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【音楽×珈琲 鑑賞録】8月21日~フレデリック・ショパン 『バラード』第1番

音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【133日】
8月21日のテーマは、【ジャンル】

とりあげる作品は、
フレデリック・ショパン /
『バラード』第1番

です。

フレデリック・フランソワ・ショパン
フランス語: Frédéric François Chopin
ポーランド語:Fryderyk Franciszek Chopin
1810年3月1日(2月22日、1809年3月1日などの説あり) - 1849年10月17日
ポーランドの前期ロマン派音楽を代表する作曲家

今回とりあげるバラード第1番ト短調 作品23(Ballade No.1 in G Minor, Op. 23)は、ショパンがパリに滞在中の1831年から1835年に作曲、1836年に出版された最初のバラード、初期の傑作です。

シューマンにしてこの曲を「ショパンの曲で最も好きだ」と語り、続けて「この曲は大変優れている。しかし、彼の作品の中では最も天才的・独創的なものというわけでもない」とも評していて、さすがシューマンというシニカルな評伝。
この作品を皮切りに「バラード」と銘打たれた作品は4つあり、そのどれもがショパンらしさが聴ける名作揃いです。

「バラード」というのはラテン語の(ballare)に由来し、「踊る」という意味で、もともとは舞踏の伴奏用の歌。それが叙事的な物語風の詩を意味するようになっていったそうです。
そして、器楽曲におけるバラードと銘打ったのはショパンが初出らしく、今日まで続く、「ゆったりしたテンポで、静か、美しいメロディに感傷的」というイメージのジャンルを生み出したのは、ショパンだといえるかも知れません。

初聴から抒情的で感傷的な旋律と、まさに踊るように軽やかなタッチを聴かせたあと、激情に駆られるかのような怒涛の展開に聴き惚れる音楽で、さまざまな演奏家がこの作品を弾いているので聴き比べても奥が深いものです。
この作品は調性が面白く、不協和音になるところも、見事な和音に聴き及ぼす部分や、変奏を導入するなど、演奏と譜面を追いながら見ていくほど新たな発見があっていつまでも聴いてしまいます。

こうした名曲を聞くたび、ピアノ演奏ができればなーと思いますが、弾ける気がしない。
ただ、これを手がけたショパンも、表現豊かに弾くピアニストも、ほんとうに素晴らしいなと尊敬の念だけは積もりますね。

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