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私的、レコードの遊び方

「レコードなんてハードル高い。ただでさえ音楽のことよくわかってないのに…」

そう思っていた。レコードを難しく考えていた。でも今はほぼ毎日レコードで遊んでいる。「音楽を鑑賞する」というより、「レコードで遊んでいる」が近い。音楽好き・レコード好きに知られたら怒られるかもしれないけれど、一体どうやって遊んでいるか。

1.聴いて遊ぶ

音楽の良し悪しなんて全然わからない。好き嫌いもせいぜいミーハーな領域。でも僕がここで言う「聴いて遊ぶ」は、いい音楽を鑑賞するとかそういうことじゃない。僕の遊び半分な音楽の聴き方は、とにかく「よくわからないレコードを聴く」こと。いわゆるジャケ買い。

例えばこれ

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ジャケットだけ見て何が入っているのか気になりませんか?一体どんな曲がかかるのか。実際かけてみたところ、ゴリゴリのジャズでした。


次に、こちらはどうだろう。

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お手本のようなブリットポップでした。


例えば、石原軍団の舘ひろしをご存知ですか?その昔「危ない刑事」なんかに出ていた。彼は昔、COOLSというバンドでボーカルやってたそうです。そのジャケットがこれ

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全然知らなかった…舘ひろしの歌声なんて、それもこんなイケイケロックバンドの姿なんて、レコードを見かけなかったら一生知り得なかっただろう。いや、そんなのどうでもいいんですけど、だからこそ遊びなんです。

他にこういうレコードがある。

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ジャケットを見てわかるとおり、スターウォーズだ。スターウォーズの映画サントラかな?と思いきや、聞いてみて驚いた。

こちら、スターウォーズの物語をなぞったドラマレコードだった。全部日本語だから、非常にニッチな層に向けて作ったものだと思われる。当時まだVHSもレーザーディスクもなかった時代、音声でもスターウォーズを体験したい人に、でもオリジナルの英語を聞いてもわからないから日本語で、という経緯で誕生したのかどうかは謎のまま…。

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こちらはナット・キング・コールのレコードです。プリテンドやモナリザなど知っている曲も多い。しかしこのレコードを聴いていて驚いた。この人なんと、日本語で歌っていた。

この曲は日本語だけでなく6ヶ国語で歌われたそうです。なぜそのような試みが…。レコードで聴くまで全く知らなかった。レコード内ではLOVEだけでなく、枯葉も日本語で歌っています。

レコードを聴く楽しみとは、単純に曲が良いとかとは別の、このような発見の楽しみでもある。本とかの店では、全部のレコードが試聴できます。

音楽的に楽しむことだってもちろん可能だ。レコードはよく、デジタル音源のCDより音質が良いと言われている。もっと言えばハイレゾよりさらに良いらしい。しかし実際のところ音の良し悪しなんて、素人が聞いてもよくわからない。単体で聞いたところでは、CD音源なのかレコード音源なのかさえ区別つかない。だったら一度、聴き比べてみよう!CDで持っている曲のレコードをあえて購入して、交互にかけて聴き比べるのだ。

本とかの店にはこちらのCDがある。

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この一曲目と同じ曲が、Soulというオムニバスのレコードに入っており、ちょうどよいと思って聴き比べてみた。

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CD音源はクリアでありながら、どことなく角があるような気がする。それに比べてレコードの音源には丸みがあり、響き方が違うような。こういうのはいくら言葉で説明してもよくわからないため、実際にやってみてください!レコードの音質については、以前にまとめたノートがあります。

2.レコードプレーヤーを買って遊ぶ

発見の楽しみ、聴き比べの楽しみがわかったところで、さあ、レコードを買いに出かけよう!その前に、レコードプレーヤーはお持ちですか?本体を持っていないことには何も始まらない。最初にして最大の難関。レコードプレーヤーを買うところから僕の遊びは始まった。プレーヤーを買うのも遊びでした。

AppleMusicやSpotifyといった配信サービスで音楽を聴くことが主流になった昨今でも、レコードプレーヤーは新製品が出ている。いわば現役の音楽再生機器だ。余談だがカセットテープの再生機器だって新しい製品が存在するらしい。

最近のレコードプレーヤーは、入門用としてスピーカーなどがくっついたそのまま聞けるセットが売れているようだ。確かにそのあたりは一番手を出しやすい。京都だとJEUGIAなどで売っている。

Bluetoothのワイヤレススピーカー対応製品もたくさんある。部屋に置いてあっても画になりそうだ。

レコードプレーヤーの値段はピンきりで、安いのだと1万以下、高いのは10万を超える。僕が買ったのは中古で5,000円。40年前の製品であり、当時は7万円近くしたらしい。僕がレコードプレーヤー買うまでの経緯はこちら。

レコードプレーヤー単体で買うなら、フォノイコライザー、アンプ、スピーカーに繋がなければレコードは聞けない。自宅にCDプレーヤーなどがあれば、アンプ・スピーカー代わりに使用できる。あとは別途フォノイコライザーを買って繋ぐだけ。

元からスピーカーが付いているタイプは、全部セットになっている。音にこだわりたければ別々に製品を買う、とりあえず再生できればいいならセットの製品を買う等、自分の好みに合うものを選べばいいだろう。

3.レコードを買って遊ぶ

聴く遊び方についてなんとなくわかり、プレーヤーを手に入れたら、ようやく新たな発見に出会うべく、レコードを買ってみよう。中古レコードは安いものが多く、1,000円以下も結構ある。特に往年の名盤といった発売当時にたくさんの数が出たものほど、希少価値が低く価格は下がっている。

京都にはレコード店がたくさんあるので、買い物のついでになんとなく出向いてみよう。

レコード屋に入ってレコードをがさがさ漁っても、結局どれを買えばいいのかわからない。だからなんとなく雰囲気で良さそうなのを買ってみればいい。ディグってそういうもんじゃないか。安いのをてきとうに買えばいい。失敗なんてない。

本とかの店では一応全部試聴できます。聴いてから考えてもいいよ。なんなら僕がてきとうに選んで押し売りします。

4.メンテナンスをして遊ぶ

レコードを聴いてみて、うまく再生されない事例としてよくあるのが音飛び。「不良品掴まされた!」などと怒り狂ったり、落ち込むことなかれ。メンテナンスをすれば音飛びがなくなるかもしれない。

僕の場合、プレーヤーの針圧調整でほとんどの音飛びはなくなった(針飛びと言われる)。 針圧調整という体験そのものが遊び。僕はYouTubeを見ながら挑戦した。

針圧調整が終わったら、レコード針のメンテナンスをしよう。レコード針のメンテナンスは専用のクリーナーを買って、針を撫でるだけ。レコード針のクリーニングという遊び。クリーナーは700円。

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レコード盤もきれいにしてあげよう。村上春樹もラジオで「レコードは磨けば磨くほど音が良くなってかわいい」と言っていた。レコードは専用のクリーニングスプレーやブラシがある。本当はそれを使うのが一番いい。でもお金がかかるため、僕は水の激落ちくんでレコードを磨いている。布はメガネ拭きなどで使われる布。

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音は確かに良くなる。ノイズが少なくなる。やりがいを感じ、ついにはレコード盤磨きという遊びに昇華した。

5.機材を繋いで遊ぶ

追加で機材を繋ぐという遊びもある。僕は友人にミキサーをもらったので、繋いでみた。

ミキサーはその名の通り2台のターンテーブルを繋いでミックスするための機材だけど、単体で繋いでもできることがある。フォノイコライザーとして使用したり、音域ごとに音量を調節したり。音量を上げるとキーン音があったので、高音領域を下げたら気にならなくなった。

6.レコードを売って遊ぶ

レコードを買っていくうちに、やけに高いレコードに巡り会う。なんでこんなに高いんだろう?よくわからない。そして、コレクションが増えていくうちに、やけに高いレコードを自分が所有していることに気づく。1000円ぐらいで買ったのに、市場価格を調べてみたら1万円以上で出回っているとか。それもう、売ってしまっていいだろ。

掘り出し物を所有しておくのもコレクションとしての遊びだが、売ってお金に変えるという遊び方もある。レコード一山いくらといったまとめ買いをした場合、数枚売るだけで原価の元が取れることは珍しくない。こういうことを仕事としてやり続けている人は、レコードディーラーと呼ぶそうだ。

レコードを触り始めてまだ2ヶ月足らず。こんな遊び方をしている。これからも気軽に、遊び感覚でレコードに触れていきたい。もしレコードに興味が湧いたら、本とかの店でも触れてみてください。


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