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レコードの良さとは結局何なのか?※追記アリ

手元にあるレコードを再生するために、レコードプレーヤーを購入した。それ以来毎日、かたっぱしからアナログ盤を掃除して聴く日々を過ごしている。手元にあるのはビートルズとか、ジャズのビリー・ハーパー、ジミー・ヒース、ボビー・ハッチャーソン、ナット・キング・コールのオールディーズ名盤的なやつなどなど、ほとんどが聴いたことないものばかり。

レコードから流れる音は、昔テレビを通じて聞いたような、ぼんやりした音。バチバチとノイズが鳴ったりして「ああ、ほんとにこの音鳴るんだ」と思った。自分にはレコードの原体験がないから、「この感じ、なつかしい!」とはならない。正直なところ、何がいいのかわからない。

曲そのものの良さはともかく、レコードであることの良さって一体何だろう?聴いてわからないなら、知識として知っておきたい。良さのポイントを知っていれば、気づくことがあるかもしれない。もしくは知識として良さを知っていることで、何となくそんな風に聞こえるようになるかもしれない。センスや判断力のない人間にとって、うんちくは権威なのだ。

そういうわけで、レコードの良さをネットで調べてみた。レコードって一体何がいいの?


結局、「アナログレコード」が良いに決まっているのだ | ダ・ヴィンチニュース

こちらでは、まず「わざわざ聴く良さ」について書かれている。現代において音楽は、配信アプリで手軽に聞ける。にもかかわらず、わざわざ手間をかけてレコードを聴くという行為は、同じ音楽を聴く行為であるにしても全く別の体験であり、レコードをかけるという行為そのものを体験として楽しむ人たちがレコードをかけている。

音質については、レコードはCDや配信に比べて単純にデータ量が多いらしい。ハイレゾさえレコードの容量に追いついていないとか。

データ量はともかく、レコードをかけるという行為そのものを楽しむことは、効率や機能性を無視したある種の様式美みたいなものか。茶道とかと似たような感じ?

【音にこだわるなら知っておきたい!】レコードとCDの音質の違い | 1/f揺らぎ

こちらではレコードの音質についての解説でよく聞く、周波数の話が紹介されている。レコードにはCDでカットされている音まで記録されているから、聞こえる人にとっては音がいいという話。先ほどのデータ量が多いというのも、単純に記録されている音の量が多いということだろう。

あとはレコードの場合、音が再生されるまでに通過する箇所が多いため、再生環境の良し悪しに影響されやすい。本来のパフォーマンスが発揮できるかどうかは、機材や環境によって大きく違ってくるとか。

耳のいい人や、音楽聴き慣れている人だったら違いがわかるのかな?聴き込んでいくことで、アナログ盤の音の良さがもっとわかるようになるのかもしれない。

【CDとレコードの音質の違い】甲本ヒロトがレコードを勧める理由 | JUKELOG

一個上の記事でも少し触れられていたけれど、ブルーハーツの甲本ヒロトはアナログ好きだそうだ。理由は単に「そっちのほうが感動するから」。そしてCDの音があまり好きじゃないようだ。その違いだったり感動を、アーティストらしい言葉で語っている。理屈ではなく、感じるものが違う。

レコードの良さについて、ブルーハーツファンならこれだけで納得するところあるだろうな。そうでなくても、甲本ヒロトの感性から出てくる言葉がかなり力強い。

温かみとライブ感 レコードの魅力、若い世代にも響く|エンタメ!|NIKKEI STYLE

打って変わって、こちらはけっこう具体的な話。レコードとCDの音の違いは、臨場感だとか。その他にも、先ほどから触れられているカットした音の領域について、さらに踏み込んでいた。

音の良さは感覚だけではないんです。古いCDは人が聞こえる20キロヘルツ以上の超高周波をカットしている。この部分の音がないことが聞こえる音にも影響を与えるとわかってきた。原音のまま刻むアナログレコードが自然な音に聞こえるのは当然

で、結局何がどう違うの!ともう少し踏み込んでほしいところだけど、多分その説明を聞いてもわからないんだろうな。他には音以外に、レコードジャケットの良さについても触れられていた。

レコードエンジニアが語るアナログの魅力 | デザインシリーズ | Denon公式

アナログには独特のあたたかさやふくよかさがあるとよく言われますが、数値的に測定できるようなものなのでしょうか。
田林:測定しても出ないでしょうね。数値では表現できない感性的な領域になると思います。もし数値で分かればデジタル音源の音もレコードのように変えることができるはずですから。データには現れない部分にレコードの魅力があるのだと思います。

なんと!俺の疑問を全て無に帰すような言葉!それ以外にハイレゾがアナログの音を目指していることについて、技術的な話が詳しく書かれていた。レコードにある臨場感の正体は、音域がカットされていない分生音に近いため、その場で演奏を聞いている体験に近いとか。

レコード派オーディオマニアの深~い世界を聞いてみた | i-dio 新放送サービス

こちらはオマケ。オーディオマニア姿勢についてアンケート調査を行った結果。レコードはコレクションとしての側面も強く、また金かければかけるほど音も良くなる、よくある趣味の側面も強いといったところ。

レコードの良さについて、なんとなくぼんやりと

技術的な話も、趣味としての楽しみの部分も、レコードの良さがわかってきた気がする、のではないかな?自分が良いと思うかどうかは別にして、そういう世界があるんだなってことは、なんとなく把握できた。

音質面で言えば、レコードはデジタル変換されていない波形をそのまま再生しているため、音の角がなく滑らかで、まるで演奏や歌声をその場で聞いているかのような、臨場感を覚える。同時に再生環境に影響を受けやすく、チープな環境ではうまく再現されない。デジタルにはないノイズも出やすい。

レコードはフィルムカメラ

これはデジカメとフィルムカメラの違いに非常に近い。デジカメはクリアでパキッとした画が撮れるけれど、臨場感や再現度といった雰囲気ではフィルムに及ばないという話。

趣味としての楽しみの部分についても、フィルムカメラは撮って現像するという行為そのものに様式美を見出しているところがあり、これはまさにレコードの再生に通じる。金かければかけるほど良くなる点なんてまさにそう。スピーカーやカートリッジは、カメラで言うところのレンズにあたる。

もっと言えば、電子書籍のほうが便利だけど紙の本のほうが好きという話にも似ている。さらに言えばボードゲームとコンピューターゲームの違いみたいなものか。例えだすとキリがない。何か自分の趣味にも当てはまる、同様の事象があるはずだ、きっと。

アナログ派?デジタル派?いえ、両方です

わざわざレコードで音楽を聴くという行為は、フィルムカメラで写真を撮ったり、紙の本を読む行為に近い。時間をかけ、手間をかけ、体験そのものを味わい楽しむ行為である。紙の本に、電子書籍にない味わいがあるとしたら、レコードだってデジタル音源にない味わいがあるはずだ。

僕は今までそれを知らなかったし、触れた今でもよくわからないが「レコードの良さのとらえ方」は今回なんとなくわかった。だからこれからは、レコードの良さについてもう少し知ったかぶりできるだろう。

デジタルの良さ、利便性について僕らは重々承知している。同時にアナログ独特の良さも、媒体によっては既に知っていた。そういう場合に僕は、なるべく両方を楽しむようにしている。便利なデジタル、楽しいアナログ。片方だけで済ますよりも、楽しみの幅がより広がる。

もし興味が湧いたら、一度アナログ盤を買っていきませんか?僕みたいによく知らない曲でも、一度所有して聴いてみるといいかもしれません。

※追記:レコードは音がいいわけではない説(2020/11/3)

レコードはデジタルでカットされている音を含むから音がいい、みたいな話がありましたが、全くのデタラメだという説がありました。気になる人はチェックしてみてください。

かなり専門的な内容なので細かいところはわかりませんでしたが、多分こんな内容だろうと要約すると、

デジタル(CD)の方が元の音に近く、レコードは再生に至るまでの過程で歪み・ノイズが音に付加される。その歪みやノイズを、「音の厚み」と言ったりして好みの音ととらえる人が、「レコードのほうが音がいい説」の発祥だと言われているようです。

最近、過去のものではない新譜のレコードを買うようになって、デジタルで録音された音源を、わざわざアナログで聞く意味はあるのかとずっと疑問に思っていました。しかし音源の録音環境に関わらず、レコードで再生することによって歪み・ノイズが付加されるのであれば、デジタルの音をレコードで聞く意味はあるんだなと思うようになりました。

結局はレコードが優れているか、CDが優れているかではなく、どっち音が好きかという個人的な好みに落ち着くようです。

※追記2:この話の決定盤みたいな記事があった(2023/11/7)

過去の記事だけど、全然知らなかった。最近知ったので貼っておきます。かなり長いけど、専門的で確信をついていた。ちゃんと理解したい人はここだけ読んでおいたらいいと思います。

現在もしくは過去に「本とかの店」で取り扱っていたレコードを紹介しています。

レコードプレーヤーの購入については、最近買った僕の体験も参考になると思います。

その他、レコードにまつわる日記など。

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