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名曲ベスト100を観てこれからのアートを考える

日本の名曲を特集する番組が今日もテレビ東京で放送されていました。

音楽理論で"名曲の方程式"みたいなことは言えそうですが、
いま現在で、ストレートに胸を打つ楽曲が現れてこないのは、「正解の過剰」が原因なんじゃないだろうか?と思いながら懐かしの映像を見ていました。

現代の多くのアーティストが「意味がある音楽」を奏でようと切磋琢磨して、アート的作品を手がけている。
かたや、かつての有名アーティストの映像を見ていると、奇妙な世界観が形成されている。
なかでも気になった部分を少し。

いろんなシチュエーションを映しているこの動画で確認しているのだけれど、
寺尾聰さんは"ルビーの指環"をなぜ12弦ギターで弾いているのだろう?
調べたらどうやらIbanezのAR112AVというギターらしい。
JC(120)だけがポツンとある。
この動画を見るとだいたいアテフリだけど、弾き心地を気にしていたりする。
シーンが変わり、普通のダブルカッタウェイになったりストラトになったり、
パンダと歌っていたり、たくさんの自画像と歌っていたり。

同じ曲なのに頭を抱えてしまうほど謎に満ちた世界観が展開されています。
たぶん、この当時は「音楽の正解は分かる。けど他はよくわからない。自分はこうだと思う」を強く主張していた。このアンビバレンツにアートの素地を感じるのかもしれません。

翻って、現代はほぼ「正解」が判明しています。
ファッションにおいても、映像美においても、表現においても。
全く揶揄するものではないですが、情報や知見が統合された、最適解のAI的アートが現代に表出しています。
トッププレイヤーは知った上で、あえてはずすことでアートに仕立てる。多くの気鋭のアーティストは、「これは凄い!」と思うことばっかりですが、「これは、やばい・・・」とドキドキしてしまうようなものにはなかなか出逢えません。

昔は良かったとは思いませんが、昔に負けないくらい良い狂気があるアートを見つけていきたいと思いました。

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serialization days: 78
sleeping time: 22:13-6:09 / score: 79
coffee: MARUYAMA COFFEE "Classic blend 1991"

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