石巻雄勝 名振のおめつき (神事のみ)2024年1月24日
毎年1月24日は石巻市雄勝町の名振地区で開催される奇祭「おめつき」。江戸時代から続いている祭で、当時集落が大火に見舞われることがありそれから火伏せの神の秋葉神を勧請し、石碑を集落の東西両端に置いたところが祭の起源だそうです。(記事下部に石碑付近の説明看板の書き写しを引用として掲載しています)
僕が2014年くらいから初めて見ていたお祭りを簡単に書くと(僕の主観です)、重い山車(しかし、車輪はない)を男達が担ぎ、秋葉神の東の石碑から西の石碑まで巡行し激しく揉み、西に到着する頃には山車はボロボロになっている。巡行の間に休憩する「宿」があり、そこで即興の寸劇、俄狂言の「おめつき」が行われる。
内容は、地区のおじさん達が(多分もう酔っている)大きな木造の男根を用いて(こちらの地域では道祖神の形がソレ)いわゆる猥談をふんだんに使い、時事な話題を盛り込んで「思いつき」で演じる寸劇。その「思いつき」が「おめつき」の由来だそう。
その男根像に見物客や地元の女性が呼ばれてなのか、自らなのか、劇の中に入って行き跨ると子宝に恵まれるという謂れも出てきて、「あのオジサンはうん十年前のおめつきベイビーなんだよ」って言う人もちらほら耳にしました。その寸劇の終わりに獅子舞をして、また西を目指して山車巡行。
というのが、東日本大震災後から名振のファンになって、僕が見て知っている「おめつき」
僕が知らない東日本大震災前は、もっともっと活気があったそうで、1994年に岐阜県で行われた「全国にわかフェスタ」という、全国の俄狂言の郷土芸能大会に出場していたことまでもあるそうで、タイムスリップしてその大会も、当時の名振のおめつきも直に見てみたい!!と、想像が止まりません。
(というより、全国に俄狂言がこんなにあるなんて知らなかった・・・)
下の動画は10年前の2014年のおめつき。
2014年当時でさえ家々は大津波で流され町が無くなり、住民も減ってしまい地区外の方やボランティアを頼り、おめつきを開催していたのだけれど、2020年より人手不足で(コロナ禍も重なった)簡素化し神事のみを行っているのが現状です。
正直さみしい気持ちですが、震災で色々急に状況も変わってしまい(変わったといよりかは、問題が劇的に加速したイメージもありますが)これまで同じ形で続けていくには色々と無理があるのも重々にわかります。
ただ、形を変えて続けていければという言葉に希望を感じますし、何をどう残して、変えていくかなどこれから少しずつ話合ったりしながら決まっていけば良いな。
今年のおめつきの神事の後に、巡行で奏でる囃子と獅子舞の披露。獅子舞、人が足りなかったそうで、地区は違えどお手伝いさせてもらいました。
笛も吹かせてもらったのですが、途中から雄勝の別の地区の旋律になってしまったりと、やはり合わせる練習したい。何かしれ僕も伝承することで手伝えることを考えていこうと思った、2024年の名振のおめつきでした。
石碑付近の看板より↓
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