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【音楽×本 鑑賞録】"366日の西洋音楽" 1月21日~ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト オペラ『魔笛』

音楽観を鍛える鑑賞録。
1月21日 本日のテーマは、
【謎】いわくつきの曲、表には出ていない曲に込められた真の意図など、いまだ解き明かされていない名曲に潜む謎に迫ります。
とりあげる作品は、
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト /
オペラ『魔笛』
です。

いますぐ聴きたくなる! 1日1ページでわかるクラシック音楽の魅力
1週間で7テーマ! 1年で「クラシック音楽」の虜になる!
本書には、いまでも多くの人に愛好されているクラシック音楽の名曲の数々を、より深く楽しむための知識や情報を盛り込みました。366の名曲を、「音楽史」「主題」「ジャンル」「逸話」「作曲・演奏」「周辺」「謎」といった7つの共通テーマで考察・解析・推理・解説します。

ついにモーツァルト。
それが生涯最後の楽曲からの紹介とは。
このオペラ『魔笛』は、1791年に作曲。興行主であり俳優・歌手のエマヌエル・シカネーダーが台本を手がけています。
この2人はともに"フリーメイソン"で、この楽曲はそのシンボルや教義など、さまざまな部分でそれらしき特徴を示唆しているようです。
フリーメイソンはとくに槍玉にあがりがちですが、闇の秘密結社というのは、都市伝説好きからすれば興味深いものではあります。
まぁそれはさておき、この大人気オペラのメインディッシュである、"夜の女王のアリア"、「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」は、最高に聴きごたえがありますね。
この歌唱、"コロラトゥーラ"という「どこで声出してんのよ?」という感じの天性の才能と技法がすさまじい。
この歌唱を発揮させるメロディは、モーツァルトの嫁の姉、ヨゼーファ・ホーファーが高い声域を持っていたため、曲に取り入れたとあります。
こっちのほうが謎ともいえそうだし、人間の声域の限界ギリギリを超えるようなアスリート感があって、またもや「スゴいね♡人体」とか言いたくなります。
さらに歌詞が、「お前はもう私の娘じゃない!」と勘当と怨嗟をぶちかます歌で、そこに超高音のコロラトゥーラがさしはさまれのだから、もうゴージャス!
まさにオペラ最高峰のエンターティンメントといえましょう。

モーツァルトの伝説をさまざま垣間見れば、
「高音?フリーメイソン?そんなの関係ねぇ!!」
と言わしめんばかりの狂気じみた音楽への愛があります。
まさに純粋な音楽家です。
モーツァルトの流麗な音楽を聴くと、
「この美しい音楽のために、諸君、狂いたまえ!」
と暗喩で言われているような感慨を覚えてしまいますね。

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