見出し画像

ワクチン接種をしていない子どもの「活動再開」について考えました(4月23日こびナビClubhouseまとめ)

こびナビ広報

☝Twitterspaces参加方法はこちらのツイートを参考にしてください。


4月23日(金)
こびナビの世界が解説する世界の最新医療ニュース
本日のモデレーター:岡田玲緒奈


【オープニング】

木下喬弘
🎵とぅ〜るるっとぅるるとぅ〜るる🎵

岡田玲緒奈
(笑)

木下喬弘
今ね、練習してるんです。

岡田玲緒奈
何のですか!?(笑)

木下喬弘
今週土曜日に池田先生と一緒にインスタライブをやるんです。「さきこの部屋」っていう名前なので、オープニングで例の曲を口ずさむ予定です。

池田早希
私の憧れの仲里依紗さんも「徹子の部屋」に出てたので!
皆さん、ぜひ Instagram もフォローしてくださいね。
私のプロフィールに、Instagram の公式アカウントのリンクを貼ってありますので、そちらからどうぞお願いします。日本時間で土曜日の夜10時から予定しています。
※このライブ予定は終了しています。

岡田玲緒奈
モデレーターを交代制にして、木下先生がイキイキしている感じがしますけれども。

木下喬弘
いや〜分かります、分かります。プレッシャーから解放された感じありますよね。

岡田玲緒奈
ありますね!(笑)

ということで、皆さんおはようございます!
こびナビの「医師が解説する世界の最新医療ニュース」、金曜日のモデレーターの岡田です。
皆さん、元気そうですね〜「元気ですか?」で始めようと思ってたんですが、少なくとも木下先生は元気そうです(笑)
昨日は峰先生がみんなのコメントを採点するという、あの“ブラック峰”が登場してましたが、今日の木下先生の歌は……まあ5点ですかね。



【ニュース】子どもたちの活動について親はどう考える?

岡田玲緒奈
本日はすごいボリュームなのでニュースは一つだけにしました。
みんな大好きニューヨーク・タイムズからです。まだ新型コロナウイルスワクチンを接種していない子どもたちの活動について、親はどう考えるべきだろうか?という記事です。

What Do You Do When the Kids Are Still Unvaccinated?
https://www.nytimes.com/2021/04/22/opinion/covid-vaccine-kids.html
出典: The New York Times 2021/04/22


うちも夫婦で 「fully vaccinated(ファイザーのワクチンを2回接種して、2週間経過してます)」ので、新型コロナウイルスに対する脆弱性対策アップデート済み、ということになるんですけれども、子どもはもちろんワクチン接種対象ではありません。ですので、やっぱり5月の連休は家でおとなしくする以外ないと思ってますが、今後、子どもは接種していない状況で家族で出かけることをどう考えるか、この数日考えていました。
そしたら今朝ちょうど、この記事が出てきまして……記事の冒頭で、こうした皆が直面する葛藤の背景について書いてあります。アメリカでは成人の50%以上が1回はワクチン接種を受けていて、6月には全員に行き渡る計算ということですが……これ、本当にそんな感じでしたっけ? これについてはアペタイザー(安川)先生!

安川康介
そうですね、もうかなり進んでいます。
対象者への接種はどんどん進んでいて、毎日400万人近い人たちが打っているので、正しいと思います。

岡田玲緒奈
本当にすごいですよね。羨ましい限りです。
ファイザーのワクチンは(アメリカでは)来月にも12歳から15歳へ適用拡大になりそうですね。さらに若い年齢については臨床試験中で、接種されるのはまだまだ先というところです。

そういうわけで、子どもたちの活動をどうしたらいいのかは難しくて、各家庭でいろいろ考えることになると思いますが、パターンとして大きく分けると、1つは慎重派、もう1つは「元に戻そう」ということになります。

子どもがワクチンを接種できるまで、屋内で人と接触する活動の制限を続けるかどうか? こういう判断をする親御さんの根拠としては、コロナ感染で亡くなる子どもがいるということや、1,000人に及ぶ子どもたちが全身性の炎症を起こす合併症、MIS-C と書いてミスシーとか読んでいますが、そういった合併症を起こす子どももいること。あとは、まだまだコロナ感染について分からないことが多いことを根拠にしているのが多いですね。
MIS-C(Multisystem Inflammatory Syndrome in Children:小児多系統炎症性症候群、小児多臓器炎症症候群などと呼ばれる)

とくに基礎疾患のある子どもを持つ親、あるいは自分たちがワクチン接種をしないことを選ぶ親、理由はいろいろあると思うんですが、慎重な選択肢を取るだろうと。
同様に、科学的根拠をもって、元のような生活に戻そうという親もいるでしょう。重要なことは、いずれにしてもゼロリスクの選択はないということです。

ここで注意すべきは、活動の制限を続けることには「子どもの心身の健康を害するリスクがある」ことです。複数の研究がそれを示しています。ワクチン接種に関してもそうですが、リスクを回避するための選択にもリスクがついて回る、「ゼロリスクはないんだよ」ということです。

これについては言いたいことがあるメンバーが多い気がしますので……とくに子どもに限定せず、何かコメントいただけませんでしょうか?

(メンバー無言)

岡田玲緒奈
……ない(笑)
これ、「ゼロリスクはない」といえば峰先生だと思うんですけど、どうですか?

峰宗太郎
結局「どういうリスクを選ぶか?」という選択を無意識のうちにしてるわけで、道が2つに分かれていて両方リスクがあり、でも進まなきゃいけないっていうときに、片方のリスクばかり評価して、迂闊にもう片方を選んでしまうって方も多いわけですよね。

だから、そういう意味では、よく知るということが本当に大事なことで、子どもさんのことに関してもそうですよね。
よく情報を集めて、コロナ自体のリスクをちゃんと評価しないといけないですよね。
いや、そういう意味で常識的なことしか言えないですね。

岡田玲緒奈
ありがとうございます。
今回の記事も、各家庭でリスク比較をして選択していかなければならないので、その判断材料を提供するという姿勢を打ち出しています。
報道の姿勢というかメディアのあり方として、私は本当に胸が熱くなりました。

まずは COVID-19 が成人にもたらした影響ですが、アメリカの2020年の死因第3位がコロナなんですよ。心疾患が1位で、がんが2位、3位がコロナということで……確かに「あれだけの頻度で死者が出ればそうなるか」とは思いますが、改めて「これ、大変なことだ」と感じました。
日本は本当に「よく頑張ってるよなあ」と思います。
年齢別にして30代でも5位に入りますが、6位が殺人というところは「アメリカやな」という感じですけど。

それが子どもでは全く違っていて、18歳未満でコロナで亡くなった患者さんは全米で450人弱なんですね。比較すると、例年のインフルエンザの方がたくさんの子どもの命を奪っていることになると思います。

池田先生、この時点でコメントありますか?

池田早希
インフルエンザは今年、本当にすごく少なくて、うちの病院でも1人か2人ぐらいだけですね。
コロナに関しては、私はその数百人に含まれる亡くなられた方も診ていたので、本当に、予防できるんだったら絶対予防したほうがいい疾患だと思います。
かつ、うちの病院では1万人ぐらい(コロナの患者が)いたんですけど、そのうち入院患者は無症状や軽症も合わせて4,000人ぐらい。でも、軽症だとしても隔離されてしまいますし、他の理由で入院した場合、例えば抗がん剤治療で入院していたお子さんが、入院してからたまたまコロナ陽性となって隔離されるとか。
本当に、心身両面のストレスがもう半端ないです、お子さんに関しても。

岡田玲緒奈
450人中の1人でも、親御さんにとっては大事なわが子ですから、心身への影響もそうですし、「インフルエンザより少ない」と括っていいのか? と思っています。

この450人という数字だとかその比較は絶対数であって、そもそもコロナに感染した子どもが例年のインフルエンザに比べて少なかったからではないか? という疑問が湧いてくるかもしれません。

感染者数全体に対する死亡率の割合は、年にもよりますが、インフルエンザとコロナではそう変わりないですね。インフルエンザの死亡率は少し高い年もあるし低い年もありますが、そもそもパーセンテージとしては非常に低くて、同じぐらいということになっています。
また、子どもにとってインフルエンザが侮れない病気だということでもあります。

さて、日本では、コロナをインフルエンザと比較してなんてことないだとか、あんなものは風邪だっていう意見がまだまだ聞かれます。色々いいたいことがあるのはひとまず置いておいて、一つだけいうならば、社会生活に及ぼす影響を無視しすぎだと思うんですよね。

今朝のニュースに、大阪でコロナの患者さんの救急搬送の受け入れに1日半かかったとか、信じられないようなニュースがありました。ちょっと油断するというか、1年前だったら当たり前だった行動でも、世界の終わりのような事態を引き起こしてしまう感染症なんです。

インフルエンザの流行期でも、子どもたちは普通に学校に行っていますよね?
コロナでは、感染が伝播し、その相手が重症化するかもしれないといった面を考えると、そういうことができません。インフルエンザとはその頻度が全然違うわけです。記事でも、その影響も考慮しなくてはならないと述べられていました。

また、重症化や死亡率のことだけ考えても仕方がないという人もいるでしょう。今回のコロナウイルスの感染症に、“新型”と付いているのが示すところでもありますけれど、コロナ感染の長期的な影響はまだはっきりしていない。小児における long COVID の影響は、エビデンスとしてはっきりしないところもあります。
もちろん、重症化した子たちには影響が残ることもあると思いますが、そうでない子たちでも、大人のようになんらかの症状が残るものなのでしょうか?


【こびナビメンバーが語る「子どもの重症化」例】

池田早希
そうですね……私は主に重症の子を診ていますが、軽症の場合は何もないことが多いですね。

ただ、岡田先生がおっしゃっていた MIS-C、全身の炎症が起こってしまう病気というのは、最初は無症状だったり軽症だったり、むしろ感染していたことさえ気づかず、数週間後に炎症が起こって、一部は川崎病のような症状をきたしたり。
あとは心機能が低下してしまって、血圧を上げるお薬が必要になったり。
そのようにすごく重症化することもあるので、それも病態的には免疫が過剰に働いている状態だと考えられますので、ちょっと似てる部分もあるんじゃないかなと思いますね。

そして、そういう MIS-C になったお子さんでは、合併症があって、その後も苦しむお子さんもいます。例えば、合併症で足に血栓が出来てしまって、足が腐ってしまって切断しないといけなくなった症例などもありますね。

岡田玲緒奈
先生がよくおっしゃっている各所の血栓というのは、急性期のコロナ感染症自体によるものなんですか? それとも MIS-C の影響なんですか?

池田早希
私が診たことがあるものと、小児で報告されているものには、両方ありますね。

岡田玲緒奈
なるほど、ありがとうございます。

池田早希
子どもにおいては、大人よりもさらに、臨床像が多岐に渡るような感じがしますね、年齢にもよりますけれども。急性期に呼吸器、肺の症状があって、その時にはもう全身の炎症が起こってしまっていて、血栓が出来やすくなるというお子さんもいましたし、さっきの MIS-C というので血栓ができるお子さんもいましたね。

岡田玲緒奈
ありがとうございます。
日本の流行状況では、こうした方はまだかなり稀ということで……このままいって欲しいんですけれど、私としては勉強不足なところもあって、ありがたいです。

池田早希
でも、いまどんどん増えてますよね。

岡田玲緒奈
そうですね、さすがに増えてきていますし、 そろそろ勉強しなきゃなと思っているところです。

重要なこととしてこの記事の話は、大人がみんなワクチン接種している世界で子どもたちはどうしたらいいか? という前提なんです。これを前提条件として話をしているということは、アメリカではもう「大人はワクチン接種済」というのは当たり前の話なんですか?

安川康介
やっぱり、なるべく多くの大人が接種しようという動きがかなり盛んで、ほとんどの州で、16歳以上とかであれば接種できるような環境になってきています。
僕の周りの、非医療従事者の友人もけっこうも受けてますし、大人は両方接種し終えているけど、子どもだけ受けてないという家庭が増えてるので、こういう記事が出てきたのかなと思います。
もちろん、大人でも接種しないという人も2割とか、それぐらいはいるんじゃないかといわれていますけど。

岡田玲緒奈
ありがとうございます。
その辺りの感覚が日本の現状とは少し違って、この記事ではアメリカでの「大人がみんなワクチン接種を済ませたら」という前提があって、大人がみんなワクチン接種した世界では「子どもの生活上の制限も少しずつ解除してよい」という考え方が“アリ”だという意見を示しています。
この記事、前提条件を忘れて読むと、「子どもにとってコロナは取るに足らない、気にしすぎ」
と言っているように誤解されかねないのです。
さて、その前提条件とはなんでしょう。

そうこれは、大人がみなワクチン接種した世界で子どもはどうしたらよいかという話なのです。
ですから、そういう世界では、子どもの生活上の制限も少しずつ解除してよいという考え方が
「アリ」だという意見を示しているのですね。


今回、改めてこの感染症の難しさを思い知らされまして……世代間での影響の違いですね。あるいは個人の間でも影響が全然違うし、疾患自体だけではなく、先ほども救急車のお話をしましたけど社会的影響も大きいわけですね。
医療崩壊すれば、他の疾患の治療成績にも影響しますし、これは日本でももう起きていることです。
こういったことを無視して、単純にコロナの感染症のことだけをいっていては、この感染症に対する対応を見誤るのでは、と考えています。
記事の紹介としてはこんな感じなんですけど、皆さん、何かご意見ありますか?


【子どもへのワクチン接種、臨床試験の進捗】

池田早希
まあ、小児への接種もどんどん進んでいく予定ではありますけどね。
記事にもありますが、おそらく5月には FDA(アメリカ食品医薬品局)が12歳 から15歳までのファイザーのワクチンの接種を緊急使用許可すると考えられています。
それより下の年齢でも臨床試験が進んで、モデルナでもファイザーでも始まっています。うちの病院でも、ファイザーのワクチンで「投与量を決める」というスタディが来週から始まる予定になっています。

岡田玲緒奈
ありがとうございます。木下先生いかがですか?

木下喬弘
ワクチン接種のリスクとベネフィットは個人レベルと集団レベルの2つがあると考えるのが原則です。
ただ、個人レベルでのリスク・ベネフィットだけを議論しようとしても、感染症は結局集団の問題なので、集団のリスク・ベネフィットと完全に分けるのはけっこう難しいところもありますよね。

岡田玲緒奈
その通りですね。

木下喬弘
小児の重症化リスクが低いことは事実で、そうすると個人レベルでのワクチン接種のベネフィットって他の年代に比べると小さいですよね。
これに加えて、成人から打ち終わったイスラエルなどでほぼ感染が収束してるのを見ると、小児に打つことの個人・集団としてのベネフィットがどれだけあるか? ってけっこう難しい問題だとは思うんですよね。
最終的に定量化するのも難しくて、小児にも打ち終わらないと感染が終息しないのかどうかを、きっちりとしたデータとして示すのは難しいので。

それじゃあワクチン接種のリスクってなんなのかというと、注射が痛いということと、接種の次の日ぐらいに副反応が出ることと、アナフィラキシーがあるというリスク。これらは定量化が難しい、非常に軽微なリスクですから、それでも打ったほうがいいのか? というのは非常に難しい、科学的に答えを出すというのは非常に難しいなと、僕は思ってます。

岡田玲緒奈
子どもたちへの接種も進められているわけですが、大前提として、やっぱり大人の側がしっかりワクチンを打つことで、子どもへの感染が防がれるというのもあるかもしれませんし、子どものそういった制限を解除していける、そのスタート地点にもなっていくのかなと思います。まだ打てない年代のためにも、大人たちが接種を進めていくのが正しいのかな、と私としては思っています。

他、何かありますか

前田陽平先生
ちょっといいですか? あの☆…□◎…△…$☆…

木下喬弘
先生、風でほぼ聞こえないっす(笑)

前田陽平先生
あ、ごめんなさい!(笑)
日本で、どのくらいの人が接種する見込みだとか、そういうのって今分かっているんですかね?

岡田玲緒奈
これはどの年代かとか、調査にもよるんですけども……(こびナビの)代表が持ってきた数字では8割、とくに高齢者では8割という話もあるようです。

前田陽平先生
なるほど。

岡田玲緒奈
あと、日本では中間層が厚くて……「様子を見て打つ」って、どこまで様子を見れば納得するのかというところではあるんですが。「みんなが打ったら」って、どこまでが“みんな”なんだ? とか、調査によって、この層が3割4割に達しちゃうので読めないところはありますね。

前田陽平先生
ああ、なるほど……ありがとうございます。


【自身が「感染元にならない」ためのワクチン接種】

黑川友哉
ちょっといいですか?
これ、子どもの中での伝播の速度とか伝播しやすさというのは?
今のところ、大人よりも(感染者が)少ないとか、重症化しにくいってことは知られてると思うんですけど、伝播については今のところ何も分かっていないという認識で正しいですか?

岡田玲緒奈
いや、一応ですね、子ども間の伝播は、少なくとも日本の小児科学会が出しているデータ的には少なそうだという話になってるんですけど。
アメリカの状況ではどうですか、池田先生。

池田早希
家庭内の追跡調査などでは、子ども間よりも、大人から子どもが多いというのが分かっています。
また、子どもが実際に感染してるのかどうか、無症状感染を含めた感染をしているかというのは、例えばミシシッピ州で、健康診断とか他の理由で採血して残っていた血清で SARS-CoV-2 に対する抗体の陽性率を調べてみたら、ピーク時には大人の若い人と割合が変わらなかったというようなデータもあって、実際はうつっていた可能性もあります。

黑川友哉
子どもの血清でコロナの感染歴があったらしいを確認したっていうことは、やはり、子どもの間でも感染の伝播というのは、大人とまあ同等っていう風に見るべきなのかなと思ってるんですよね。
そう考えると、子どもの間で病気をうつし合うってコロナに限らずよくあることだと思うんですけど、そうやってる間にまた変異ウイルスとか変わった変異が出てくるリスクもあるのかな? と思っていて。だから子どもでも、できるだけ早くワクチン接種が出来るようになるといいなあ、と思いながら聞きました。

岡田玲緒奈
その通りですね。
池田先生がおっしゃる通りで、重症化や死亡などを無視できないところもそうですけど、診断の難しいものをワクチンで防げるなら防いで欲しいというのが、まだまだ修業中の小児科医である僕の正直な考えです。

池田早希
予防に勝るものはないですよね。
あとは、少ないとはいえ「ブレイクスルーの Infection(感染)」。昨日、峰先生がおっしゃっていたように、大人がワクチンを打っていても感染してしまうこともありますし、家庭に最初に持ち込んできたのが子どもというパターンもあります。無視してはいけない人たちだと思いますね。

例えば、私が外来で診ている患者さんで、お子さんたちは普通に元気なんですけど、お話を聞いてみたら、家族全員が2か月前にコロナウイルスにかかったと言っていて。お子さんの方が先に熱とかの風邪の症状があって、そのあとお母さんが感染して、お母さんは妊婦さんで重症化リスクが上がりますので、重症化して集中治療室で10日間ぐらい入院しないといけなかったっていうお話とかも聞いています。

家庭内での感染で、子どもから大人は少ないとはいえ、やっぱり濃厚に接しているとあり得ますので、お子さんも安全にワクチンを打てると臨床試験で確認されるのであれば、しっかり接種していくことは大事……

岡田玲緒奈
ミュートボタンを押して話を切るのが毎回早いんですよね、池田先生(笑)

黑川友哉
わざとやってるんですか?(笑)

池田早希
わざとじゃな〜い!(笑)

岡田玲緒奈
研修医でたまにいますよね、PHS を切るのがめちゃくちゃ早いひと(笑)

リスクを考える場合に、峰先生もおっしゃってたかと思うんですけど、単純に感染自体の本人に及ぼすリスクだけではなくて、感染症なのでやはり、他の人にうつしてその人が重症化した時など、感染元になった人の心的ストレスといったところも重要な要素なのかな、と思っています。

今回は「自分がかかっているかどうか分からない」という状況がありえて、さらにそれでうつしてしまうという、他の感染症と比較しても特殊な性質があります。そういう特徴を考えても、お子さんのワクチン接種も進めていくのがいいのかな、と私としても思っています。
池田先生、何かありますか ?

池田早希
おそらく安川先生の方がもっとそういうパターンはあったと思うんですけど、自分の診ていた重症化した小児患者の親御さんが病室で、「自分が子どもにコロナウイルスをうつしてしまったんですよね?全て自分のせいだ…」みたいな感じで、すごく自分を責めて泣いている姿を見たことがあって。

本当に、皆がワクチン接種して、お互いにうつさないことが大事。
そして、本当にコロナウイルスは感染力が強くて、知らず知らずのうちに感染してしまうこともありますので、もしうつしたとしても、最初の人を責めることは絶対してはいけないことですよね。

岡田玲緒奈
そうですね、周りはそういったことに留意する必要がありますね。
安川先生、何かありますか?

安川康介
家庭内の感染はよく診るんですけれども、家庭の中に入ってきたら、同じ空間で長い時間生活してるので、その中で感染を予防するっていうのはすごく難しいと思うんですよね。
なので、まず家庭内に持ち込まないように、外でしっかり感染予防するってことが本当に重要だと思います。

僕も、息子さんが感染して、お母さんに感染してしまって、お母さんが亡くなってしまった例ですとか、同じような例をたくさん見てきてますので……もう本当にこれは辛いですね。
本当に、後悔してもしきれないような状況になると思うので、私たちの出来る予防としては、ワクチンがあれば大人は打つと。でも、若い大人の人、日本の調査だと「打ちたくない」という方がけっこう多いと思うんですけれども、子どもを持ってる方は「子どもにうつさないため」にも、接種を検討するのが大切なんじゃないかなと思います。

イスラエルとか見てると大人はだいぶ受けていて、子どもはもしかしたら要らないんじゃないかというようなデータも少しあるので、本当に、大人が受ければ受けるだけ子どもたちへの負担が減る、社会での負担が減るような気がします。日本でもワクチンの接種を、まず大人に進めていくことが重要だと思います。

岡田玲緒奈
ありがとうございます。
素晴らしいまとめをしていただいたと思いますが、静かな峰先生、何かありますか?

峰宗太郎
とくに追加することはなく、真面目に聞いておりますよ👶

岡田玲緒奈
わはは(笑)
それでは皆さんよい1日を! ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?