『海と追憶』 全文
第一章『睡魔と逃亡』目が覚めても、身体は動かない。何もかもが億劫だ。
薄汚れた天井を眺めながら思う。
今日は何月何日だっけ? ……わからない。
お腹が空いたような気がする。最後にご飯を口にしたのはいつだっけ? ……わからない。
何かやらなくちゃいけないことはあったっけ?
何かやりたいことはあったっけ? ……わからない。
今日はこれから何をしよう。何をしたらいいんだろう。 ……わからない。
ただ、なんとなくここにいたくないような気はする。ここにいてはいけない気がする。
どこかに