見出し画像

【食×本 読書録】"フードテック革命"

「食」と「健康」の常識を、自ら変えよ!

日本発のフードイノベーションを巻き起こす初のビジネス書。

食文化を読み解き、言葉を綴る食作家を目指し、
智慧を育む本との出会い、読解をしたためます。

今回は、
田中宏隆、岡田亜希子、瀬川明秀 著 / 外村仁 監修 / 
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義
です。

この本は、2020年の最先端フードテックを紹介しながら、
「世界に冠たる日本と成ろう!」
という壮大かつ野心と情熱に満ちた意欲作です。
フードビジネスに携わる自分としては、新技術の学びもさることながら、
日本の食文化を盛り上げるために、なにができるかという思いが湧きたちました。
情熱に感化され、わたしなりに考えたことを述べます。

"モメンタム"をつくろう

この本の冒頭、
「日本のフードテックは、iPhone前夜である」と危機感をあらわにし、このままでは食産業も衰退産業になる。そうならないための"日本発フードテックイノベーション"を標榜します。
そして、世界のフードテック、フードビジネスの現状を経て、
「日本よ、どうする!?」と問いかけてくる。

いや、むずい。

けど泣きごと言っても始まらないので、言うだけ言ってみる。

わたしは、
「"ヴァーティカル・ファーミング"、垂直農業の推進」
を提案したい。

国民一人一人がビジネスを「いっちょかみ」できるものがドライバになると思っています。
農業の未来であるヴァーティカル・ファーミングを「手がけられる」ようにすること。まずは、”自分ごと化"することが大切ではないでしょうか。

遠くない未来には、
イオンなどのスーパーや百貨店などで、生花店さながらに野菜をその場で栽培したものがディスプレイされ、販売することが予見されています。
ヴァーティカル・ファーミングのスタートアップであるインファームが手がける野菜が、近々で紀伊国屋、サミットストアで販売開始されるようです。

これがさらに発展すれば、自宅の一室で栽培することも可能でしょう。
規模は人それぞれですし、権利や安全性など課題はあるでしょうが、販売の導線が簡便になれば誰もが副業にすることができて、正しく生業になるかもしれません。

農耕民族である日本人にとって、農業は馴染みやすいものです。
そして、「それをビジネスにしてもいいんだよ。」と後押しして、でかい規模の"モメンタム"を生じさせる。

日本の未来に期待を抱くための起爆剤が必要で、はずみ車の契機をつくる。
かんたんなことではありませんが、ビジネスが高度になった世界において、"自分にもできることがあるんだ"という思いが持てる仕組みづくりは大切です。

そんなことを思えた小話をひとつさせてください。
わたしが働く地域でも、「気候非常事態宣言」を行い、環境配慮のため、「生ごみリサイクル」を開始しました。
正味、財政的な問題でありましょうが、ともかくゴミの分別がさらに厳しくなり、問題解決のため職場にて執った方策が「生ごみ処理機」の導入です。

↑上記のものを使用していませんが、現在だとこれが最新?

この生ごみ処理機、意外や使える!
乾燥するまでに時間はかかるし、電気代もえらくかかりそうですが、処理に困っていた生ごみが堆肥になります
堆肥は地域の畑に利用できるので喜ばれています。

最初、お上に告げられた方策にブーブーでしたが、テックの導入でなんだか良いことをしているようなきもちになり、環境配慮にも関心を持つようになったというお話です。

要するに、
「一気呵成に課題を叩きつけて、道具を渡して、戦わせろ」
ということを言いたい。

代替プロテイン、キッチンOS、フードロボットなどインパクトが大きいものの発展を推進するのは大切ですが、誰もができるとは思えない。
天空の城で戦いを繰り広げられても、地上界は疎外感と失望で荒れた大地のままです。地上界でも「課題」は同じです。あとは「技術」と「デザイン」です。
意志薄弱なところに、テックをぶち込み、叩き起こす。
これができるのは、「食」産業なのではないでしょうか。
この本で紹介されているテックは、そのどれもが期待をもてるものです。
あとは、この現状を変えるためにどう動くかでしょう。

"Food matters to anyone(食はあらゆる人にとって大切なこと)"
個々でもチームでもやれることは無限にあります。
日本のリベンジ、いや今年は「1000倍返し」か。
この契機はフードビジネスの隆盛から始めましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?