感謝・熱意・好奇心。個別の強みを使えばよいのか? ~書籍『Character Strengths Intercention』より #19 ~
こんにちは。本日も引き続き、書籍『Character Strengths Intervention』を題材に「強み」の世界を探求をしてまいりたいと思います。
今日のテーマは「特定の強みの活用方法」についてです。
これまでは大きなくくりととして「強みの認識をする方法」や、「強みの活用方法」「強みを使って意義と熱意を高める」などでしたが、今回は具体的な強みの活用の仕方について述べられています。
それでは早速見てまいりましょう!
VIAの24の強みの活かし方
VIAでは、強みが「24種類」に分類されています。
たとえば、「感謝」「愛情」「親切心」「熱意」「ユーモア」などなど。
そして、VIAの強みアセスメントを受検すると、自分の上位・下位の強みが明らかになるわけですが、少なくない方が、このような疑問を持つわけです。
「自分の上位の強みが「感謝」というのはわかったけど この「感謝」の強み、どう活かせばいいのか・・・?」と。
この”活かす”という言葉も、いくつか意味が含まれます。まず1つが、
・「感謝」の強みを使って、個人が果たしたい目的を達成する
(例:人間関係を良くする、目標としていた資格を取得する、など)
というように「ツール」として使う事を考えて”活かす”という場合。
そしてもう一つが、
・「感謝」の強みを使うこと自体を通じて、得られるものに注目する
(感謝の強みを使うと、幸福度が高まることがわかっています)
というパターンです。この場合は、感謝を使うと幸福度が高まるので、使うことそのものが価値になります。多くの強みは、それを使うことそのもので何かしらの付加価値を生み出します。
どちらも活かすには変わりませんが、
・どのように”特定の強み”を使えばいいのか?
・そしてその結果何が得られるのか?
は具体的に知りたいものです。
ご紹介の書籍では、この”特定の強み”について合計15ほどのアクションリストが紹介されていました。その中から、個人的におすすめの5つをご紹介させていただきます。
(1)「好奇心」の活かし方
<新奇さを通じて好奇心を高める>
「好奇心を育む」ための一つの方法として、”平凡なルーティンの中に新しい何かを見つける”という方法があります。私達は、日々のルーティンをほぼ、自動的にやってしまっています。
そんな日常のタスクに意識を集中すること(マインドフルな注意を向けること)で、ルーティンをちょっとだけ変えて見ましょう、という方法です。やり方は以下の3ステップです。
(2)「熱意」の活かし方
<熱意を活性化する>
「熱意」は幸福度に繋がる強みの一つとして知られていますが、この熱意を高めるシンプルな方法が、実は「運動」であることがわかっています。
めちゃくちゃ普通なのですが、以下の活動が、熱意を活性化する方法として、科学的にも示されており、幸福感の向上、抑うつの抑制につながることがわかっています(Mazzucchelli et al., 2010)
たとえば、バランス系(ヨガ、太極拳)、心血管系(水泳、ランニング、自転車、散歩)、筋力系(筋トレ、ピラティス)、スポーツ系(テニス、バスケ、サッカー)、動きの追跡(万歩計などで自分の歩数を測る)などを、週5回、1日15~30分行うのがおすすめとされています。
(3)「親切心」の活かし方
<恩送り>
親切心を高めるには、他者に定期的に親切な行動を行うことです。
具体的には、1)他者に利益をもたらし見返りを期待せずに行うランダムな親切を行う、2)親切な行動を定期的に行う計画を立て実行する とのこと。
日本人女性を対象にした実証研究でも、親切な行動を自ら数えると、感謝・幸福・幸せな記憶の増加が見られました(Otake et al., 2006)。
親切な行動は、自分にも他者にもプラスの影響をもたらすのですね。
(4)「チームワーク」の活かし方
<役割のマッチングによるチームワークの強化>
VIA Instituteの会長であるニールメイヤーソンによると、「チームには7つの役割」があるといいます。それは、アイデア創造者、情報収集者、意思決定者、実行者、影響者、関係管理者、エネルジャイザーの7種類(詳細は以下)です(Ruch, Gander, Platt, & Hofmann, 2016)。
上記の役割の中で、1)自分の中の強い2つの役割を特定する、2)その役割を果たすためにどの「特徴的な強み」を使えるか考える 3)チームにどのように貢献できるかを考える、事を行うというものです。
(5)「感謝」の活かし方
<感謝の手紙/訪問>
「感謝」は、簡単にでき、なおかつ幸福度を高める強みです。
研究によると、このワークを実施した直後は幸福感がぐっと上がることがわかりました。(ただし時間が経つと元のベースラインに幸福度も戻る)(Seligman et al., 2005)。やり方は以下の3ステップです。
代表的なワークであり、ランダム化比較実験でその効果も実証されていますが、上記ワークを行う場合、「感謝」の強み以外にも、「勇気」「熱意」など他の強みも活用する必要があるようです(感謝を口にするのは、勇気がいりますね)。
まとめと感想
その他にも、「感謝を高めるために、毎日3つの感謝したことを書き出す」「ユーモアを高めるために、毎日3つの面白いことを書き出す」などのワークもありました。
それぞれ、実証研究で効果があることがわかっているものが紹介されていたため、説得力がある内容だなと思いました。
一方、こうしたアクションを、本を読んだだけで実行できるか?というと、なかなか腰が上がらないこともあるだろうな、、、と思いました(感謝の手紙などはわかるけど躊躇する)。
なので、こうしたアクションは「やろうとする機会をつくる」ことが何より重要なのだろうな、と学びや実践の機会を作ることの重要性を改めて考えた次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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