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限築杯Vol.2 観戦記事 ROUND2 vs ~青か、それ以外か~

text by ティル

インベイジョンの世界は、青く染まってしまったのだろうか。
本日の限築杯環境について、まずは下記の記事を読んでみて欲しい。

https://note.com/coverage2020/n/nbb4a37d1db28

採用枚数No1

メタゲームを支配する圧倒的な枚数。議論をすることすら許されない存在感。
《反論/Gainsay》がここまでサイドボードに用意されるということは、この環境は青が強い/多いと判断したプレイヤーが大多数ということであり、その対策ですら青いカードに頼ってしまう現状を表している。

《ガイアの空の民/Gaea's Skyfolk》《噓か真か/Fact or Fiction》《予言の稲妻/Prophetic Bolt》といったカードを上げるまでもなく、これ1枚で撃ち落とすことができる対象はより取り見取り。

記事内より引用

記事内でも言及されているように、思いつくだけでも呪文・クリーチャーを問わず青いカードが大いに活躍するこの環境。
そしてそれに対抗するように、参加者のデッキは早く・軽く・汎用性のあるカードが積まれていった。
青いデッキに対抗するため、速度を上げ、鋭い一撃を叩き込む。
《除外/Exclude》する隙も《排撃/Repulse》する暇も与えない、ハイスピードなゲーム展開が想定されるメタゲームとなっている。

しかし、そもそも青いカードを使わなければ《反論/Gainsay》を受ける必要もないのではないか?

シンプルかつ明快な理論。そう考えるプレイヤーも存在し、そしてそれを受け入れる懐の広さがインベイジョン・ブロックにはある。

そんなことを考えたかは定かではないが、参加者の一人であるぜふぁ郎は《反論/Gainsay》を受けないデッキを手に取った。
並べるカードは《山/Mountain》と《森/Forest》。《過ぎたる実り/Overabundance》から大量のマナを供給し、相手を圧倒する豪快なデッキだ。

対する4oung8ryo444は、トレンチでぜふぁ郎を迎えうつ。先に言及した青いカード、《除外/Exclude》、《排撃/Repulse》もしっかり投入し、この環境の王道を行くデッキだ。

王道を進む4oung8ryo444、我が道を切り開くぜふぁ郎
自身の選択が正しいことを証明するため、二人はゲームを開始した。

Game1

序盤は両者ともに淡々と土地を並べることに専念した。
《山/Mountain》と《森/Forest》を広げるぜふぁ郎、3色をしっかり揃えた4oung8ryo444、共に土地周りに不安はなさそうだ。

ゲームが動いたのは5ターン目。様子見とばかりに《荊景学院の使い魔/Thornscape Familiar》を戦場に送り込んだぜふぁ郎だが、4oung8ryo444はそれを迷わず《ウルザの激怒/Urza's Rage》で葬ると、返す刀で《ゴブリンの塹壕/Goblin Trenches》を叩きつける。

蹂躙準備

これにより一気にゲームが加速した。
キッカーした《雷景学院の戦闘魔道士/Thunderscape Battlemage》で塹壕を破壊しようとするぜふぁ郎だが、《除外/Exclude》で逆にアドバンテージを取られてしまう。そして塹壕から湧き出るゴブリン、その数は4体。

もはや残り時間は少ないとみて、意を決し《過ぎたる実り/Overabundance》から大量のマナを生成するぜふぁ郎。手数を持って盤面を取り返す。
《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》、《荊景学院の戦闘魔道士/Thornscape Battlemage》とゴブリンを減らしながら自身の盤面を強化するカードを連打するが、そこには4oung8ryo444の完璧な回答が待っていた。



2枚目の《除外/Exclude》、さらにもう一枚の《除外/Exclude》とクリーチャーの着地すら許さない。そして過ぎたる実りのマナを最大限活用し、一気にゴブリンを8体まで追加。

ぜふぁ郎の逆転は、次のゲームへ託されることになった。

4oung8ryo444 1-0 ぜふぁ郎

Game2

ぜふぁ郎が先鋒として送り込んだ《荊景学院の戦闘魔道士/Thornscape Battlemage》が《除外/Exclude》され、またもや4oung8ryo444のペースで試合が進むと思いきや、ぜふぁ郎が次に送り込んだのは《疾風のマングース/Blurred Mongoose》、そしてセットされる《ケルドの死滅都市/Keldon Necropolis》。

これも青対策のひとつ

打ち消すことができない土地、触ることのできないクリーチャー。
追加の戦力である《スキジック/Skizzik》はあっさり《予言の稲妻/Prophetic Bolt》で対処されるが、マングースは決して止まらずダメージを積み重ねていく。

さらに火力では落とせない《シヴのワーム/Shivan Wurm》も追加し、一気に押し切る体制を作るぜふぁ郎。

呪文が効かないなら、力には力で対応と《ラッカボルバー/Rakavolver》をダブルキックで送り込み、4oung8ryo444もダメージレースの構えを取る。

《排撃/Repulse》を絡め、ラッカボルバーの【魂の絆】能力によりレースを差し切ろうとする4oung8ryo444。ぜふぁ郎が2枚目の《スキジック/Skizzik》で逆転を狙うも、こちらも2枚目となる《予言の稲妻/Prophetic Bolt》で対応。

《嘘か真か/Fact or Fiction》が《ウルザの激怒/Urza's Rage》を運んできたことによって、ぎりぎりのレースは4oung8ryo444に軍配が上がると思われた。

しかしただ一撃、出しなおした《シヴのワーム/Shivan Wurm》の重い一撃を叩き込んだぜふぁ郎は、先ほど置いた《ケルドの死滅都市/Keldon Necropolis》の起動を宣言する。


打ち消されないダメージ

「2点、プレイヤーに。」
土地からのダメージは、《除外/Exclude》も《排撃/Repulse》《吸収/Absorb》も受け付けない。

見事にダメージレースを制したぜふぁ郎が、意気揚々と3ゲーム目へ向かった。

4oung8ryo444 1-1 ぜふぁ郎


Game3

マリガンに見舞われたぜふぁ郎だったが、先ほども大活躍した《疾風のマングース/Blurred Mongoose》を2ターン目に送り込む。
先手必勝とばかりにダメージを重ねるが、マリガンが響いてか土地が3枚で止まってしまう。

それを見逃す4oung8ryo444ではない。《嘘か真か/Fact or Fiction》で一気に手札を増やすと、6枚並べた土地から《ゴブリンの塹壕/Goblin Trenches》を早くも設置。

やっと土地を引き始めたぜふぁ郎の《雷景学院の戦闘魔道士/Thunderscape Battlemage》を《除外/Exclude》し、大きく息をついた4oung8ryo444。

場に出なければ意味がない

「厳しいな・・・」

そうつぶやいたぜふぁ郎。この環境で青いデッキに時間を与えることがどういうことかは痛いほど理解しているのだろう。

《スキジック/Skizzik》、《カヴーのタイタン/Kavu Titan》と脅威はしっかり展開するが、《排撃/Repulse》、《予言の稲妻/Prophetic Bolt》ときれいに対処されていく。

マングースもいつの間にか増えるゴブリンの前では攻めることは叶わず、かといって守りに回しても意味が薄い。

ダメ押しとばかりに《ラッカボルバー/Rakavolver》を降臨させた4oung8ryo444に対し、ぜふぁ郎ができるのは勝者を称える言葉を発することだけだった。

5/5、飛行、魂の絆

4oung8ryo444 2-1 ぜふぁ郎