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トーク&プチ体験 ご存知ですか?荒浜磯獅子踊 2024年2月11日

先日の2月11日、仙台市若林区荒浜にある海岸公園センターハウスで【トーク&プチ体験 ご存知ですか?荒浜磯獅子踊】に行ってきました。

トーク&プチ体験 ご存知ですか?荒浜磯獅子踊 フライヤー

ご存知かどうかと言われたら、全く存じていませんでした!というのが正直なところで、このイベントに関わっている龍笛や篠笛などの和笛奏者で、同じ雄勝町胴ばやし獅子舞味噌作愛好連で囃子手をしている山下進さんから数ヶ月前にチラッとこの荒浜の獅子踊(鹿子踊?)の存在を教えてもらうまで本当に知りませんでした。

山下さんのブログ記事にそのあたりについて詳しく載っております。

と、言っても仙台文化圏の鹿子踊などの民俗芸能自体、去年くらいから知り始めて日も浅いので当然と言えば当然ですが、それでも凄いなと思うのがこの「荒浜磯獅子踊」が廃絶したのが102年前の大正時代で、当時も21年に1度しか舞われない芸能だったということでかなりレアなものだったのだろうなと思います。宮城県仙台市の資料、昭和30年代の資料を頼りに調べていたそうで、名取の熊野堂十二神鹿踊の流れからできた獅子踊だそうで、山下さんがその笛をプチ体験で披露するとのこと。

そして、トークが以前「おがつの祭り - 宮城に息づく民俗芸能」の基調講演で春祈祷や浜神楽についてお話を聞かせてくれた笠原信男さんとのことでもあり、とても楽しみにしていました。(↓その時の講演映像)

会場に着くと、仙台鬼剣舞同好会のメンバー数名や、お世話になっている天江さん、舞台美術家の大沢さん、数年前に3.11メモリアル交流館のWSイベント「竹であそぶ」でご一緒だった三浦さんや、音響の永幡先生や海辺の図書館の庄子さん、からだとメディア研究室の千葉さんなど各方面の知っている顔が沢山あり驚きました。

笠原さんのトークは、旧仙台藩を中心に東北、北関東の鹿子踊(獅子踊)の分布や特徴、系統(幕踊系、太鼓踊系など)についての概要から入り、仙台藩内での扱いなど。衝撃的だったのが、盆踊りなど人数が集まるのを制御するのを目的に禁止したり、鹿踊や剣舞の人数制限を藩がしていたことなど。色々と腑に落ちるところも沢山ありました。

笠原信男さんのトーク

山下さんのコーナーでは熊野堂十二神鹿踊の記録動画を流し、どういう芸能、囃子なのかを見てからの笛のデモンストレーションとなりました。細かい部分(クセ)をコピーしている感じなど、十二神鹿踊に対する敬意を感じる演奏でした。これを獅子踊の太鼓、頭の口を鳴らす音(首を振って獅子頭の口を鳴らして、リズムを取っている)と一緒に合わせていくグルーヴに進化するんだろうなとこの先の未来を想像すると楽しみになりました。

山下進さん演奏

僕の隣に座っていた少し年配の方が急に呼ばれと思ったら急遽名取から来てくれた熊野堂十二神鹿踊の方でした。持参してくれた衣装や道具の説明をしてくれ、簡易的に衣装をつけて笛を合わせて動きを見せてくれました。

「熊野堂十二神鹿踊」の板橋正春さん
衣装をつけた板橋正春さん

この102年ぶりに再生(復興、復元ではなく、再生という言葉を使う)会合はこれからも続いていくそうで関わっていけるのがとても楽しみです。まずは熊野堂を師匠として色々と学んでいく方向からの荒浜へのどう落とし込んでいくか、みんなで考えて形を作っていく。102年ぶりの芸能再生からとても未来を感じる取り組みを応援していきたいです。

2024年2月12日 読売新聞

海辺の図書館の公式noteの記事

横笛奏者、山下進さんのブログ記事

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