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【音楽×珈琲 鑑賞録】3月20日~リヒャルト・シュトラウス オペラ『影のない女』

音楽観を鍛える鑑賞録。
珈琲録はお休みです。
3月20日のテーマは、【ジャンル】

とりあげる作品は、
リヒャルト・シュトラウス /
オペラ『影のない女』

です。

リヒャルト・ゲオルク・シュトラウス
Richard Georg Strauss
1864年6月11日 - 1949年9月8日
ドイツの後期ロマン派を代表する作曲家、指揮者。

3月13日以来という短いスパンでとりあげられています、シュトラウス。
この作品も、フーゴ・フォン・ホフマンスタールが台本を手がけています。それだけオペラにおいて重要なコンビ作品だということでしょう。

『影のない女』(ドイツ語:Die Frau ohne Schatten )作品65は、全3幕で、約3時間20分を要する大作。
「メルヘン・オペラ」を代表するといわれています。
メルヘンオペラは特にドイツのロマン主義のポピュラーなジャンルで、モーツァルトの『魔笛』がこのジャンルのモデルになったそうです。

わたし個人としては、「メルヘン」とは久しく縁遠くなってしまった気がします。
この「影のない女」でも要諦は、道徳心を養うことにある気がするなか、ロマンや幻想、ふわふわしたパステルカラーな世界観を濁った眼で見ている自分がいました。
このオペラで見受けられるのは、大人のメルヘン世界ですが、その世界観を楽しむというより、読み解くというような感慨になる。ひいては、没頭する感覚を失っている自分に気づいてしまいました。
ドーパミンによる没頭感と使命としての没頭感、意義はベツモノ。
でも、駆動するための導入としては同じ回路を使うものです。

ワクワクから始まったものが、やがてこだわりになり、意匠になる。
この過程において、ワクワクが薄れ、楽しくもなくなり、なぜやっているのかを問いただす。その問いに応えられなければ減退してしまう。

「使命」を果たし続けていくには、「貢献性」と「神性」が必要なのです。
それが、わたしの内側には、いたはずの「神」がいつの間にか去っていた。
ワクワクすることはあれど、あっという間に消費され、また新たな渇望を抱く。
このサイクルに陥ってしまえば、上積みだけを掬いあげる湯葉みたいなもので、美味しいけれど儚い。人生の実とは、煮えたぎる釜のなかに濃厚に詰まっているというのに、それをかっさらえない。

いつまで影のない人生を歩もうというのか。
ディスラプトした文章をつらつら書き連ねた先に思う、光を浴びたいということ。
その光がくっきりとした影を残すよう、考えて実行していこう。

まだ、答えはない。けれど応えていく気概の発露をこれからも続けていきます。

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