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ケビン・ラブ「どうすりゃいいんだ・・・」

本拠地、ロケット・モーゲージ・フィールドハウスで迎えたニックス戦
インサイドから大量失点、バックコートも勢いを見せず惨敗だった。
スタジアムに響くファンのため息、どこからか聞こえる「今年はタンクだな」の声
無言で帰り始める選手達の中、15−16シーズン優勝を知るケビン・ラブは独りベンチで泣いていた。
‘16ファイナルで手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できるチームメイト・・・
それを今のキャバリアーズで得ることは殆ど不可能と言ってよかった。
「どうすりゃいいんだ・・・」ラブは悔し涙を流し続けた。
どれくらい経ったろうか、ラブははっと目覚めた。
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した。
「やれやれ、帰ってトレーニングをしなくちゃな」ラブは苦笑しながら呟いた。
立ち上がって伸びをした時、ラブはふと気付いた。

「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
ロッカールームから飛び出したラブが目にしたのは、2階席まで埋めつくさんばかりの観客だった。
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのように歓声が響いていた。
どういうことか分からずに呆然とするラブの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「ケビン、スタメン発表だ、早く行くぞ」声の方に振り返ったラブは目を疑った。
「レ・・・レブロン?」 「なんだラブ、居眠りでもしてたのか?」
「カイリー・・・?どうしてコートに・・・」 「なんだラブ、かってにカイリーを欠場させやがって」
「トリスタン・・・」  ラブは半分パニックになりながらモニターを見上げた。

PG:Kylie IRVING
SG:Iman Shumpert
SF:LeBron JAMES
PF:Kevin LOVE
C:Tristan Thompson

暫時、唖然としていたラブだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった。
「勝てる・・・勝てるんだ!」
JRスミスからゲータレードを受け取り、コートへ全力疾走するラブ、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、ベンチで冷たくなっているラブが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った


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