することで、ほぼ間違いなく決勝トーナメント進出を決めたということだ。
それはイコール、3勝1敗で追うプレイヤーにとってはもう絶対に負けられないことを示す。
所謂「バブルマッチ」。決勝トーナメント直前及びその一つ前の試合では幾度となく使われてきた言葉。どれだけ繰り返さようと、これ以上に端的に状況を評した表現もない。そんな戦いにrevenantkiokuとうっちーの二人が今回は挑むこととなった。
Game1
![](https://assets.st-note.com/img/1694937522581-XOqSf3bTLh.jpg?width=1200)
カードじゃんけんの結果勝利したrevenantkiokuは《ミシュラのガラクタ/Mishra's Bauble》で自分のトップを確認するが、それは満足のいくものではなかったようで、フェッチランドを使用して即座にライブラリーに混ぜ込むと、《Underground Sea》から《強迫/Duress》を使用する。
うっちーの手札が一枚ずつ順に公開され、《Mishra's Workshop》2枚が表になったところで「いやだー」と泣き笑うrevenantkioku。思わずうっちーもつられて笑うのだが、続いて白日に晒されたのが
《Mox Ruby》
《Mox Jet》
《古えの墳墓/Ancient Tomb》
《島/Island》
そして
最後の一枚は《一つの指輪/The One Ring》。
即座にrevenantkiokuは、《一つの指輪》をさして「サヨナラ!」
![](https://assets.st-note.com/img/1695050253894-D6dfCU6y4A.jpg?width=1200)
《Mishra's Workshop》を見て「泣きたい」というrevenantkiokuだが、もっと泣きたいのはうっちーのほうではないだろうか。実際マリガン判断を少し悩んだ上で、指輪に賭けた7枚であっただけに、虎の子を失ってしまったのは相当の痛手のはずだ。
実際、自身のターンは《Mishra's Workshop》と《Mox Ruby》を置くのみでターンを終了することになった。
revenantkiokuはアップキープに《神秘の教示者/Mystical Tutor》で《Ancestral Recall》を調達することで、ここまでの攻めで使用した手札をすぐに回復するのに対し、《島》を出すだけにおわったうっちーは続くターンも大きなアクションは無し。
うっちーはようやく《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》を引き入れ、これをキャスト。
悩みながらも許可するrevenantkiokuに対して、願いを込めるようにライブラリーの上3枚を捲る。そして、そのうちの1枚を独楽と交換。
《古えの墳墓》《Mox Jet》《オパールのモックス/Mox Opal》と手札を次々と着地させると、今まさに手に入れた一枚を公開。それは《逆説的な結果/Paradoxical Outcome》だ。これが成就すれば一気の逆転も見える。後はrevenantkiokuのリアクションに全てを委ねるのみ。
対応を求められたrevenantkiokuは、まず《時を越えた探索/Dig Through Time》。そしてそこから《噴出/Gush》と《精神的つまづき/Mental Misstep》を入手し、後者を手札に秘めていた《意志の力/Force of Will》と合わせて公開。
![](https://assets.st-note.com/img/1694959152162-qhgTmhlmqs.jpg)
revenantkiokuは動きだす。《暗黒の儀式/Dark Ritual》から《最後の審判/Doomsday》。最早うっちーがこの状況を脱する手段を握っている可能性は考えにくい。それだけにパイルを組み立てる速度が速い。
念のためにと一応の《ギタクシア派の調査》を打つとそこには3枚目の《Mishra's Workshop》が。《Mishra's Workshop》に苦しめられたのはrevenantkiokuだけではなく、うっちーもだったようだ。
revenantkioku1-0 うっちー
Game2
じっくり考え1マリガンでGame2を開始したうっちーは、《古えの墳墓》と《魔力の墓所/Mana Crypt》から今度こその《一つの指輪》。更には《Black Lotus》《Mox Sapphire》と繋げ、手札は1枚となるが、後は指輪の魔力を見せつけるのみ。
![](https://assets.st-note.com/img/1695050273668-GmS5uN8Foy.jpg?width=1200)
ターンを得たrevenantkiokuの《暗黒の儀式/Dark Ritual》からの《強迫/Duress》に対しても、《船殻破り/Hullbreacher》を使用することで、すからせることに成功。まさに完璧な立ち上がりを見せた。
![](https://assets.st-note.com/img/1694936583953-gUzeZavE0h.jpg)
……はずだったのだが
revenantkiokuはここで最高の指輪対策を披露する。即ち、どれだけ強力な魔力であっても、使わせなければ何の意味もない、のだ。
《Black Lotus》を起き、青マナを3つ生み出すと《タッサの神託者》。そして残っていた黒マナから《Demonic Consultation》。
うっしーはその願いの全てを込めて、指輪を握りしめ、その力にすがる。だが指輪は無情にもうっしーの姿を消すことは無かった。……いや、仮に消えていたとしてもrevenantkiokuが勝利することは変わらなかったのかもしれない。
《タッサの神託者》のテキストは「あなたはこのゲームに勝利する」なのだから。
「お前はもう死んでいる」
「あべしっ!……あ、ひでぶだっけ?」
自身の狙いを見極められ、それ以上の動きで完璧に返されてしまったうっしーは苦笑いを浮かべながら、revenantkiokuのとどめのセリフに乗っかるしかないのであった。
revenantkioku2-0 うっしー
revenantkiokuがROUND5を制し、トップ8の席確保に向けて一歩大きく前進。